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専門家インタビュー

税理士になる前は青年海外協力隊に|なぜNPOを支援するようになったのか

大学卒業後、企業勤めを経て、青年海外協力隊に参加。コートジボワールでの活動を通し、簿記に関する仕事が自分に適しているのではと考え、税理士を志す。現在は目黒で事務所を立ち上げ、NPO法人を中心に支援を行っている。

脇坂先生は、一般企業勤務から青年海外協力隊へ、そして税理士へと異色の経歴を持つ人物です。自身の経験から「役に立つ力」を身につけることの大切さを学び、現在ではNPO法人の支援や遺贈寄付の推進に力を入れています。
どのような経験を経て今の立場に至ったのか、その詳しい話を脇坂先生に伺いました。

税理士になった経緯を教えてください。

大学卒業後、一般企業で勤務しましたが、半年で辞めてしまいました。自己分析が足りていなかったのかもしれません。そこで少し時間をかけて今後のことを考え、25歳のときに青年海外協力隊への参加を決意しました。
コートジボワールが任務地となり、交通事故の統計を取る業務に就きました。ただ、言葉の壁や経験不足から挫折感を感じ、人々の役に立つためには、“役に立つ力”を身につけることが重要であると強く感じたのを覚えています。

失敗や挫折はありましたが、交通事故の調査作業から、データを集めて分析し、具体的な結果を導き出すことが自分に合っていると感じました。そして、この作業が簿記に近いのではないかと思い至り、税理士を目指すことになります。
帰国後すぐに簿記学校に申し込み勉強を始めました。両親との約束で期限を決め集中して勉強し、4年間で合格しました。4年目はどうしても合格したかったので、受験科目を1科目余計に選択しました。税理士を目指している方は、合格への可能性を高める現実的な施策を取るというのをおすすめします。

税理士になってからも葛藤があったと聞きました。

はい、税理士として登録した後は、自分が生まれ育った目黒で自分の事務所を開業しました。地域貢献をしたいとの思いから、目黒の異業種交流会に積極的に参加していきます。
そこから目黒での業務がどんどん広がり、お客様も増えていったのですが、それと同時に自分が協力隊として過ごした2年間が何だったのかという疑問が頭をよぎり、自分の仕事との整合性がつかないことに悩みました。

その悩みを抱えたまま、自身が外国で経験した孤立感を思い出し、日本にいる外国人を支援するNPOに参加しました。そこで、外国人向けの確定申告講座を実施すると、参加者のひとりがすごく感激してくれたのです。
それ以来、自分が直接困っている人を支援するよりも、困っている人の支援をしているNPOなどの団体を、会計と税務という自分のスキルを活かして支援するほうが人の役に立てるということに気づきました。

注力していることを教えてください。

だいぶ前にはなりますが、NPO法人を支援する税理士・会計士ネットワークを立ち上げるという記事を見つけまして、その発起人が元青年海外協力隊だったということに運命的なものを感じ、総会などに参加していきました。それから約20年経ち今では縁あって自分がNPO会計税務専門家ネットワークの理事長を務めるほど、NPO法人の支援に力を入れています。

また、遺贈寄付にも力を入れていきたいと考えています。欧米に比べ日本はまだまだ寄付文化が根付いていないので。制度的な課題も多くあるのですが、他の税理士なども巻き込みながら少しずつでも増やす一助になっていきたいです。

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