相続税の申告なら相続専門税理士法人レガシィ【公式】

相続の知識

相続登記はオンライン申請が可能!自分で手続きする流れや注意点

行政でもデジタル化が進んだ結果、現在では相続登記のオンライン申請が可能になりました。相続登記申請をするには、役場で必要書類を取得し、書類記入後に再度役場へ出向いて提出するなど、時間と手間がかかりますが、オンライン申請を利用すれば負担を減らせます。本記事では、相続登記のオンライン申請の流れや必要書類、注意点などを解説します。

自分でできる!相続登記をオンライン申請する手続きの流れ

冒頭で述べた通り、現在では相続登記をオンライン申請できるようになりました。オンライン申請が未経験の方は不安を覚えるかもしれませんが、事前にしっかり準備をすれば、自分で一連の手続きをすることは十分に可能です。ここでは、相続登記のオンライン申請をする際の流れを事前準備の段階から解説します。

1. 必要書類を準備する

相続登記を行う際には、以下のようにさまざまな書類が必要になります。必要書類の種類は、窓口申請でもオンライン申請でも基本的に同じです。何度も役場へ行ったり、書類不備で申請が差し戻されたりすることを避けるためにも、必要書類は事前によく確認しておくことが大切です。

▼主要な書類

  • 登記事項証明書
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人の戸籍抄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書 など

相続登記に必要な書類について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

2. オンライン申請を行うパソコンを準備する

オンラインでの相続登記申請を行うためには、必要書類以外に以下のものも必要です。

  • パソコン(推奨OSはWindows 10またはWindows 11)
  • 電子証明書入りのマイナンバーカード
  • マイナンバーカードに対応したカードリーダー

これらのデバイスやマイナンバーカードを用意したら、「登記・供託オンライン申請システム(登記ネット・供託ネット)」にアクセスします。このトップページに【申請者情報登録】という項目があるので、ここで必要情報を入力してIDとパスワードを取得しましょう。

次に、サイト上部にあるタブから「ダウンロード(ソフトウェア・操作手引書)」を開き、【ソフトウェアのダウンロード】をクリックしてください。そこで開いたページで「申請用総合ソフト」の【ダウンロード】をクリックし、申請に必要なソフトウェアをパソコンにインストールします。

登記・供託オンライン申請システム|登記ネット・供託ネット

3. 相続関係説明図を準備する

オンラインでの相続登記申請を行う際には、相続登記の根拠となる「登記原因証明情報」として、相続関係を明確に示す必要があります。窓口で申請するなら戸籍謄本や遺産分割協議書などを提示すれば済みますが、オンライン申請ではそれが難しいので、代替資料として「相続関係説明図」の電子データ(PDF)を作成するのがおすすめです。

相続関係説明図には正確さが求められ、ここに間違いや不備があれば、後で申請自体がやり直しになる恐れもあります。以下の記事で相続関係説明図の書き方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

4. 申請情報を入力する

次のステップは、申請情報の入力です。以下の手順に従って進めましょう。

  1. 申請用総合ソフトへログイン
  2. 【申請書の作成】を選択
  3. 【登記申請書(権利に関する登記)(4)所有権移転(相続)】を選択
  4. 指定の情報を入力

ここで入力した情報が登記簿に反映されるので、氏名や住所など間違いがないように注意して入力してください。

5. ファイル添付と電子署名を行う

申請情報の入力が完了したら、次はファイルの添付と電子署名を行います。まずは【ファイル添付】ボタンを選択し、ステップ3で作成した「相続関係説明図(PDF)」を添付しましょう。次に【署名付与】ボタンをクリックし、電子署名を行ってください。

署名の付与はマイナンバーカード及びマイナンバーカード対応のカードリーダーを利用して行えます。事前に申請用総合ソフトへマイナンバーカード情報を登録しておくとスムーズです。電子署名を付与したら、すべての情報が正しく入力されているか、プレビューで確認しましょう。

6. 申請情報を送信する

プレビューを十分にチェックしたら、メニュータブの【申請データ送信】ボタンを押して、ここまで入力した情報を送信します。正しく送信できたら【受付確認】ボタンが表示されるので、それを開いて「受付のお知らせ」を確認し、控えを保管してください。保管の方法はスクリーンショットなどでも構いませんが、受付年月日や受付番号が必要となる場合もあるため、できれば印刷して厳重に保管しておく方が望ましいです。

7. 登録免許税を納付する

申請の完了には、登録免許税の納付が必要です。納付方法は以下の3種類から選べます。

  • 電子納付
  • 現金
  • 収入印紙

電子納付を選択する場合は、申請用総合ソフトの【納付】メニューを選択し、インターネットバンキングなどを利用して納付する形です。申請日を含めて2日以内に処理する必要があるので、先延ばしせずに当日中に済ませることをおすすめします。

現金納付や収入印紙での納付を選ぶ場合は、申請用総合ソフトで「登録免許税納付用紙」を印刷します。その後、現金納付なら金融機関などで納付し、上記用紙に領収書を貼付して法務局へ提出します。収入印紙での納付なら法務局や郵便局で収入印紙を購入し、その後は現金と同様に処理します。

現金納付や収入印紙を選択する場合は法務局などへ出向く必要があるので、なるべく自宅で手続きを済ませたい場合は、電子納付を選択することをおすすめします。

8. 原本書類を法務局へ郵送する

申請作業の締めとして、ステップ1で用意した戸籍謄本などの原本書類やステップ3で作成した相続関係説明図を法務局へ郵送します。現金納付や収入印紙での納付を選択した場合は、領収書または収入印紙を貼付した「登録免許税納付用紙」も忘れず同封しましょう。

書類を郵送する際は、以下の手順で準備を進めます。

  1. 申請用総合ソフトで、「書面により提出した添付情報の内訳表」を印刷し、押印する
  2. 内訳表を先頭にして、原本書類一式をホチキスなどでまとめる
  3. 【登記申請書(権利に関する登記)(4)所有権移転(相続)】を選択
  4. 申請受付日から3日以内に法務局へ必着するように郵送する

なお、登記が完了した後に、原本書類を返送してもらいたい場合は、原本還付請求をする必要があります。その際は、返送を希望する原本のコピーを取り、「原本と相違ありません」と明記した上で、署名捺印をしてください。その後、そのコピーと返信用切手を貼り付けた返信用封筒(またはレターパック)を原本とともに同封します。

ここで注意すべきは、申請受付日を含めた3日以内に法務局へ到着するように郵送しなければならないことです。封入する書類の重要性も鑑みて、郵送の記録や送付状況の追跡が可能な書留郵便を利用することをおすすめします。郵送だとどうしても間に合わない場合は、直接法務局へ持参しましょう。

9. 登記完了を確認する

これまで行った申請に問題がなければ、1~2週間ほどで登記が完了します。申請の処理状況を確認したい場合は、申請用総合ソフトで確認可能です。「手続終了」と表示されていれば完了です。

10. 登記完了証を受領する

登記が完了すると、登記識別情報通知と登記完了証が書面とオンラインで受け取れます。これらの書類は不動産所有を証明する重要な書類なので、電子データと書面の両面で厳重に保管しましょ

相続登記をオンライン申請で行うメリット

従来の方法と比較して、相続登記をオンラインで申請することには以下のようなメリットがあります。

時間に縛られない

法務局に出向いて相続登記申請をする場合、平日8時半から17時15分までの受付時間内に手続きをしなければなりません。これは会社員など、多忙な方にとって厳しい制限です。

しかしオンライン申請の場合、受付時間は平日の8時半から21時まで対応しています。24時間対応ではありませんが、受付時間が21時まで延長されたことで、日中は時間が取れない方でも申請手続きをしやすくなります。なお、17時15分を過ぎてのオンライン申請は、翌日の受付として扱われることになるので注意してください。

場所に縛られない

オンライン申請のもうひとつの大きなメリットは、場所に縛られずに手続きできることです。法務局へ出向く必要がないため、遠方に住んでいる方や、健康上の理由などで外出が難しい方でも申請がしやすくなります。

相続登記をオンライン申請する場合の注意点

相続登記をオンライン申請する上では、以下の点に注意が必要です。

スマホでは申請不可

オンラインでの相続登記申請はスマホには対応していません。そのため、スマホしか持っていないという方は、別途パソコンを用意するか、郵送申請もしくは直接申請する必要があります。新たにパソコンを購入する場合は、先に紹介した通り、Windows 10またはWindows 11のOSを搭載した製品を選ぶことを推奨します。

不備があった場合の補正

申請情報に不備があった場合は、「補正のお知らせ」が申請用総合ソフトに届きます。この通知には、いつまでに何を修正すればよいかの指示が記載されています。
この期限内に補正を行わないと、申請が却下される可能性があるので、登記の完了が確認できるまでは通知の有無に注意し、必要に応じて期限内に対応しなければなりません。

送付・納付期限

補正作業もそうですが、オンライン申請全般を通して、時間的な制約には常に気をつけることが重要です。特に、登録免許税の納付や原本書類の郵送作業は申請後早期に行わなければなりません。

そのため、申請情報を送信したらすぐに納付・郵送作業へ移れるように、必要書類の事前準備やスケジュール調整は入念に行いましょう。

おわりに:多忙な場合の相続登記はオンラインを利用しよう

相続登記は、オンラインでの申請が可能です。オンライン申請を利用することで、日中は忙しい方や、法務局が遠方にある方でも相続登記を行いやすくなります。ただし、オンラインで申請情報を送信した後は迅速に登録免許税の納付や必要書類の郵送作業を行わなければならないので、事前準備をしっかりすることが大切です。

もし自分で相続登記申請をするのに不安や疑問がある場合は、相続専門の税理士法人レガシィへご相談ください。相続税のご相談だけではなく、相続に関する手続き全般に関する代行サービスも実施しています。詳しくは以下のサービス案内もご覧ください。

税理士法人レガシィ サービスのご案内

当社は、コンテンツ(第三者から提供されたものも含む。)の正確性・安全性等につきましては細心の注意を払っておりますが、コンテンツに関していかなる保証もするものではありません。当サイトの利用によって何らかの損害が発生した場合でも、かかる損害については一切の責任を負いません。利用にあたっては、利用者自身の責任において行ってください。

詳細はこちら
この記事を監修した⼈

陽⽥ 賢⼀

陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

武田 利之(税理士)

武田 利之税理士法人レガシィ 社員税理士

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表

<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表

無料面談でさらに相談してみる