相続の知識

生前贈与で贈与税が非課税になる8パターン|110万円基礎控除や非課税制度を解説

両親や祖父母が子どもや孫に財産を譲る方法には、亡くなった後に手続きする「相続」のほかに、生きているうちに財産を渡す「生前贈与」があります。
「生前贈与にはどんなメリットがあるの?」「手続きは難しくない?」と疑問に思う方もいるかもしれません。生前贈与には非課税となる制度がいくつもあり、これらを上手に活用することで、次の世代の税負担を軽減し、財産をより有効に活用することが可能です。
この記事では、生前贈与の基本や相続との違い、非課税制度の種類や手続きの注意点について、わかりやすく解説します。

生前贈与とは?

贈与税の仕組みを理解する前に、まずは意外と知られていない「生前贈与の基本」について押さえておきましょう。

生前贈与に関するおさらい

人には寿命があり、不動産や預貯金、株式などを永遠に所有しておくことはできません。そこで、財産を譲渡する一つの方法として行われているのが生前贈与です。生きている間に財産を譲り渡すことを指し、もちろん法的にも認められています。生前贈与には、相続税の節税につながる可能性があります。次の章では、こうした節税の観点を含めた生前贈与のメリットについて詳しく紹介します。

また、生前贈与の基本的な仕組みや注意点、具体的な活用方法など、より詳しい情報については、以下の関連記事をご参照ください。

生前贈与と相続の違い

生前贈与のほかに、一般的に行われる譲渡の方法として相続があげられます。生前贈与と相続は、いずれも財産の移転に関わる制度ですが、いくつかの明確な違いがあります。最たるものは、財産が譲渡されるタイミングです。生前贈与をする場合、贈与者(財産を渡す人)が生きている間に、受贈者(財産を受け取る人)に財産を渡します。一方相続は、被相続人(亡くなった人)から相続人(子どもなど)や受遺者(遺言により財産を受け取る人)へ財産が引き継がれるものです。

また、税金についても以下のような違いがあります。

  • 生前贈与:受贈者が受け取った額に「贈与税」がかかる。
  • 相続:被相続人の全財産に「相続税」がかかる。

生前贈与も相続も、金額によって納税額が変わります。また、一般的には納税はともに、受け取った側が行います。

生前贈与と相続の違い

生前贈与を行うメリット

生前贈与にはさまざまなメリットがあります。

  • 贈与のタイミングや相手、お金の使い道を自分で決められる
  • 財産にまつわる家族間トラブルを避けやすい
  • 節税対策ができる

贈与する相手やタイミングを任意で決められる

生前贈与の大きなメリットの一つは、財産を渡す相手やそのタイミングを自由に決められる点です。
相続の場合、基本的には法律に従って遺産が分配されますが、生前贈与であれば「この不動産は誰に」「この預貯金は誰に」など、贈与者が財産を「いつ」「誰に」渡すかを柔軟に決定できます。

事前に「争続」の元となる財産を整理できる

相続をめぐっては、財産の分け方をきっかけに親族間でトラブルが生じる、いわゆる「争続」が発生する可能性があります。たとえ遺言をしていても、死後に起こりうるすべての事態を想定して対処するのは難しく、内容が不完全な場合には解釈をめぐってさらにもめごとが起きることもあります。

こうした事態を避ける手段として有効なのが、生前贈与です。あらかじめどの財産を誰に渡すかを明確にしておくことで、遺産分割をめぐる誤解や不満を抑えやすくなります。もちろん、金銭を伴う問題で不満を完全に排除することは難しいものの、贈与者が存命であれば、家族間で話し合いによる調整も可能です。

税金の負担を軽減できる

生前贈与は、相続税の負担を軽減するのにも有効な手段です。財産を生前に分割して贈与しておくことで、最終的に相続時に課税対象となる財産の総額を抑えることができます。生前贈与の場合でも贈与税がかかりますが、基礎控除制度などを活用すれば、贈与税の負担を抑えながら相続税の負担も抑える、といった計画的な資産移転が可能です。

贈与する相手やタイミングを任意で決められる

贈与税額の計算方法

贈与税は原則として「暦年課税方式」および「受贈者単位課税方式」によって算出します。これは、贈与ごとに算出するのではなく1人の受贈者が1年間で贈与を受けた額に対して課税するものです。
贈与税には年間110万円までの非課税枠(基礎控除)が設定されており、贈与税額の計算は以下の通りです。

【贈与税額=(受け取った額−110万円)×税率−控除額】

税率や控除額は額によって異なります。
上記の年間110万円までの基礎控除のほか、贈与税の非課税制度にはさまざまな種類があるので、次の章から解説します。

生前贈与が非課税になる7つの制度

一般的に個人が利用できる、非課税になる制度としては以下の7つがあります。

  1. 暦年課税制度による110万円の基礎控除
  2. 配偶者控除の特例(おしどり贈与)による贈与税非課税制度
  3. 相続時精算課税制度による贈与税非課税制度
  4. 孫などの教育資金の贈与税非課税制度
  5. 住宅取得等資金の贈与税非課税制度
  6. 孫などへの結婚・子育て資金の贈与税非課税制度
  7. 特定障害者に対する贈与税非課税制度

なお、贈与税がかからない制度については、国税庁のホームページにも詳細が記されています。参考にしてください。

贈与税がかからない場合(国税庁)

1. 暦年課税制度による110万円の基礎控除

先にふれた暦年課税についてですが、非課税枠の110万円は、1年間に受け取った贈与の「合計額」に対して適用されます。個別の贈与ごとに適用されるわけではなく、その年の贈与総額が基準となります。たとえば、父と母からそれぞれ100万円ずつ贈与を受けた場合、合計は200万円となります。このうち110万円までは非課税ですが、残りの90万円には贈与税が課されます。
また、贈与税の計算には「特例税率」と「一般税率」の2種類があり、使い分けが必要です。特例税率は、贈与を受けた年の1月1日時点で、受贈者が18歳以上の子や孫である場合に適用されます。両者の税率は以下の表をご覧ください。

基礎控除額110万円
一般贈与 基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1000万円以下 1500万円以下 3000万円以下 3000万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円
特例贈与 基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1000万円以下 1500万円以下 3000万円以下 4500万円以下 4500万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

2. おしどり贈与による贈与税非課税制度

夫婦の間で、自宅などの居住用不動産を贈与したり、その購入資金を贈与したりする場合は、通称「おしどり贈与」と呼ばれる「贈与税の配偶者控除の特例」を活用できます。20年以上にわたって婚姻関係を続けた夫婦ならば2,000万円まで贈与税がかかりません。さらに、暦年課税の基礎控除(110万円)を併用すれば2,110万円までを非課税にできます。

贈与は、夫から妻へ、妻から夫へ、どちらの方向でも構いません(ただし、「婚姻」とは法律上の結婚を指すため、事実婚ではこの制度を利用できません)。条件としては、贈与を行った翌年3月15日までは贈与によって取得した住まいで住み、その後も住む見込みがあることが挙げられます。なお、この制度を利用する際は、贈与があった翌年2月1日から3月15日までに申告してください。

3. 相続時精算課税制度による贈与税非課税制度

限度額を2,500万円とし、当面はその範囲内であれば、贈与税はかからないという制度です。ただし、この制度には「贈与者が死亡すると非課税で贈与された財産も相続財産になる」という特徴があります。贈与者の死亡時にあらためて相続税が課されるため、あくまでも「相続時までの納税の先送り」の制度であると理解しておくことが大切です。

原則として60歳以上になる父母や祖父母から、18歳以上の子どもや孫へと財産を贈与する際に、この制度を活用するか選択できます。

贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額については一律20%が課税されます。たとえば、贈与額が3,500万円の場合、課税対象は特別控除額を差し引いた1,000万円となり、その20%の200万円に贈与税が課せられます。

なお、この制度の利用時には税務署への申告を忘れないようにしてください。たとえ非課税枠の適用内で、贈与税を支払わなくてよいケースでも申告しなければなりません。また、相続時精算課税を一度選択してしまうと、暦年課税は使えなくなるので注意が必要です。

【ポイント】基礎控除(110万円)が利用できる
相続時精算課税制度には、以下のような条件も加えられています。

①上述の2,500万円とは別に、年間110万円の基礎控除が設定されている。
②贈与された財産が災害による被害を受けた時は、相続時に財産評価額が再評価される。

この基礎控除の設定により、贈与を年間で110万円以下に抑えれば、相続時にも課税対象となりません。

詳細は下記の記事をご覧ください。

4. 教育資金の贈与税非課税制度

学校の入学金や授業料、学用品の購入、修学旅行の費用など、子どもの教育に関わる資金を贈与された場合、1,500万円まで非課税です。なお、塾や習い事の費用、通学に使う定期券代の非課税枠は500万円までです。対象者は2026年3月31日までに30歳未満であることが条件です。また、贈与を受けた前年の所得税に関する合計所得金額が1,000万円を超えていた場合は、対象外となります。

この制度を利用する際には、受贈者が金融機関で「教育資金口座」を開設する必要があります。贈与された資金はこの口座で管理され、金融機関を通じて税務署に「教育資金非課税申告書」を提出します。
口座から資金を引き出して使ったら、教育費として使用したことを証明するための領収書を提出しなければなりません。

【ポイント】残額には一般税率が課される
この非課税制度を活用するなら、以下の条件も確認が必要です。なかでも、30歳までに使い切れない場合、課税される点には注意してください。

①適用期限は2026年3月31日まで(2025年7月現在)。
②30歳までに資金を残すと、残額には一般税率が適用される。
③贈与者が教育資金管理契約の終了日までに死亡した場合に、相続税の課税価格の合計が5億円以上あると、受贈者が23歳未満かつ在学中でも、非課税拠出額から教育資金支出額を差し引いた残額が相続税の対象となる。

5. 住宅取得等資金の贈与非課税制度

子どもや孫がマイホームの購入を希望した際に利用できる制度です。住宅の取得に関する贈与では、最大で1,000万円を非課税にできます。ただし、非課税限度枠は住宅の性能によって変わってきます。
耐震性やバリアフリーの性能基準を満たしている場合には「質の高い住宅」となり、それ以外の一般住宅とは限度額が異なります。

「質の高い住宅」の要件とは以下の通りです。

  • 耐震等級が2以上または免振建築物(新築)
  • 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(ZEH水準)(新築)
  • 高齢者等配慮対策等級3以上(新築)
  • 耐震等級2以上または免振建築物(既存住宅)
  • 断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上(既存住宅)
  • 高齢者等配慮対策等級3以上(既存住宅)
住宅の形態 非課税限度額
「質の高い住宅」 1,000万円
上記以外の住宅用家屋 500万円

この制度を活用するには、管轄の税務署へ贈与税の申告をする必要があります。非課税のため贈与税支払いの必要がない場合も申告をしてください。

6. 孫などへの結婚・子育て資金の贈与税非課税制度

父母や祖父母から、子どもや孫に対して、結婚、妊娠・出産、子育てに関して贈与された資金に対しては1,000万円までが非課税で、うち結婚資金については300万円までが非課税です。対象となるのは、受贈者が定められた期限までに18歳以上50歳未満で、両親や祖父母から資金を贈与された場合です。

この特例を使う際には受贈者が金融機関で、「結婚・子育て資金」用の口座を開設し、資金管理を行います。そして、金融機関を通して税務署に結婚・子育て資金非課税の申告書を提出することになります。必要があれば資金を引き出せますが、適切に資金が使われていることを証明するために、金融機関に領収書の提出を行う必要があります。

【ポイント】適用期限は2027年3月末
令和5年度税制改正大綱によって2026年3月31日までに延長されていた適用期限ですが、現在、再延長されています。また、残額の取り扱いについて以下のように変更になっているので注意してください。
①適用期限は2027年3月31日。
②贈与された資金を50歳までに使い切れなかった場合、残額には贈与税がかかる。その税率については「特例税率または一般税率」から「一般税率」へと一本化される。

結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について(こども家庭庁)

7. 特定障害者に対する贈与税非課税制度

障害者の生活費などに充てる場合も非課税制度があります。障害の程度により非課税の枠は異なり、「特別障害者以外の特定障害者」の場合には3,000万円ですが、「特別障害者」に贈与する場合は6,000万円です。

特別障害者以外の特定障害者

贈与税において、非課税の対象となる障害者は「特別障害者以外の特定障害者」と「特別障害者」に分けられます。「特別障害者以外の特定障害者」にあてはまる方は以下の通りです。

  • 中軽度の知的障害者、障害等級2級または3級の精神障害者など

特別障害者以外の特定障害者に贈与する場合には、非課税枠は3,000万円です。

特別障害者

一方、特別障害者の要件は以下の通りです。

  • 知的障害者更生相談所や児童相談所、精神保健福祉センターなどで知的障害が重度とされた障害者
  • 精神障害者保健福祉手帳の障害等級が1級の障害者
  • 身体障害者手帳に1級または2級と記載されている障害者 など

特別障害者に贈与する場合には、非課税枠は6,000万円です。この制度を活用する際は信託銀行に資金を預けることが必要で、金融機関を経由して税務署に障害者非課税信託申告書を提出することになります。信託口座の資金は受贈者である障害者の生活や医療に必要な費用に充てられます。

特別障害者

非課税制度以外での生前贈与の活用方法

配偶者控除の特例(おしどり贈与)や子どもや孫の結婚・子育て資金のような、非課税となる贈与のほかにも、生前に家族に対して贈与を行うケースは多くあります。

  • 生活費や教育費としてこまめに譲渡する
  • 生命保険に活用して節税する
  • NISAを活用して節税する

以上の方法で行える節税について解説します。

生活費や教育費として都度贈与する

日々の生活のなかで必要な生活費や教育費としての贈与については、原則として贈与税の対象にはなりません。親が子どもの成長を支え、生活の面倒を見るのは当然のことで、生活や教育にかかるお金に対しては課税されません。また、夫婦間でも金銭的に支え合いながら生活をしていくため、やはり生活費として贈与した場合の課税は適切ではないと考えられます。そこで、日ごろからこまめに、家族に財産を譲渡しておくのも、節税の一つです。

ただし、生活費・教育費として贈与されたお金であっても、以下のような場合は課税対象となります。

  • 不動産や車、株などの有価証券の購入に使う
  • 学資保険など生命保険の保険料に使う
  • 余った生活費を預貯金に回している

扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A(国税庁)

生命保険を活用して税金対策をする

生命保険には非課税枠が設定されています。配偶者や子どもなどの法定相続人が死亡保険金を受け取る場合、【500万円×法定相続人の数】までは相続税の対象外です。たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人なら【500万円×3人】で、1,500万円までが非課税です。

この生命保険の非課税枠に「暦年課税」の非課税枠を組み合わせれば、より効率的な相続対策が可能です。親を被保険者とした保険を子どもが契約し、暦年課税の非課税枠の範囲内で親から贈与されたお金で保険料を支払う方法です。

暦年課税では贈与額を110万円以下に抑えれば贈与税はかかりません。また、贈与されたお金を保険料に充てることで、有効に使うことができます。親が亡くなった際には、子どもは保険金を受け取ることができ、相続税の支払いがある場合は、その負担軽減にもつながります。ただし、受け取った保険金から支払った保険料の差額に所得税(一時所得)が課されます。

NISAを活用して税金対策をする

生前贈与にあたって、NISA(少額投資非課税制度)を活用することで、贈与した資産をより効果的に運用しつつ、税金対策にもつなげることが可能です。NISAは配当や、上場株式などを売却した際の譲渡益が非課税であり、2024年からは非課税期間が無期限になりました。たとえば、子どもや孫に資金を贈与し、その資金を使ってNISA口座で資産運用を行えば、運用益に対しては非課税です。毎年、計画的に贈与と運用を行うことで、受贈者にとって将来の資産形成がしやすくなります。

NISAを活用して税金対策をする

贈与税を非課税にする際の注意点

ここまで見てきたように、贈与税を非課税にする方法はいくつもありますが、活用する際に注意が必要な場合もあります。非課税になるはずのものが、そうならない(税務署から認められない)ケースもあるのです。そうした注意点についてもふれておきましょう。

毎年同額の贈与はしない

すでに解説しましたが、贈与税では毎年110万円までの贈与は非課税です。しかし、毎年同時期に同じ人から同額を継続して贈与されていると、税務署が「定期贈与」と判断する可能性が高くなります。
たとえば、親が子どもに50万円を10年にわたって贈与した場合、「当初から500万円を贈与する意図があった」とされ、税務調査に入られる可能性があります。こうした事態を回避するためには贈与額や贈与の時期を変更することがポイントです。

相続税よりも贈与税のほうが税率が高い

相続税と贈与税の税率を比較すると、贈与税の負担が大きいことがわかります。たとえば最高税率で比べた場合どちらも55%ですが、贈与税は4,500万円を超えた時点でこの税率が適用されます(特例税率の場合)。一方の相続税は6億円を超えた時に最高税率となります。
相続税の負担を小さくするために生前贈与をしたとしても、より税負担の大きい贈与税を支払うことになってしまえば本末転倒です。この記事で解説した非課税の各種制度について理解を深めておくことが大切だといっていいでしょう。

相続税 贈与税
最高税率 55%(6億円超) 55%(4,500万円超)
最低税率 10%(1,000万円以下) 10%(200万円以下)
基礎控除額 3,000万円+法定相続人×600万円 110万円

申告が必要な場合もある

贈与税の非課税制度のなかには、税務署への申告が必要なものもあります。以下の三つの制度を利用する場合は申告を忘れないようにしましょう。

  • 夫婦間での居住用不動産を取得するための資金の贈与(おしどり贈与)
  • 相続時精算課税
  • 住宅取得等資金の贈与税非課税制度

持ち戻し期間に注意する

生前贈与を活用する際には、「生前贈与加算」の持ち戻し期間に注意する必要があります。相続が開始される前の一定期間内に生前贈与によって送られた財産については、相続開始(死亡した日)から一定期間遡り、生前贈与で受け取った財産についても、相続税の課税対象です。

2024年の税制改正により、この一定期間は2026年12月31日までの「3年」から段階的に延長され、2031年1月1日以降は「7年」となる予定です。つまり、亡くなる7年前までに行われた贈与であっても、一定の条件を満たす場合には、その分が相続財産として再計算され、相続税が課される可能性があります。

まとめ: 生前贈与をする際は、相続に詳しい税理士に相談しよう

配偶者や子ども、孫への相続時の税負担を軽減する目的で行うのが、生前贈与です。贈与税にはさまざまな非課税制度が設けられており、これらをうまく活用すれば、大きな節税効果が期待できます。
ただし、贈与税は相続税よりも税率が高いため、知識がないまま進めると、かえって税負担が増えてしまうおそれもあります。そのためにも、生前贈与に関する正しい知識を身につけておくことが重要です。
また、贈与の内容によっては税務署への申告が必要となる場合があり、申告を怠るとペナルティが課されることもあります。財産を贈る側・受け取る側の双方が、しっかりと注意を払う必要があります。

なお、贈与に関する基本的な情報は、財務省のホームページでも確認できます。

贈与税に関する資料(財務省)

生前贈与については、贈与に詳しい税理士に相談するのも有効な方法です。豊富な知識と実績を持つ税理士は、贈与税の計算や特例の適用、申告手続きのサポートはもちろん、節税につながる具体的なアドバイスも幅広く提供してくれます。
さらに、将来の相続まで見据えた節税対策の助言も受けられるため、長期的な視点での対策を考えるうえでも心強い存在です。安心して贈与を進めるためにも、専門家への相談を検討してみましょう。

当社は、コンテンツ(第三者から提供されたものも含む。)の正確性・安全性等につきましては細心の注意を払っておりますが、コンテンツに関していかなる保証もするものではありません。当サイトの利用によって何らかの損害が発生した場合でも、かかる損害については一切の責任を負いません。利用にあたっては、利用者自身の責任において行ってください。

詳細はこちら
この記事を監修した⼈

税理士法人レガシィ代表社員税理士パートナー陽⽥賢⼀の画像

陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

税理士法人レガシィ社員税理士武田利之の画像

武田 利之税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表

<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表

相続の相談をする老夫婦のイメージ画像

無料面談でさらに相談してみる