相続の知識

相続税の計算は誰でもできる!基本の式と手順を解説

相続税の計算は複雑に見えますが、基本的な仕組みと手順を理解すれば自分でもおおまかな金額を試算できます。この記事では、相続税の基礎知識から、実際の計算式と手順、ケース別の早見表までわかりやすく解説します。財産の種類や相続人の構成によって税額は大きく異なるため、事前に目安を把握しておきましょう。

相続税の計算式

相続税の計算式

相続税には「基礎控除」と呼ばれる非課税枠があり、相続税評価額(相続税を算出する際の元になる金額)が規定の範囲を上回ると申告が必要になります。相続税の基礎控除額は以下の計算式で算出します。

「基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」

法定相続人とは、民法で定められた相続人を指します。法定相続人になれるのは被相続人(亡くなった方)の配偶者と血族で、順位には細かい規定があります。
例えば、夫婦2人と子ども2人の家族構成で夫が亡くなった場合は、法定相続人は妻と子の計3人で、「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」が基礎控除額となります。

被相続人が遺した財産で相続税の対象になる金額(課税価格)が基礎控除額を超えた場合は相続税の申告が必須です。上記の家族構成で課税価格が1億円だとすると、「1億円-基礎控除額4,800万円=5,200万円」が課税遺産総額となり、それに対して相続税がかかる仕組みです。

国税庁「No.4152 相続税の計算」

相続税計算の手順

相続税計算の手順

ここからは、相続税計算の手順をより詳しく紹介していきます。計算の前提条件は以下の通りです。

▼条件

  • 夫婦2人と子ども2人(4人家族)の家庭で夫が亡くなった場合
  • 遺産(課税価格)は1億円
  • 課税遺産総額は、1億円-基礎控除額4,800万円=5200万円

1.課税遺産総額を法定相続分で分ける

妻:5,200万円×1/2=2,600万円
子1:5,200万円×1/4=1,300万円
子2:5,200万円×1/4=1,300万円

配偶者の相続割合は無条件で2分の1なので、子は残りを平等に分けることになります。相続人が配偶者と子1人であれば、それぞれ2分の1ずつが相続分となりますが、上記の家族構成では2分の1を子2人で分けるため、1人あたり4分の1となります。

国税庁「No.4152 相続税の計算」

法定相続割合については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参考にしてください。

2.それぞれに相続税率をかけ、控除額を引く

妻:2,600万円×15%-50万円=340万円
子1:1,300万円×15%-50万円=145万円
子2:1,300万円×15%-50万円=145万円

①で求めた額を下記の速算表に当てはめ、相続税額の基となる金額を算出します。1,000万円超から3,000万円以下の場合、税率は15%、控除額は50万円です。

相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1000万円以下 0%
3,000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

3.②で求めた各相続人の相続税額を合算する

妻340万円+145万円×子2人=相続税額630万円

続いて、②で求めた相続税額の基となる金額を合算し、相続人全員(妻と子2人)の相続税の総額を計算します。この相続税の総額が、実際に遺産を受け取った人が全員で負担すべき金額となります。

国税庁「No.4152 相続税の計算」

4.遺産の取得割合に応じて按分する

遺言や協議などにより実際の遺産の取得金額と法定相続額が異なることはよくあり、法定相続人以外が取得する(遺贈)ケースもあります。その場合は、③で求めた相続税の総額をそれぞれの取得割合に応じて按分し、1人ひとりが負担する相続税額を算出します。不公平にならないよう、取得割合が大きい人ほど多くの相続税を負担する考え方です。前提条件とした家族で、妻が5,000万円、子がそれぞれ3,000万円と2,000万円の取得割合で分けたとすると、以下がそれぞれに課される相続税になります。

妻:630万円×0.5=315万円
子1:630万円×0.3=189万円
子2:630万円×0.2=126万円

ただし、配偶者には相続税額の軽減制度が設けられているため、上記のケースでは相続税はかかりません。 配偶者は法定相続分内、あるいは1億6000万円以下の財産の取得であれば、相続税がかからない仕組みです。

また、ここでは配偶者と子ども2人が相続人となる例を紹介しましたが、配偶者や子ども、親などの一親等の血族以外の人が遺産を相続するときは税額が2割増しとなります(相続税額の2割加算)。前述の例で、遺言により妻が5000万円、子は2人とも2000万円、夫の弟が1000万円を取得したとします。すると、夫の弟の相続税額は630万円×0.1=63万円の2割増の75万6000円となります。

相続税額の2割加算の対象者や計算方法は以下の記事で詳しく解説しています。

【基礎知識】相続税とは?

【基礎知識】相続税とは?

ここでは、相続税の目的や特徴をわかりやすく解説します。どのような財産が対象になるのか、そもそもなぜ税金がかかるのかなど、基本的な仕組みを理解しておくことで後の計算や申告をスムーズに進められます。

相続税の概要

相続税は、亡くなった人(被相続人)の財産を相続や遺贈によって受け取った際に課される税金です。法定相続人が財産を取得する場合は「相続」、被相続人の遺言に従って相続人やその他の人が財産を取得する場合は「遺贈」と呼ばれます。課税対象となるのは、現金や預貯金、不動産、株式、生命保険の死亡保険金などです。

相続税は、財産の一部を社会に還元し、富の集中を防ぐための税金です。
また、所得税で控除されてきた部分を相続時に精算し、働かずに得る財産にも一定の負担を求めることで、公平性を保つ役割があります。

相続税は基礎控除額を超える財産に対して課税される

冒頭で紹介した通り、相続税は課税対象の遺産から基礎控除額を引いた金額に対して課税されます。繰り返しになりますが、基礎控除額の計算式は以下の通りです。

「基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」

例えば、夫婦2人と子ども3人(5人家族)で夫が亡くなった場合、法定相続人は妻と子3人の計4人です。したがって、基礎控除額は「3,000万円+600万円×4人」で5,400万円となります。

法定相続人の数には養子も算入可能ですが、実子がいる場合は1人、いない場合は2人までの制限があります。配偶者の連れ子など、実子とみなされるケースではこの制限を受けません。また、相続放棄をした法定相続人がいる場合でも、その人も数に含めて基礎控除額を計算します。

なお、相続税は財産を相続した人の約10人に1人にしか発生していません。国税庁の「令和5年分相続税の申告事績の概要」によると、相続税の対象となった人の割合は9.9%(令和5年)で、直近10年では8~10%程度で推移しています。つまり、財産を相続した人の約10人に9人は課税対象ではありません。まずはご自身のケースで相続税申告が必要なのかをよく確認しましょう。

国税庁「令和5年分 相続税の申告実績の概要 p2」

相続税の課税対象になる財産の種類

相続税の対象となる財産は、現金や不動産などの「本来の相続財産」だけではありません。亡くなる前の一定期間に贈与された財産や、死亡保険金のような「みなし相続財産」と呼ばれるものも含まれます。正確な相続税の計算と漏れのない申告をするためにも、どの財産が課税対象になるかを把握しておきましょう。相続税の課税対象になる財産は、以下の3つの大きく分けられます。

  • 本来の相続財産
  • 生前の贈与財産
  • みなし相続財産

本来の相続財産

亡くなった人(被相続人)の保有する財産を相続や遺贈によって取得した場合は、相続税がかかります。

課税対象となる資産の例

  • 現金
  • 預貯金
  • 株式
  • 宝石
  • 不動産
  • 貸付金
  • 特許権
  • 著作権

上記の例のように、金銭的価値のあるすべての資産が課税対象となります。

生前の贈与財産

相続の開始前7年以内に、被相続人からの贈与により取得した財産も課税対象です。このことを「持ち戻し」といいます。1年ごとに贈与額に応じて贈与税を課すのが暦年課税で、年間110万円の基礎控除を超えた金額に課税されます。従来は相続開始の3年以内でしたが、令和5年(2023年)度税制改正により7年以内に変更されました。2024年1月1日以降の贈与から適用となります。ただし、あくまで2024年以降の贈与が対象のため、実際に反映されるのは2027年以降の相続で、段階的に延びていき完全に7年となるのは2031年1月1日の相続からです。また、移行期間の4年間は事務負担軽減のため総額100万円までを財産から差し引けることになっています。

なお、生前に贈与を受けた財産を相続財産と合算する相続時精算課税制度を適用した場合は、贈与の時期にかかわらず(7年より前でも)すべて相続財産に加算されます。相続時精算課税制度では贈与時に1年あたり110万円の基礎控除、累計2,500万円までの特別控除がありますが、相続が発生した時点で基礎控除分を除いた贈与額に相続財産を加えて、最終的な相続税額を算出します。つまり、暦年課税による「相続開始前7年以内の贈与」とは別扱いで、相続時精算課税を選んだ贈与は期間の制限なしに相続税の対象となる仕組みです。

みなし相続財産

みなし相続財産とは、本来の相続財産(現金や不動産など)ではなく、被相続人の死亡によって相続人が取得し、相続税の課税対象となる財産です。勤務先から受け取る「死亡退職金」や、生命保険の「死亡保険金」が該当します。

ただし、被相続人の死亡によって取得する財産のうち、弔慰金や花輪代、墓地や仏壇・仏具といった祭祀関係は課税対象になりません。そのほか、国や地方公共団体などに寄付した金銭や、債務のようなマイナス財産、葬式費用も相続財産から差し引いて計算されます。

整理すると、相続税の計算対象となる金額は、

課税価格=遺産総額+生前贈与財産+みなし相続財産-非課税財産-葬式費用-債務など

となります。

【ケース別】相続税の計算早見表

相続税額は、相続人の構成や課税価格によって大きく変動します。配偶者がいるか、子どもが何人いるかによって発生する相続税が異なるため、状況に応じた目安を把握しておきましょう。以下に「配偶者あり・子どもが相続する場合」と「配偶者なし・子どもが相続する場合」の2つの代表的なケースに分けて、相続税額の早見表を紹介します。試算の参考にぜひご活用ください。

配偶者あり・子どもが相続する場合

配偶者と子どもが相続する場合、法定相続分の割合はそれぞれ2分の1です。配偶者が2分の1、残りを子どもの人数に応じて均等に割ります。このケースでの相続税の計算早見表は以下の通りです。

前提条件

  • 配偶者と子どもが相続する
  • 配偶者は控除の適用を受ける
    →1億6000万円または法定相続分相当額のうち、いずれか多い金額まで相続税が0円となる
  • 子どもは全員成人しており、未成年者控除が適用されないものとする
課税価格 子ども1人 子ども2人 子ども3人
3600万円以下 0 0 0
4,000万円 0 0 0
5,000万円 40 10 0
6,000万円 90 60 30
7,000万円 160 113 80
8,000万円 235 175 138
9,000万円 310 240 200
1億円 385 315 263
2億円 1,670 1,350 1,218
3億円 3,460 2,860 2,540
5億円 7,605 6,555 5,962
7億円 12,250 10,870 9,885
10億円 19,750 17,810 16,635

(単位:万円)

国税庁「No.4155 相続税の税率」

配偶者なし・子どもが相続する場合

子どものみが相続する場合は、配偶者の控除の適用を受けられないため、全体の相続税額が増加します。課税価格と子どもの人数ごとの相続税は以下の通りです。

前提条件

  • 子どものみが相続する
  • 子どもは全員成人しており、未成年者控除が適用されないものとする
課税価格 子ども1人 子ども2人 子ども3人
3600万円以下 0 0 0
4,000万円 40 0 0
5,000万円 160 80 20
6,000万円 310 180 120
7,000万円 480 320 220
8,000万円 680 470 330
9,000万円 920 620 480
1億円 1,220 770 630
2億円 4,860 3,340 2,460
3億円 9,180 6,920 5,460
5億円 19,000 15,210 12,980
7億円 29,320 24,500 21,240
10億円 45,820 39,500 35,000

(単位:万円)

国税庁「No.4155 相続税の税率」

相続税額の計算シミュレーションを活用しよう

相続税額の計算シミュレーションを活用しよう

「いちいちこんな複雑な計算をやらなければいけないのか…」と感じる方向けに、レガシィでは相続税額を簡単に計算できるシミュレーションソフトをご用意しています。ぜひご活用ください。レガシィへ相続税申告を依頼する際の概算料金もシミュレーションできます。

相続税・申告報酬概算シミュレーション

相続税の試算を相続発生前にすべき理由

相続税の試算を相続発生前にすべき理由

「遺される家族に少しでも多くのお金を残してあげたい」と考える方は多いでしょう。効率的な相続を実現するには、生前に相続税を試算しておくことが大切です。相続税の対策には、保険の加入や生前贈与など、さまざまな方法があります。しかしながら、ご自身のケースでどの程度の相続税が発生するのかを正確に把握しないことには、対策のしようがありません。

将来を見据えた計画を立てないまま保険に加入したり、生前贈与を行ったりすれば、かえって残るお金が少なくなるケースも十分考えられます。配偶者には税額軽減がありますが、配偶者から子どもへの相続まで考えると、最初から子どもに相続したほうが相続税を抑えられるかもしれません。

このように、さまざまな可能性を考慮しながらご自身のケースに合った相続対策をするためには、まずは相続税の試算をしてみることが何より大切です。

相続税の申告は税金がゼロでも必要な場合がある

相続税には、相続人それぞれの事情に応じて活用できる控除や特例が用意されています。適用要件に該当するかは税務署側では判断できないので、自分でよく調べることが肝要です。そして、控除や特例を適用した結果、相続税が0円になる場合でも、相続税の申告が求められるケースがあります。「税金がかからないから」と申告を省略してしまうと、後に指摘を受けるおそれがあるため注意しましょう。

配偶者に対する相続税額を軽減させる場合

被相続人の配偶者の場合、法定相続分または1億6,000万円以下の財産の取得であれば相続税はかかりません。法定相続分とは、民法で定められている遺産取得割合の目安です。例えば、相続人が配偶者のみの場合はすべて(1分の1)、配偶者と子の場合は2分の1が配偶者の法定相続分の目安となります。配偶者控除の適用要件は以下の通りです。

  • 法律上の配偶者であること
  • 期限までに相続税の申告書を税務署に提出すること
  • 遺産分割が確定していること

配偶者控除の適用を受けるには税務署への申告が必須です。相続した財産が基礎控除内に収まっている場合は、そもそも相続税が発生しないため、申告の必要はありません。

国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」

未成年者控除を適用させる場合

相続人が未成年(18歳未満)の場合は、満18歳に至るまでの年数1年につき10万円が相続税額から控除されます。要件は、国内在住で法定相続人であることです。未成年者のほとんどはまだ働いておらず、収入がないため、相続税の負担を軽減する目的で控除制度が設けられています。控除の額は以下の通りです。

(例)未成年者の年齢が12歳5か月の場合
※1年未満の期間を切り捨てて計算

(18歳-12歳)×10万円=60万円

未成年者控除は配偶者控除とは異なり、申告義務がないため、適用の結果相続税が0円になれば申告の必要はありません。ただし、相続人の一部が未成年で相続税が0円であっても、他に相続税を納めなくてはならない相続人がいる場合は、その人の分は申告が必要です。

国税庁「No.4164 未成年者の税額控除」

障害者控除を適用させる場合

相続人が85歳未満かつ障害を抱えている場合は、満85歳に至るまでの年数1年につき10万円が相続税額から控除されます。相続開始時に国内在住で、法定相続人かつ障害者であることが要件です。身体上の障害の程度が1級または2級、重度の知的障害などの特別障害を抱えている方は20万円です。控除の額は以下のように計算されます。

(例)障害を抱えている方の年齢が45歳5か月の場合
※1年未満の期間を切り捨てて計算

  • 障害者:(85歳-45歳)×10万円=40万円
  • 特別障害者:(85歳-45歳)×20万円=80万円

障害者控除も未成年者控除と同様に申告義務がないため、適用の結果、相続税が0円になれば申告の必要はありません。さらに、障害のある相続人の相続税額が控除額より少なく、かつ扶養義務者である相続人がいる場合は、扶養義務者の相続税額から余りの額を控除できます。その結果、すべての相続人の相続税額が0円になれば、すべての申告が不要となります。

国税庁「No.4167 障害者の税額控除」

相次相続控除を適用させる場合

相次(そうじ)相続控除は、短期間のうちに立て続けに相続が発生してしまうことで、相続税の負担が重くなりすぎるのを防ぐための制度です。10年以内に2度以上相続をしており、1度目にすでに相続税を納付していれば、2度目の相続では一定の金額が相続税額から控除されます。この控除額の計算は複雑なので、詳しい計算式の説明はここでは省きますが、基本的には相続の間隔が短いほど控除額は大きくなります。

こちらも、控除の適用により相続税が0円になる場合は、申告の必要はありません。

国税庁「No.4168 相次相続控除」

外国の財産に対する相続税額の控除を適用させる場合

外国税額控除は、海外にある財産に対して相続税(またはそれに相当する税)が課された場合、外国と日本の両方で二重に課税されるのを防ぐための制度です。要件を満たしていれば、外国で納めた相続税額分を日本の相続税額から差し引いて計算できます。手続きには相続税申告書第8表と、外国で納めた相続税の額を証明できる書類が必要です。

贈与税額控除を適用させる場合

贈与税額控除は、相続開始前に被相続人から贈与を受け、すでに贈与税を納めている場合に一定の額を相続税から控除できる制度です。ひとつの財産に対し、相続税と贈与税が二重で課されないようにする目的があります。

贈与税の課税方式には、暦年課税と相続時精算課税の2種類があります。暦年課税の場合は、前述の「7年持ち戻し」期間に支払った贈与税額、相続時精算課税はその制度を利用したすべての贈与税額が控除されます。ただし、控除しきれなかった額が還付されるのは相続時精算課税のみです。暦年課税の場合は還付されません。また、相続時精算課税を選択した贈与で相続時の還付を受けるためには、申告書の提出が必要です。

相続税の計算でよくある質問

相続税の計算でよくある質問

「自分のケースでは実際にどれくらいの相続税が発生するのか」「税理士に依頼するときの相場を知りたい」など、相続税に関してさまざまな悩みや不安を抱える方は多いと思います。最後に、よくある質問にお答えしますので、ぜひ疑問の解決に役立ててください。相続税の額や申告の必要性について自分で勝手に解釈せず、わからないことがあれば専門家に相談するようおすすめします。

相続税は自分で計算できますか?

基本的な計算式やオンラインのシミュレーションを活用すれば、自分でもおおまかな算出はできます。
ただし、財産の種類が多岐にわたるケースや、控除の適用を受ける際には計算が非常に複雑になります。特に、土地を相続する場合は形状や立地条件によって評価額が大きく変動するため、自分で正確な額を算出するのは実際には困難です。

そのため、正確な相続税額を知りたい場合や、適用可能な控除について知りたい場合は、土地の相続に強い税理士に相談するのがおすすめです。自分で算出した結果をうのみにせず、専門家に確認してもらうことで過不足のない申告ができます。

3000万円を相続したら相続税はいくらかかりますか?

相続財産が3,000万円の場合、相続税はかかりません。相続税には「基礎控除額」という非課税枠が設けられているため、相続する財産が一定の額以下であれば申告は不要です。基礎控除額の計算式は以下の通りです。

「基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」

法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円まで非課税です。

ただし、課税対象には「本来の相続財産(預金や不動産など)」以外に、「生前の贈与財産」や「みなし相続財産(死亡保険金など)」も含まれます。すべてを合わせると基礎控除を超える場合があるため、財産の見落としには注意しましょう。たとえ銀行口座の残高が3,600万円以下だとしても、基礎控除内に収まるとは限りません。

相続税で税務署からお尋ねが来る確率は?

国税庁の「令和5年分 相続税の申告事績の概要」によると、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は15万5,740人(令和5年分)です。「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」では、相続税の実地調査件数が8,556件(令和5事務年度)と明らかにされています。

上記2つのデータを踏まえると、被相続人数に対する実地調査件数の割合は約5.5%です。直近3年でも同水準の被相続人数と実地調査件数で推移しているため、割合にして5%前後、人数にして約20人に1人に税務調査が入る計算です。

また、文書・電話・来署依頼によって、相続税の申告漏れや計算の誤りを是正する接触は、令和5事務年度では1万8,781件、令和4事務年度では1万5,004件発生しています。こうした実地調査ではない「簡易な接触」も含めると、割合にして15~20%程度、人数にして約6人~5人に1人が税務署から何らかの形で接触を受けています。

相続税を税理士に頼むといくらかかりますか?

相続財産の0.5%~1.5%程度が目安です。例えば、相続財産が1,000万円なら5~15万円前後、5,000万円の相続財産なら25万~75万円前後が相場となります。

相続財産の額と比例して依頼費用が高くなるのは、財産が多いほど計算や申告が複雑になるためです。
税理士への依頼費用は「基本報酬」と「加算報酬」で算出され、基本報酬は相続財産の総額、加算報酬は不動産評価や非上場株式の有無、相続人の数などによって決まります。状況によって費用が大きく変動するため、事前に見積もりを取り、依頼先を慎重に検討しましょう。

相続税の計算でお困りの場合は、レガシィにご相談ください

相続税の計算は複雑に感じられますが、基本的な仕組みを理解すれば自分でもおおまかな額を算出できます。相続発生時にスムーズに対応するためにも、基礎控除額計算式や、課税対象となる財産の種類について正しく把握しておきましょう。

ただし、土地の相続や生前贈与などが絡むと、相続税の計算と申告が複雑になります。自分の計算をうのみにせず、わからないことがあれば専門家の力を借りましょう。相続税の計算でお困りの際は、ぜひ「税理士法人レガシィ」へご相談ください。正確な相続税額はもちろん、申告の流れや必要書類についても経験豊富な税理士が丁寧にアドバイスいたします。

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陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

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武田 利之税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表

<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表

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