勝手に遺言書を開封すると罰金⁈ドラマ「相続探偵」第3話から学ぶ相続知識
相続探偵第3話が放送されました!恋をした朝永、面白かったですね!ストーリーも心温まる内容でした!第3話に出てきた相続のキーワードみていきます!
相続探偵 西荻 弓絵/幾田 羊 講談社
第3話のストーリーをおさらい
第3話「マリーアントワネットの相続」では、探偵の灰江七生(赤楚衛二)とアシスタントの令子(桜田ひより)が、将棋道具店の店主・加藤香車(でんでん)の遺産相続に関する謎を解き明かします。香車は虚血性心疾患で急逝し、遺言書には「すべての財産をマリーアントワネット様に遺贈します」と書かれていました。
香車の一人息子・金斗(和田聰宏)は、父親とは疎遠でありながらも遺産を相続するはずでしたが、この遺言書により状況が一変します。灰江は、香車が遺言書に書いた「マリーアントワネット」が実際には猫カフェの店長ソフィー(トラウデン直美)の母親、本庄マリーアントワネットであることを突き止めます。
香車は再婚を考えていたマリーとの関係を息子のために断念し、その後も匿名で彼女の動物保護活動を支援していました。最終的に、金斗は父親の本心を理解し、遺産をマリーに譲ることを決意します。
キーワードの解説
第3話にでてきたキーワードを解説します!
1.勝手に遺言書を開封すると罰金⁈
勝手に遺言書を開封すると、5万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
遺言書を見つけた場合、相続人は遺言者(故人)の最後の住所地の家庭裁判所に「検認」の手続きを申立てます。検認とは、遺言書の現状(形状や日付、署名、内容、訂正の状態など)を明らかにし、偽造などを防止するための手続きです。
検認を経ないと、勝手に開封をした人が遺言書の内容を改ざんしたのではないかという疑いをかけられ、争いの原因となることもあります。
なお、公正証書遺言の場合や、自筆証書遺言でも保管制度を利用していれば検認の手続きは不要です。
2.ペットにも相続できる?
飼っていた猫の名前が「マリー・アントワネット」ということもあり、猫に相続できるの⁈ということも焦点になっていました。結論、ペットに相続することはできません。ペットの世話をしてもらう手段として、「負担付死因贈与」というものがあります。負担付死因贈与は財産を贈る贈与者と、受け取る受贈者が、生前に贈与内容について「契約」を交わすものです。契約なので特段の事情がない限り撤回することができません。
3.家族名義の財産はだれのもの?
ドラマの中で香車爺さんは弟の名義で、息子の金斗の会社の株を買って支援していた場面がありました。香車爺さんの死後、この株式はどうなるのでしょうか?
お金の出所は香車爺さんであり、弟に贈与という認識がない場合には「名義財産」となり、この場合弟ではなく香車爺さんの財産となります。つまり株式も、遺言により「マリーアントワネット」に遺贈されます。
ドラマの最後で、息子の金斗は香車爺さんの思いを知り、遺言書の内容そのままにマリーアントワネットさんへの遺贈することを承諾しました。
ここからは描かれていないので想像となってしまいますが、香車爺さんが密かに応援していた息子の会社の株式もマリーアントワネットさんに遺贈されたとなると、形としてはマリーアントワネットさんが今度は金斗の会社を応援しているということになります。香車爺さんは亡くなってしまったけれど。その思いはマリーアントワネットさんが承継して、息子の金斗を応援している。そんな素敵な光景が目に浮かびます。
より詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
>遺言とは | 種類別のメリット・デメリット
>死因贈与とは?立場別のメリット・デメリットや遺贈との違いを解説
>生前贈与の非課税はいくらまで?名義預金についても解説
まとめ
第3話では、香車が息子を思う気持ちや、再婚を断念した過程から、親が子を思う気持ちを垣間見ることができ、心温まるストーリーとなっていました。息子の金斗もそれを知ることで、「すべての財産をマリーアントワネット様に遺贈します」という父の遺言を受け入れることができました。故人の遺志を尊重すること。これが今回のエピソードにも反映されていました。
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