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相続の知識

生前贈与とは?メリット・デメリットと税金について解説

相続対策の1つとして、生前贈与を検討する人が増えています。生前贈与には相続税を軽減するだけではなく、さまざまなメリットがありますが、具体的にどのような方法があるかを知っておくことが重要です。事前に生前贈与を利用する際の注意点を確認しておきましょう。

生前贈与とは?

生前贈与とは、個人が自分の意志で自分の財産を別の人に贈与することです。贈与する財産は現金や預貯金だけでなく、株式や不動産など、種類を問いません。ただし、贈与する側が「あげる」という意思を示し、受け取る側も「もらいます」という承諾をして、両者の合意を得ることで贈与は成立します。

贈与する人は「いつでも」「誰にでも」「何回でも」贈与することができるため、自分の財産を生前に子どもや孫などに引き継ぐ手段として、利用することができます。

とはいえ、贈与される人には、受け取る金額に応じた贈与税が課税されるため、贈与する人も相手の贈与税の負担を考慮して贈与を検討することが大切になります。

「生前贈与」と「相続」の違いを確認する

家族の間で資産を引き継ぐ方法には、「生前贈与」と「相続」の2つがあります。生前贈与は文字どおり、本人が生きているうちに相手を選んで資産の一部を贈与するため、受け取る側の意思を確認して贈与することができ、感謝の言葉を直接聞くこともできます。
また、住宅資金や教育資金など、子どもや孫の生活を贈与を利用してサポートすることで、口座に眠っている余剰資金を有効活用できるというメリットもあります。

贈与の金額によっては、受け取る側に贈与税がかかりますが、家族の間での贈与には贈与税の特例や非課税制度があるため、それらを活用することで贈与税の負担を軽減することもできます。生前贈与で財産が減少した分は、相続税を抑えることにもつながります。

一方で、相続では亡くなった後に、相続人がその財産を引き継ぐことになります。そのため、遺言書がない場合には本人の希望通りの分け方で遺産を承継できるとは限りません。遺言書があっても、相続人全員の合意によって、本人の希望とは異なる遺産の分け方になることもあります。さらに、残された財産が多ければ、その遺産には相続税が課せられるため、相続人が実際に受け取る財産は納税分によって目減りすることになります。

平均寿命が延びている近年は、相続が発生するのは被相続人が80代、90代というケースが増えています。相続人も60代前後となっているため、引き継いだ財産はそれぞれの老後資金として温存され、あまり有効活用されないことも多くなっています。「どうせもらえるなら、もっと早くもらっていれば、いろいろと助かったのに…」ということもあるわけです。

生前贈与をする目的を考える

生前贈与には前述のとおり、贈与する側、される側の双方にメリットがありますが、目的をはっきりさせないまま贈与をすると、贈与した財産が十分に活かされず、無駄使いにつながってしまうこともあり得ます。ですから、贈与する人はその目的をきちんと考えて、有効に活用してもらえるようなタイミングと贈与の仕方を検討することが大切です。

たとえば、現役世代でもっとも大きな資金がかかるのが住宅の取得や増改築のときです。孫がまだ幼い場合には、将来の教育資金についても高額な費用が予想されます。結婚資金や子育て資金を用意しなければならないときにも、まとまった資金の贈与を受ければ助かります。このように贈与される側の事情を考慮して、ちょうどいいタイミングに贈与するのが理想といえるでしょう。

もしも子どもや孫が資金的に困っていなくても、相続時に多額の相続税を負担するようなことになりそうなら、相続時の負担を軽減するために生前贈与を利用するというのも1つの方法です。この場合も、生前贈与をする目的を相手にも伝えて、お互いの合意を得て贈与する方法などを話し合うことが大切です。そこで、具体的な贈与の仕方について、次に紹介します。

生前贈与の方法は3種類ある

生前贈与を行う際には、贈与税の課税方法を知っておくことが不可欠です。
贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」という2つの課税方法があります。この2つにはそれぞれ一定額まで贈与税がかからない非課税額があるため、これを上手に活用することがポイントになります。さらに、3つ目の方法として贈与税独自の特例や非課税制度を利用する方法もあります。まずは先の2つの課税方法から見ていきましょう。

暦年課税の非課税枠を利用して贈与する

贈与税は、1月から12月までの1年間に贈与された金額をもとに贈与税額を計算する暦年課税が基本となっています。この場合、基礎控除として110万円という非課税額があるため、贈与された金額が年間で110万円以内であれば、贈与税はかからず、申告の必要もありません。

そこで、贈与する金額を毎年110万円以内にして、少しずつ贈与するという方法が考えられます。1回の贈与額は少なくても、数年にわたって贈与すれば、1人に対して数百万円の贈与をすることも可能です。

一方で、贈与する人は誰にでも、いくらでも贈与することができるので、まとまった資金を早く、手間をかけずに贈与したいという場合は、一度に子どもや孫など複数の人に贈与する方法もあります。たとえば、同じ年に5人の子どもや孫などに100万円ずつ贈与すれば、年間で500万円の資金を贈与税がかからずに贈与することができます。これを3年行えば、1500万円の財産を承継することになり、相続財産を早めに減らすことができます。

まとまった資金の贈与は「相続時精算課税」を検討

60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上(2022年4月からは18歳以上)の子どもや孫が贈与を受けた場合には、「相続時精算課税制度」を選択することもできます。これを利用すると、何回かに分けて贈与されても、累積で2,500万円までは贈与税は課税されず、2500万円を超えたら、超えた分に一律20%の贈与税が課税される仕組みになっています。

ただし、この制度で贈与された分はすべて相続税の対象となり、相続時に取得する財産と合わせて相続税を計算することになります。2,500万円を超えて納めた贈与税があれば、相続税額から差し引くことができ、相続税より贈与税が多かったときは、差額の還付を受けられます。

まとまった資金を贈与する際や、収益不動産などの贈与に適していますが、生前に贈与された分を相続税で精算するので、直接的には相続税の節税につながりません。ただし、相続時よりも早く資産を承継し、子や孫がそれを活用できるという意味では便利な制度です。

この制度は父と子ども、母と孫など、1対1で贈与される相手を選んで利用できますが、いったん選択すると、以降は暦年課税に戻ることはできず、年間110万円の非課税枠を利用することができません。最初に贈与を受けたときに贈与税の申告をして「相続時精算課税」の届け出を行い、以降は贈与を受けるたびに、110万円以内であっても贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告が必要です。

特例や非課税制度を利用する「生前贈与」

前に説明した3つ目の方法として、贈与税の特例や非課税制度を利用する方法を知っておきましょう。一般的には、こちらのほうから検討する人が多いかもしれませんが、これらの制度を利用して贈与税がゼロになっても、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までに贈与税の申告が必要になることを忘れないでください。

住宅の取得等資金を生前贈与で受け取る方法

直系の父母や祖父母から20歳以上(2022年4月からは18歳以上)の子どもや孫が、居住用の住宅の購入・新築、増改築資金の援助を受ける場合、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の特例を適用することができます。
この特例は期限付きで、非課税限度額がその都度見直されていますが、2020年4月~2021年12月末に契約する住宅については、最大で1,500万円の贈与まで、贈与税が非課税になります。取得する住宅の種類や消費税の税率で非課税限度額は異なり、取得する住宅の床面積などの条件もあるので、詳しくは国税庁HPで確認しましょう。

教育資金や結婚・子育て資金を生前贈与で受け取る方法

上記と同様に直系の父母や祖父母から、30歳未満の子や孫が教育資金の一括贈与を受ける場合は、最大で1,500万円の贈与まで贈与税が非課税になります。
「結婚・子育て資金」の場合は、20歳以上(2022年4月からは18歳以上)50歳未満の子や孫が、最大で1,000万円の贈与まで贈与税が非課税になります。いずれも当初の期限が延長され、2023年3月末までの適用となります。
どちらも金融機関などに贈与を受ける子や孫の名義で専用口座を開設し、そこに贈与する資金を一括で預けます。その資金を使う際は、目的の支払いに充てたことを証明する領収書や明細書などを提出して引き出します。

教育資金は30歳に達した日、結婚・子育て資金は50歳に達した日に契約が終了となり、その時点で残った資金は、贈与税の対象になります。また、預入期間中に贈与者が亡くなると、一定の場合を除き、その時点の非課税拠出額から一定の計算による支出額を差し引き、その金額が相続税の対象とみなされます。また、孫が代襲相続人以外の場合は相続税額の2割加算の対象になります。

上2つについて、詳しくは下記の記事も参考にしてください。

夫婦の間で居住用不動産等を贈与する方法

婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、「贈与税の配偶者控除」を利用する方法があります。この制度は、居住用不動産や居住用不動産を取得するための資金の贈与が2,000万円まで控除できるという制度です。その年の基礎控除を加えると、実質的に2,110万円まで夫または妻名義の自宅の土地・建物を、配偶者に贈与することができます。法律上の夫婦の間で一度だけ利用できるため、「おしどり贈与」ともいわれています。

この制度を利用して非課税で贈与した自宅やその一部は、贈与税だけでなく相続税もかかりません。かつては、遺産分割の際に生前贈与した自宅も特別受益として遺産分割の対象になることがありましたが、法改正で、生前に配偶者が贈与された自宅は、遺産分割でも特別受益の対象から除外されることになったため、配偶者に確実に自宅を残したい場合などに利用するといいでしょう。

生前贈与を利用した相続税の節税対策のメリットとデメリット

生前贈与を利用すれば、子どもや孫、配偶者に自分の意志で財産を承継させることができ、受け取った人たちの喜ぶ顔を見ることができます。そのうえで、相続税がかかりそうな場合や負担が重くなりそうな場合は、その負担を軽減し、相続税がかからないように遺産の総額を減らしたりすることができます。

ただし、誰にどれくらい贈与するかによって、相続人の間で相続時に揉めることもあるため、相続人に対してはできるだけ公平に贈与することが重要になります。お世話になっている嫁や孫など、相続人以外の人に生前贈与する際も、後々、相続人が納得できるように、その理由などをきちんと説明しておくほうがいいでしょう。

また、後先考えずに贈与して、自分たちの老後資金が不足し、困ることがないように考えておくことも重要です。どのタイミングで、どれくらい贈与しても大丈夫か、それぞれの所有する財産を把握し、相続税との兼ね合いで、余剰資金を残して贈与する金額を決めたいものです。

贈与税と相続税のどちらが有利かは、所有する財産によっても異なるため、一概にはいえません。所有する財産がもともと相続税がかからない範囲であれば、無理に生前贈与で財産を減らす必要はありません。所有する財産が多く、確実に相続税がかかる場合や、金融資産が多く余裕がある場合に、非課税制度を利用した生前贈与を検討するといいでしょう。

生前贈与をする際の注意点

せっかく生前贈与をしても、相続時に税務署の調査で贈与とは認められない場合もあります。たとえば、子どもや孫の名義で通帳をつくり、そこに贈与したお金を入れておいても、その通帳や印鑑を贈与した人が自分で管理していると、「名義預金」とみなされて、相続税の対象にされることがあります。

贈与したお金は、受け取った人が自分で管理し、自由に使える状態にしておくことが重要です。その都度「贈与契約書」を作成しておくほうがいいでしょう。暦年課税で毎年少しずつ贈与する場合は、受け取る人が普段使っている口座に振り込めば、通帳に記録が残り、贈与の証拠にもなります。信託銀行などには、暦年贈与を利用しやすくする信託商品もあるので、そうした商品を使って贈与する方法もあります。

贈与税の特例や非課税制度を適用するときは、贈与税の申告書を提出することが適用を受けるための要件となっているものもあるため注意が必要です。場合によっては年間110万円を少し超える贈与をして、贈与税の申告・納付をしておけば、その申告書の控えが贈与の証明にもなります。年間200万円の贈与であれば、税率は10%で、贈与税額は9万円で済みます。手取りで200万円になるように贈与するなら、贈与税の分も含めて210万円を贈与するというのも一案です。

おわりに:生前贈与は計画的に行いましょう

相続税の場合、相続開始前3年以内に贈与した分や、相続時精算課税制度を適用した分は、相続財産に加算されます。生前贈与を検討するなら、贈与する側が相続対策を考えられるくらい心身ともに元気なうちに、早めに実行するほうがいいでしょう。
大事な財産を次の世代に賢く引き継ぎ、有効に活用してもらうためにも、贈与される側の経済事情なども考慮して、計画的に上手に贈与することがなにより大切と心得ましょう。

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この記事を監修した⼈

陽⽥ 賢⼀

陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

武田 利之(税理士)

武田 利之税理士法人レガシィ 社員税理士

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修  天野 隆税理士法人レガシィ 代表

<総監修  天野 隆>税理士法人レガシィ 代表

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