健康寿命を延ばす方法!定義や平均寿命との違いも解説
Tweet人生100年時代と言われる現代、単に「長生き」するだけでなく「健康で自立した生活をどれだけ送れるか」が重要視されています。この「自立して健康に暮らせる期間」こそが健康寿命です。本記事では健康寿命の定義から具体的な延ばし方まで、すぐに実践できる方法を詳しく解説します。
健康寿命とは?平均寿命との重要な違い
健康寿命とは単なる長生きではなく、介護や支援なしで自立した生活を送れる期間を指します。この概念を理解することが、より良い人生設計の第一歩です。
健康寿命の定義を知ろう
健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した概念で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。簡単に言えば、自分の身の回りのことを自分でできる期間、つまり介護を必要としない期間を指します。
日本では厚生労働省が3年ごとに健康寿命を算出しており、健康日本21(第二次)や健康寿命延伸プランなどの政策でも重要な指標として採用されています。健康寿命は単なる寿命の長さではなく、生活の質(QOL)を重視した指標であることが大きな特徴です。
平均寿命との差から見える課題
平均寿命とは「0歳の人が平均してあと何年生きられるか」を示す指標です。一方、健康寿命は「健康で自立した生活を送れる期間」を表します。この2つの差は、言わば「介護や支援が必要な期間」を意味します。
厚生労働省によると、日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳。これに対し健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳です。つまり、平均して男性は約8.4年、女性は約11.7年もの間、何らかの支援や介護を必要とする状態で生きることになります。この差をいかに縮めるかが、個人にとっても社会にとっても大きな課題なのです。
指標 | 男性 | 女性 | 意味 |
平均寿命 | 81.05歳 | 87.09歳 | 生きている期間 |
健康寿命 | 72.57歳 | 75.45歳 | 自立して生活できる期間 |
差 | 8.49年 | 11.63年 | 支援・介護が必要な期間 |
健康寿命を延ばす4つの重要要素
健康寿命を延ばすには、睡眠・運動・食事・心の健康という4つの要素がカギを握ります。それぞれについて具体的な方法を見ていきましょう。
良質な睡眠で健康寿命を延ばす
睡眠は健康寿命を延ばすための最も重要な要素の一つです。質の良い睡眠は体の回復だけでなく、認知機能の維持にも直結します。良質な睡眠のためには、就寝前2時間はスマホやパソコンの画面を見ないようにし、ブルーライトを避けることが効果的です。また、寝室の温度は18〜23度に保ち、カフェインは午後以降は控えるようにしましょう。睡眠時間は個人差がありますが、多くの成人は7〜8時間が理想的とされています。
効果的な運動習慣の取り入れ方
運動は筋力維持や循環器系の健康に不可欠です。理想的なのは週3回、1回30分の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)と筋力トレーニングの組み合わせです。特に加齢とともに筋肉量は減少するため、筋力トレーニングは健康寿命を延ばすための最強の武器と言えます。
運動を習慣化するコツは、無理なく続けられる強度から始めることです。いきなり高強度の運動を始めると挫折しやすくなります。例えば、まずは毎日10分のウォーキングから始め、徐々に時間や強度を上げていくアプローチが効果的です。また、日常生活でもエレベーターの代わりに階段を使うなど、小さな運動習慣を取り入れていくことも大切です。
健康寿命を延ばす食事のポイント
食事については、食べ過ぎを避け、栄養バランスを整えることが重要です。特に注目すべきは食物繊維とタンパク質です。食物繊維は腸内環境を整え、満腹感を与えてくれるため、過食防止にも役立ちます。また、タンパク質は筋肉の維持に欠かせません。
厚生労働省によると1日でタンパク質を女性なら約50g、男性なら約60g摂取することを推奨しています。さらに、朝食に多めのカロリーを摂り、夕食は軽めにするという食事リズムも健康寿命延伸に効果的です。具体的な食事の内容としては、和食中心で野菜、魚、発酵食品(味噌、納豆など)を積極的に取り入れることがおすすめです。
心の健康が健康寿命に与える影響
健康寿命を延ばすには、身体の健康だけでなく心の健康も重要です。「生きがい」や「人とのつながり」を持つことが、健康長寿にとって非常に大きな意味を持ちます。
趣味を持つこと、定期的に笑うこと、人と会話することなどが健康寿命の延伸に役立ちます。社会的なつながりを持つ人は孤立した人に比べて、認知症リスクが30%も低いという研究結果もあります。地域の活動やボランティア、趣味のサークルなどに参加することで、社会とのつながりを保ちながら、心と体の健康を維持することができるでしょう。
健康寿命を延ばすための日常生活の工夫
健康寿命を延ばすには、特別なことをする必要はありません。日常生活の中での小さな工夫の積み重ねが大きな成果につながります。
日常に取り入れる簡単な運動習慣
運動は特別な時間や場所を確保しなくても、日常生活の中で取り入れることができます。例えば、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、少し遠回りして歩く距離を増やす、テレビを見ながらストレッチをするなど、日常の中での「動く機会」を意識的に増やすことが大切です。
また、スマートフォンの歩数計アプリなどを活用して自分の活動量を見える化すると、モチベーション維持に役立ちます。毎日の小さな積み重ねが、健康寿命の大きな差になることを忘れないでください。目標として、厚生労働省が推奨している1日60分(ウォーキングの場合、約8,000歩)の運動を目指すと良いでしょう。
睡眠の質を高める環境づくり
良質な睡眠のためには、寝室環境を整えることが重要です。まず、寝室は睡眠のための空間と割り切り、仕事や勉強、スマホやテレビなどの刺激を排除しましょう。適切な温度と湿度を保ち、光や音の刺激を最小限に抑えることも大切です。
また、就寝前のルーティンを作ることで、体に「もうすぐ眠る時間だ」という信号を送ることができます。例えば、就寝1時間前には温かいお風呂に入り、ハーブティーを飲み、リラックスできる本を読むなどの習慣を作りましょう。質の良い睡眠は、日中のパフォーマンスを高め、健康寿命延伸の基盤となります。
食生活の小さな改善ポイント
健康的な食生活のために、いくつかの小さな改善ポイントを意識してみましょう。まず、食事の際には「ゆっくり、よく噛んで食べる」ことを心がけます。これだけで満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防止できます。また、野菜から先に食べ、炭水化物は後回しにすることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。
買い物の際には、食品表示をチェックする習慣をつけましょう。塩分や糖分、添加物などの含有量を意識することで、自然と健康的な食品選びができるようになります。食事は1日3回の習慣ですから、小さな改善の積み重ねが大きな健康効果をもたらします。できるところから少しずつ改善していきましょう。
認知症予防と健康寿命の関係
健康寿命を考える上で、認知症予防は特に重要なテーマです。認知機能の低下は自立した生活を困難にし、健康寿命を短くする大きな要因となります。
認知症リスクを減らす生活習慣
認知症のリスクを減らすためには、いくつかの生活習慣が効果的であることがわかっています。まず、先に述べた運動習慣は認知症予防にも効果的です。有酸素運動は脳の血流を改善し、認知機能の維持に役立ちます。
また、知的活動も重要です。読書、パズル、新しい趣味の習得など、脳に適度な刺激を与え続けることで認知機能の低下を遅らせることができます。「使わない脳は衰える」という言葉通り、脳も筋肉と同様に使い続けることが大切です。さらに、バランスの良い食事、特に地中海式食事法(野菜、魚、オリーブオイルを多く摂り、赤身の肉や加工食品を控える食事法)が認知症リスクの低減に効果的とされています。
睡眠と認知症の深い関係
睡眠と認知症には深い関係があることが、近年の研究で明らかになっています。睡眠中、特に深い睡眠(ノンレム睡眠)の間に、脳内ではグリンパティック系と呼ばれる排水システムが活性化し、日中に溜まった老廃物(アミロイドβなど)を排出します。
この排出が不十分だと、脳内に老廃物が蓄積し、認知症のリスクが高まると考えられています。質の良い睡眠は、脳の「掃除屋さん」として機能し、認知症予防につながります。慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下は、健康寿命を縮める大きな要因となるため、睡眠環境の整備は非常に重要です。
健康寿命と社会参加の重要性
健康寿命を延ばすためには、身体的な健康だけでなく、社会との関わりを持ち続けることも非常に重要です。特に高齢になるほど、社会参加の意義は大きくなります。
コミュニティ活動が健康寿命に与える影響
地域のコミュニティ活動やボランティア活動に参加することは、健康寿命の延伸に大きく寄与します。研究によれば、社会的に活発な高齢者は、そうでない高齢者に比べて健康状態が良好で、寿命も長い傾向があります。これは、活動自体が適度な身体活動になるだけでなく、人との交流が脳に良い刺激を与え、精神的な健康も維持するためです。
また、社会活動は「役割」や「生きがい」を生み出し、「誰かの役に立っている」という自己効力感が精神的な健康に大きく貢献します。自分の経験や知識を活かせる場を見つけることで、健康寿命の延伸につながるでしょう。
趣味と生きがいの健康効果
趣味を持ち、生きがいを感じることは、健康寿命を延ばす上で非常に効果的です。趣味は楽しみながら脳と体を活性化させ、ストレスを軽減し、生活に充実感をもたらします。特に新しいことに挑戦することは、脳に新たな刺激を与え、認知機能の維持に役立ちます。
また、趣味を通じて同じ興味を持つ人々との交流が生まれ、社会的なつながりも強化されます。「好きなことをする時間」を持つことは、単なる娯楽ではなく、健康寿命を延ばすための重要な投資と言えるでしょう。音楽、絵画、園芸、ダンス、旅行など、自分が心から楽しめる活動を見つけ、継続することが大切です。
健康寿命を延ばす最新の研究と知見
健康寿命延伸に関する研究は日々進んでおり、新たな知見が次々と発表されています。最新の研究結果を知ることで、より効果的に健康寿命を延ばす取り組みができるでしょう。
腸内環境と健康寿命の関係
近年、腸内環境(腸内フローラ)と健康の関係に注目が集まっています。腸内には約1,000種類、100兆個以上の腸内細菌が生息しており、これらのバランスが免疫機能、代謝、さらには認知機能にまで影響を与えることがわかってきました。
健康的な腸内環境を維持するためには、食物繊維が豊富な野菜や果物、発酵食品(ヨーグルト、味噌、納豆など)を積極的に摂取することが効果的です。また、腸内細菌の多様性を保つことも重要で、偏った食事を続けるよりも、様々な食品をバランスよく食べることが推奨されています。腸内環境の改善は、免疫力の向上や炎症の抑制につながり、様々な疾患の予防に役立つと考えられています。
テクノロジーを活用した健康管理
現代では、スマートウォッチやフィットネスバンドなどのウェアラブルデバイスを使って、日々の活動量や睡眠の質、心拍数などを手軽に測定できるようになりました。これらのデータを活用することで、自分の健康状態をより客観的に把握し、効果的な健康管理が可能になります。
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また、健康管理アプリも充実しており、食事記録や運動記録をつけることで生活習慣の「見える化」ができます。自分の健康データを定期的にチェックし、目標を設定することで、健康づくりのモチベーションを維持しやすくなります。さらに、オンラインフィットネスプログラムや健康相談サービスなど、自宅でも専門的なサポートを受けられるサービスも増えています。テクノロジーを上手に活用して、より効率的に健康寿命を延ばす取り組みを進めていきましょう。
まとめ
健康寿命を延ばすためには、身体的な健康だけでなく、心の充実や社会的なつながりも大切です。そのためには、「生きがい」や「人とのつながり」を持ち、社会との関わりを持ち続けることが重要です。地域活動や趣味の集まりなど、他者との交流を通じて得られる刺激は、心の健康を支え、生活に活力を与えてくれます。
また、「好きなことをする時間」を持つことは、単なる娯楽にとどまらず、健康寿命を延ばすための重要な投資と言えるでしょう。音楽、絵画、園芸、ダンス、旅行など、自分が心から楽しめる活動を見つけ、それを継続することが、心身の健康維持に役立ちます。新しいことに挑戦する意欲も、脳の活性化や生きる喜びにつながります。
最近では、スマートフォンの歩数計アプリを使って、自分の活動量を「見える化」することができるようになりました。さらに、スマートウォッチやフィットネスバンドなどのウェアラブルデバイスを使えば、日々の活動量だけでなく、睡眠の質や心拍数なども簡単に測定でき、自分の健康状態をより客観的に把握できます。これにより、より効果的な健康管理が可能になります。
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陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー
企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・
武田 利之税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー
相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。
<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表>
<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表