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相続の知識

成年後見人の登記事項証明書の取得方法は?オンライン申請についても解説

成年後見人等が法定後見や任意後見契約の登記をしていると、その登記事項の証明書を法務局に請求できます。この証明書を「成年後見登記事項証明書」といいます。登記事項証明書は各法務局の窓口で請求するほか、郵送やオンラインでの請求も可能です。また、請求を代理人に委任することもできます。取得する際は必要書類と手続きをよく確認し、スムーズに請求を進めましょう。
今回は、成年後見人等に必要な登記事項証明書を請求する方法を具体的にご紹介します。

成年後見人の登記事項証明書とは?

「成年後見登記事項証明書」とは、法定後見(成年後見、保佐、補助)や任意後見といった「成年後見人」等となっている人が、判断能力が不十分で支援が必要とされる「被後見人」等に代わって契約を行う際に、成年後見人等としての権限を持っていることを証明する書類です。

成年後見人等となった人は、「成年後見登記事項証明書」がなければ、以下のような契約や手続きを被後見人等に代わって行うことができませんので、必ず取得する必要があります。

  • 身上監護(施設への入所契約や医療・介護に関する契約など)
  • 被後見人の口座がある金融機関にて行う後見の設定手続き
  • 不動産の管理 など

成年後見人等以外でも請求することは可能です。請求できる方の条件については、法務局で以下の通り定めています。

【登記事項証明書の申請が出来る方】

  1. 成年被後見人,成年後見人,成年後見監督人など登記されている方
  2. 成年被後見人,被保佐人,被補助人,任意後見契約本人(委任者)の四親等内の親族の方
  3. 上記記載の方から委任を受けた方

出典:東京法務局

成年後見登記事項証明書の請求方法

成年後見登記事項証明書の請求方法について具体的に紹介します。各請求方法の必要書類については後述していますので、併せてご確認ください。

①法務局の窓口

「登記事項証明申請書(成年後見登記用)」に必要事項を記入し、「本人確認書類」とともに窓口に提出します。窓口請求のメリットとしては、万が一書類に不備があった場合でも、その場で修正してすぐに提出することができます。
受付時間は、土日祝日・年末年始(12/29~1/3)を除く8時30分~17時15分です。
提出先は、「東京法務局 後見登録課」または「全国の法務局・地方法務局の本局の戸籍課」となります。支局や出張所では扱っていないので、ご注意ください。

登記事項証明申請書(成年後見登記用)ダウンロード

「登記事項証明申請書」の記入方法については、下記の法務局ホームページの記載例を参考に記入しておきましょう。

【参考】東京法務局ホームページ『登記事項証明申請書記載例』

②郵送

郵送で証明書を請求する場合には、ある程度時間の余裕を持っておきましょう。法務局に書類が到着してから1週間程度で成年後見登記事項証明書が届きます。
また「登記事項証明申請書」と「本人確認書類」のほかに「返信用封筒(切手、返送先記入済みのもの)」を用意する必要があります。すべて準備できたら、「東京法務局 後見登録課」に郵送しましょう。
※郵送での取り扱いは、住所地や本籍地に関係なく、全て「東京法務局 後見登録課」の1カ所のみとなりますので、ご注意ください。

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<郵送先>
〒102-8226
東京都千代田区九段南1-1-15
九段第2合同庁舎 東京法務局 民事行政部 後見登録課
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③オンライン請求

オンラインでも請求が可能です。その場合の成年後見登記事項証明書は、「電子的な証明書」もしくは「紙の証明書(郵送)」のいずれかの形式で取得できます。
オンライン請求の一番のメリットは、家で隙間時間に申請できることでしょう。土日祝日・年末年始(12/29~1/3)を除く8時30分~21時までですので、平日の昼間に時間が取れないがすぐに証明書が欲しい方にはおすすめです。(窓口時間内であれば即時受付、時間外であれば翌営業時間の受付となります)

ただし法務局の窓口や郵送での請求に比べて、手順は複雑になります。成年後見登記事項証明書のオンライン請求を利用する際は「登記・供託オンライン申請システム」への申請者情報登録から始まり、「申請用総合ソフト」のダウンロードが必要です。詳しくは下記の法務省ホームページをご覧ください。

成年後見登記事項証明書の有効期限

成年後見登記事項証明書そのものに有効期限はありませんが、金融機関など証明書の提出先から「発行から〇カ月以内のもの」というように、発行時期についての条件がある場合が多いです。将来必要な分を見越して一度に大量に請求しても、必要な時に期限切れで使えなくなってしまう恐れがありますので、お気をつけください。

成年後見登記事項証明書の種類と見本

成年後見登記事項証明書には、次の6種類があります。

  1. 後見
  2. 保佐
  3. 補助
  4. 任意後見(監督人選任前)
  5. 任意後見(監督人選任後)
  6. 登記されていないことの証明書

それぞれの見本は法務局ホームページに掲載されています。
詳細は下記をご覧ください。

【参考】東京法務局ホームページ『成年後見登記に関する証明書の見本について』

成年後見登記事項証明書の必要書類

成年後見登記事項証明書の申請に必要な書類は、申請者によって異なります。ケースごとにそれぞれ解説します。

登記されている当事者(成年後見人等、成年後見監督人など)が申請をする場合

補助人、保佐人、成年後見人,成年後見監督人などとして登記されている当事者が申請をする場合は下記の書類が必要となります。

必要書類 詳細
①登記事項証明申請書(成年後見登記用) 申請書ダウンロードはこちら
②本人確認書類 運転免許証、健康保険証、パスポート、住基カード、マイナンバーカード等
※郵送の場合はコピーで可
(③返信用封筒) ※郵送の場合
切手と返送先を記入したものを用意
(④代表者事項証明書など、法人の代表者の資格を証する書面) ※申請者が法人の場合
発行から3カ月以内のもの、また申請人および申請代理人双方が法人の場合は、双方の法人の代表者の資格を証する書面が必要

成年被後見人等の四親等内の親族が申請する場合

成年被後見人等の四親等内の親族から申請する場合には、以下の書類が必要です。

必要書類 詳細
①登記事項証明申請書(成年後見登記用) 申請書ダウンロードはこちら
②本人確認書類 運転免許証、健康保険証、パスポート、住基カード、マイナンバーカード等
※郵送の場合はコピーで可
③戸籍謄本等 四親等内の親族であることを証明するために必要
(④返信用封筒) ※郵送の場合
切手と返送先を記入したものを用意

委任を受けた代理人が申請をする場合

委任状があれば代理人でも請求ができます。以下の書類が必要となります。

必要書類 詳細
①登記事項証明申請書(成年後見登記用) 申請書のダウンロードはこちら
②本人確認書類 運転免許証、健康保険証、パスポート、住基カード、マイナンバーカード等
※郵送の場合はコピーで可
③委任状 委任状ひな型のダウンロードはこちら
(④戸籍謄本等) ※四親等内の親族から委任を受けた場合
四親等内の親族であることを証明するために必要
(⑤返信用封筒) ※郵送の場合
切手と返送先を記入したものを用意
(⑥代表者事項証明書など、法人の代表者の資格を証する書面) ※申請者が法人の場合
発行から3カ月以内のもの、また申請人および申請代理人双方が法人の場合は、双方の法人の代表者の資格を証する書面が必要

委任状の記載例については、法務局ホームページを参考にしてください。

【参考】法務局ホームページ『委任状記載例』

成年後見登記事項証明書の交付手数料

成年後見登記事項証明書の交付に必要な手数料は、以下の通りです。証明書の種類と申請方法によって変わります。

書類 申請方法 手数料(1通あたり)
登記事項証明書 窓口・郵送 550円
オンライン(電子証明書) 320円
オンライン(紙) 380円
登記されていないことの証明書 窓口・郵送 300円
オンライン(電子証明書) 240円
オンライン(紙) 300円

窓口または郵送で請求する場合は、手数料額と同額の収入印紙を申請用紙の所定の位置に貼付します。(収入印紙は、法務局や郵便局等で購入できます。)
オンライン請求の場合の手数料は、オンラインバンキング等による電子納付が可能です。

おわりに:成年後見登記事項証明書の発行には余裕を持った申請を

この記事では、成年後見登記事項証明書について説明しました。成年後見人等の職務には必要不可欠な証明書です。後見人等になったらなるべく早く取得するようにしましょう。
現在の住所などによらず、お近くの法務局の窓口で発行してもらうことができます。窓口で発行してもらうのが一番早いですが、平日に時間が取れない場合などは郵送やオンラインでの申請が便利です。
証明書を請求する場合、申請者によって必要書類も異なってきますので、不明な点は、あらかじめ法務局または地方法務局に相談するとよいでしょう。

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この記事を監修した⼈

陽⽥ 賢⼀

陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

武田 利之(税理士)

武田 利之税理士法人レガシィ 社員税理士

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表

<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表

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