「相続税申告、自分でできる?」
こういう質問を頂くことがあります。
「相続税を自分で申告することはできないのでしょうか?」
もちろん、自分で申告することもできます。相続税の申告書のフォーマットは国税庁のホームページから誰でもダウンロードすることができます。
自分で申告するメリットは、税理士へ報酬を支払う必要がない、ということ。では、あとで困らないかの観点でいうとどうなのでしょうか?
結論は、「税理士に申告を頼む」ほうがあとで困らない、と言えます。
税理士に頼めば、手間が省けるうえに、節税などのノウハウが得られます。
インターネット上の様々なサイトでは、相続税の申告を自分で行う方法が紹介されています。しかし、これらを実際にやってみるのはものすごく手間がかかります。少なくとも厚さ10センチ~30センチほどの資料を準備する必要があります。それだけの書類を集め、それだけの資産評価をし、それだけの記載をしなければなりません。
われわれ税理士でも、初めて相続税の申告書を作成するときは膨大な時間がかかります。税務の専門家である税理士であっても、根気のいる大変な作業なのです。税法のプロでない方がご自分で相続税申告をしようとすれば、おそらくとんでもない手間がかかり、間違いも多く出てくるでしょう。であれば、最初から税理士などのプロにお願いするのがよいかと思います。
また、自分で申告すると、手間がかかるだけではなく、ノウハウがないことも問題となります。
ノウハウとは大きく分けて2つあります。
ひとつは、土地の評価額をいかに安くすることができるか、というノウハウです。これは税務署に聞きに行ったとしても教えてくれることではありません。
もうひとつは、遺産分割協議のノウハウです。
相続に関する様々な経験や知識のある専門家に相談できるというのは、安心して相続に取り組むためにはとても大事なことだと思います。
自分で申告すれば費用がかからない。一見、金銭的なメリットがあるように思われがちですが、むしろ多大な時間と労力を失うことになってしまうのです。
相続税の申告は、考えすぎずプロである税理士に依頼することをお勧めします。
では、税理士に相続を依頼するとコストはいくらかかるのでしょうか。
税理士に依頼した場合の報酬を一般論としてお伝えしておきます。
おおよそ、相続財産の0.5%程度とお考えください。たとえば、1億円の相続財産があれば50万円、10億円で500万円です。
相続財産から税金を支払い、手もとに残ったお金の中から税理士報酬を支払う形になることが多いでしょう。