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相続の知識

葬儀費用の目安とは?内訳や相続税の控除についても解説

葬儀に関して、どのくらいの費用がかかるのか目安がわからないといった声はよく耳にします。本記事では種類別に葬儀費用の目安や内訳を解説していきます。何度も経験することではありませんが、いざという時のために情報を押さえておくことをおすすめします。

葬儀にかかる費用の目安とは?

 葬儀にかかる費用の目安とは?

葬儀を行うにあたり、費用はどれほどかかるのでしょうか。
株式会社鎌倉新書が2020年に実施した調査によると、葬儀費用は全国平均で約120万円という結果が出ています。詳しく見ていくと、最も多い価格帯は「100~120万円未満」であり、次いで「80~100万円未満」となっています。
ただし、こちらの金額は火葬場および式場使用料で、飲食費や返礼品、お布施などの金額は含まれていません。

出典:株式会社鎌倉新書『第4回お葬式に関する全国調査』

葬儀費用の内訳とは?

 葬儀費用の内訳とは?

葬儀費用に含まれるのは、葬儀そのものに必要な葬儀費用一式のほか、飲食接待費、寺院費などが挙げられます。それぞれの内訳について、相場も併せて解説をします。

葬儀費用一式の内容と目安

葬儀費用一式とは、葬儀を執り行うのに要する費用です。葬儀を執り行うには、会場を設営する必要があり、祭壇や仏具なども用意しなくてはなりません。葬儀に用いるこれらの物品に要する費用が一式に含まれます。
また、遺体の搬送費用も含まれています。搬送費用は距離によって変わるため、一律ではありません。また、搬送時には遺体を納める棺のほか、ドライアイスやシーツなどの消耗品費用も加算されます。
葬儀については葬儀会社に依頼して行うことがほとんどですので、人件費も必要です。葬儀会社のスタッフは、遺体の搬送や安置、会場や火葬の手配、遺体のケア、遺影の準備、式の運営などさまざまなサポートをしてくれます。当然、これらのサポートしてくれるスタッフの人件費も含まれます。
費用の目安については、前述した約120万円という金額になります。

飲食費の内容と目安

飲食費とは、葬儀に参列してくれた方に振る舞う料理や飲み物にかかる費用です。一般的な葬儀では、通夜や告別式へ参加してくれた方に対し、料理や飲み物を提供します。また、香典返しは飲食費に含めて計算するケースが多いとされています。

葬儀で提供する料理は、大きく通夜料理と告別料理にわけられます。前者は通夜の際に出す料理であり、大皿から一人ひとりが膳によそって食事をします。後者は、出棺のあとに参列者に振る舞われる料理で、一人ひとりに対して弁当を振る舞うケースが一般的です。

飲食費の目安は、約31万円です。どのような料理を提供するのかによっても変わり、最終的な注文数によって総額も変化します。通夜や葬儀は、参列する人数を正確に把握するのが難しく、料理を提供する人数の想定を多めに設定することもあるため、予算がかさむ可能性があります。

寺院費用の内容と目安

寺院費用とは、僧侶にわたすお布施のことです。寺院から僧侶を呼び、読経や戒名をつけてもらった時に、お布施として渡します。一般的には、葬儀がすべて終わったあとに、僧侶へお礼として渡しますが、御膳料やお車代などはその都度渡すケースがほとんどです。

僧侶へのお礼と聞くと、自由に金額を決めてよいと考えてしまうかもしれませんが、特に地域の相場が存在するため注意しましょう。明らかに相場より低い金額を渡してしまうと、今後寺院との関係性が悪化してしまうおそれもあります。

平均相場としては、約24万円です。しかし最も多い価格帯は1~10万円となっていることから、各ケースにより個人差があることが分かります。
寺院の宗派や格などによって、費用が大きく変わってくるため注意してください。また、戒名の文字数によっても金額が変わるため注意が必要です。

出典:株式会社鎌倉新書『第4回お葬式に関する全国調査』

葬儀にまつわる関連費用の目安は?

葬儀やその後の整理にあたり、式そのもの以外にかかる費用も多くあります。ここでは葬儀以外で必要となる関連費用について、ご紹介します。

お墓の購入費用

お墓には、従来からある和型墓石や現代風の洋型墓石、個性を主張できるデザイン墓石などがあります。和型は古くから用いられてきたタイプで、3種類の中ではもっとも費用が高くなりがちです。
洋型は、欧米風の墓石であり、和型に比べてスタイリッシュな形状が印象的です。オルガン型やストレート型などがあり、現在では多くの方が墓石として採用しています。

デザイン墓石は、自由に好きな形状を実現できるお墓です。花壇と一体になったものや、モニュメントのようなお墓、故人が生前好んでいたものを再現したお墓など、さまざまな形状があります。こだわりが強くなるほど、価格も比例する傾向があるため注意が必要です。

お墓購入費用の相場は、平均で約135万円です。もっとも多いのは100~150万円前後、次に50~100万円となっています。選ぶ墓石のタイプにより大きく異なります。

仏壇の購入費用

仏壇には、金仏壇や祖霊舎、唐木仏壇、モダン仏壇などさまざまなタイプがあります。金仏壇は、主に浄土真宗の仏壇として使用されていますが、他の宗派でも問題ありません。地域ごとに彫刻や塗りに違いがあるのが、金仏壇の特徴です。

祖霊舎は、神道における祭壇の一種です。神従壇や霊床、霊棚などと呼ばれることもあります。
金箔を使用したきらびやかな造りの金仏壇と違い、こちらはヒノキやヒバなどの木目を活かした造りとなっているのが特徴といえるでしょう。

黒檀や紫檀、屋久杉など高級な木材を使用して造られるのが、唐木仏壇です。金仏壇ほどきらびやかな見た目ではなく、どちらかというとシンプルなデザインです。唐木をどれだけ使用しているかによって、価格が大きく変わるため注意しましょう。

モダン仏壇は、現代風の仏壇で、シンプルかつコンパクトなものが多くを占めています。また、低価格で販売されているものが多いのも特徴といえるでしょう。
仏壇購入費用の相場は、約74万円前後です。もっとも多いのは、25~50万円の価格帯で、全体の約29%を占めています。

遺品整理の費用

親族が亡くなると、遺品を整理しなくてはなりません。持ち家の場合、故人を忘れたくないとの思いから、遺品をそのままにしておくケースもありますが、賃貸住宅に住んでいた場合や故人がいなくなり空き家になってしまう場合などには、整理や処分をしておいた方が良いでしょう。

遺品整理に必要な費用の相場は、約47万円前後です。25~30万円が6割以上を占めているため、この金額を目安にしておくとよいでしょう。ただ、実際にはどのように遺品整理を進めるかによって、最終的な費用が大きく変わるため注意が必要です。

近年では、遺品整理を専門に請け負う業者が増えています。引っ越し業や便利屋業を営む企業が、遺品整理を請け負うケースも少なくありません。業者によって、料金システムや時間あたりの単価などが変わるため、事前に必ず見積もりを取得しましょう。
最も安く済ませる方法としては、当たり前ですが自身で遺品整理を進める方法です。時間と労力はかかりますが、専門業者へ依頼するのに比べると、費用を大幅に抑えられるでしょう。

専門家への相談費用

親族が亡くなり相続が発生すると、さまざまな手続きが必要です。相続に関する知識がまったくないと、スムーズに進められないため、専門家に相談や依頼をするケースは少なくありません。

書類等の手続きにおいて一番身近な専門家は行政書士となるでしょう。行政書士は、行政機関に提出する書類作成のエキスパートです。相続財産の調査や確定業務、遺産分割協議書の作成やサポート、相続財産の名義変更など、正しい知識のもとスムーズに手続きを進めてくれます。
費用平均は約49万円ですが、54.3%と半数以上が「25万円未満」という結果です。

一方、業務によっては行政書士が介入できない領域もあるため、注意が必要です。法的な紛争が発生しそうな案件や相続税申告などの税務、不動産登記申請業務などは、それぞれ弁護士や税理士、司法書士といった各分野の専門家に相談する必要があります。

相続手続きの代行業務をどの専門家にお願いするか迷われている方は、下記の記事もご覧ください。

空き家の処分費用

故人が生前住んでいた家が空き家になるのなら、処分する必要性も生じます。空き家をそのまま放置するとさまざまなリスクが発生するため、管理が難しいのなら処分や売却を検討しましょう。

空き家を放置するリスクとしては、放火による火災や犯罪の温床化、老朽化が進み倒壊のおそれがある、など建物自体の問題はもちろんですが、空き家のままの家を相続すると、相続税が割高になるというリスクもあります。また、相続した空き家を放置することで「特定空き家」に指定されると住宅用地の税制優遇を受けられなくなるため、固定資産税等が大幅に増加します。

空き家の売却については、要件はあるものの、その売却益を所得税から控除できる特例などもありますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。

さて、空き家処分にかかった平均費用は約110万円となっていますが、最も多いのは「25万円未満」、また2番目以降も10%程度の割合ごとに分かれた結果でした。
空き家の処分は、不動産会社や解体業者、建設会社などに依頼しますが、依頼先によって最終的な金額が大きく変わるため、事前に相見積もりをとって費用を比較してみましょう。

葬儀費用は誰が負担するのか

葬儀費用を誰が支払うのかについても、気になるところでしょう。事前に誰が負担するものかを理解しておかなければ、実際に支払う段階でトラブルになりかねません。基本的には喪主が負担しますが、親族が支払うケースもあることを覚えておきましょう。

喪主が負担するケースが多い

喪主とは、葬儀の手配や寺院への対応などを務める者です。一般的に、葬儀の費用は喪主が負担することがほとんどです。喪主は、故人との関わり合いが深い人が選ばれます。一般的には、故人の配偶者が務めますが、難しい場合には血縁が近い方が代行します。優先順位としては、配偶者→長男→長男以外の男子→長女→長女以外の女子→故人の両親、故人の兄弟姉妹と言われています。
なお、これは一般的な慣習に従った決め方であり、故人の遺言があればこの限りではありません。例えば、故人が遺言で喪主に次男を指定していたのなら、配偶者が健在であっても次男が務めることになります。

親族が負担するケースも

喪主に葬儀費用を負担できる経済的余裕がない、年齢的に喪主を務めるのが難しいといったケースがあります。このような場合には、親族で費用を負担することもあります。
例えば、喪主である長男に安定した収入や預貯金がなく費用を捻出できないことがあります。この場合だと、他の兄弟や姉妹が費用分担して捻出します。
親族に一部負担してもらうのなら具体的にいくら負担してほしいのか、また一時的なもので後に返還する意思があるのかも含めて明確にしておきましょう。お金についてしっかり取り決めしておかなければ、親族同士でも争いが勃発してしまうケースは少なくありません。後々トラブルにならないよう、細心の注意が必要です。

葬儀費用は相続税の計算時に控除できる

親族が亡くなった場合、預貯金や土地などの相続が発生します。相続する財産によっては、多額の相続税が発生するケースもあるため、遺族は細心の注意をはらって手続きしていかなければなりません。
相続税は通常、故人の遺産から算出しますが、葬儀費用は差し引くことができます。葬儀に要した費用を遺産から差し引ければ、総額が少なくなり課税対象も少なくなるのです。

ただ、葬儀に要した費用すべてが差し引けるわけではないため注意が必要です。相続人及び包括受遺者が負担した「遺体の搬送や葬儀、火葬、通夜、寺院費用」などは差し引けますが、「香典返しや初七日・法事、墓石・墓地の購入」などに要した費用は対象外です。(ただし生前に購入した墓石・墓地については、相続する際に非課税財産とみなされるので、相続税の課税対象外となります。)
きちんと葬儀費用を遺産から控除するには、確実に支払いをした証拠を残しておかねばなりません。そのため、レシートや領収書などを必ず取得し、大切に保管しておきましょう。
寺院の僧侶に支払うお布施は、領収書を発行してもらえませんが、支払いの事実があったことを記録できていれば問題ありません。ノートやメモに、支払先、支払いをした日時や金額、何に要した費用なのかを記録しておけば、領収書がなくても控除対象と認められます。
なお、詳しくは下記の記事も参考にしてください。

葬儀費用のトラブルはプロに任せたほうがいい理由とは

相続トラブルは金銭が絡むため、親族同士で骨肉の争いとなるケースも珍しくありません。また、相続税を節税するには一定の知識が必要であり、知識が乏しいとうまく進められない可能性があります。

相続が発生した時は、プロへの相談が賢明な選択です。税理士法人レガシィは、相続専門で50年以上の歴史があり、相続税申告実績は累計1.5万件を超えています。
相続のプロであるレガシィなら、葬儀費用の控除や特例に関する知識も豊富です。手間のかかる相続の手続き、申告までワンストップで依頼できるため、負担も軽減できるでしょう。
レガシィでは、オーダーメイドの相続対応をしており、お客様の状況に応じてサービスを選べます。円滑に、かつトラブルなく進めるために、ぜひ一度相続のプロへご相談ください。
大きな出費になる葬儀は、経験する機会も少なく、知識のない状態で臨むことも多いでしょう。
少しでも正しい知識を持つことで、適切に葬儀を執り行うことができます。

おわりに:葬儀費用は、葬儀の種類や地域によってさまざま

葬儀の種類、宗派や式の規模、地域の慣習などによっても金額が大きく変わることを理解しておきましょう。
本記事で紹介した通り、親族が亡くなり相続が発生した際には、相続のプロへの相談するのがおすすめです。相続の手続きは煩雑で手間がかかりますが、プロに相談すれば各種手続きをサポートしてもらえます。
相続専門の税理士であれば、相続税の節税につながるアドバイスも受けられます。ぜひ、税理士法人レガシィへお問い合わせください。

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この記事を監修した⼈

陽⽥ 賢⼀

陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

武田 利之(税理士)

武田 利之税理士法人レガシィ 社員税理士

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表

<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表

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