税理士の収入はどこまで高められる?
「税理士になれば安定して稼げる」という話をよく耳にしますが、実際のところはどうなのでしょうか?気になりますよね!
年収は単なる平均値だけでは見えてこない奥深さがあります。厚生労働省の統計(令和6年賃金構造基本統計調査)によれば、税理士・公認会計士の平均年収は「856万円」と一般サラリーマンの1.8倍に達しますが、その内実は働き方や専門性、キャリアステージによって大きく変化します。税理士の
実はこの数字の背後には、「専門性」と「経験」という2つの重要な要素が隠れています。例えば、相続税や国際税務などの専門分野を極めることで、10年以上のベテランなら年収1,000万円を超えることも十分可能です。実際、私たち税理士法人レガシィの所属税理士の平均年収は1,300万円を超えています。
この記事では、税理士としてどのようなキャリアを築けば年収を最大化できるのか、そして将来的にAIが台頭する時代においても価値を発揮し続けるためには何が必要なのか、具体的なデータと実体験に基づいて解説していきます。
税理士の年収相場
税理士の年収相場について理解していきましょう!
税理士の平均年収
上述のとおり、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 」によると、税理士・公認会計士を合わせた平均年収は856万円(企業規模10人以上、一般労働者)となっています。この数字は日本全体の給与所得者平均年収460万円(同調査)と比較すると、約1.8倍の水準です。
この差は、税理士資格という専門性の高いスキルと難関資格が評価されているためです。特に勤続年数が長くなるほど、年収差は開く傾向にあります。税理士資格は取得までの道のりは厳しいものの、長期的に見れば収入面での優位性がはっきりと現れると言えるでしょう。
税理士の年収推移
税理士の年収は年齢や経験によって大きく変化します。キャリアパスを考える上で重要な視点です。今後のキャリアを考える参考にしてください。
年齢別の税理士年収の推移
公認会計士・税理士の年齢別データによると、30代から年収が上昇し始め、40代後半〜50代でピークを迎える傾向があります。20代前半は資格取得を目指す期間であり、実務経験がまだ少ないため人数も少なく、年収も比較的低めです。
具体的な年収推移としては、20代後半で400万円台、30代前半で500万円台、30代後半で600万円台、40代〜50代で700万円以上となり、ピーク時には1,000万円を超える層も増えてきます。この年齢による上昇カーブは、経験値の蓄積と専門性の深化によるものであり、税理士としてのキャリア形成を反映しています。
経験年数による年収変化
経験年数別に見ても、勤続年数の増加に伴って年収は着実に上昇する傾向が見られます。特に実務経験5年を超えたあたりから年収の伸びが加速し、10年以上のベテラン層では平均で800万円前後に達することが多いです。
この傾向は、税理士業務が経験によって価値が高まる典型的な専門職であることを示しています。特に複雑な税務相談や節税対策などの高度なアドバイスができるようになるには、長年の実務経験が必要とされるため、それが年収にも反映されるのです。キャリア初期は基礎的な業務が中心ですが、経験を積むにつれて付加価値の高い業務を担当できるようになり、それが収入増加につながっています。
年収における男女差と企業規模による違い
性別や勤務先の規模も、税理士の年収に影響を与える重要な要素です。税理士に就職する上で、自身の状況ではいくらの年収が相場なのでしょうか?
男女別の税理士年収の実態
公認会計士・税理士を合わせたデータ(令和6年賃金構造基本統計調査) によると、男性の平均年収は約1,028万円、女性の平均年収は約589万円となっており、約439万円もの差が生じています。
この差が生じる背景には、ライフステージの変化による就業形態の違いが考えられます。結婚や出産、育児によって時短勤務やキャリアの中断が発生しやすい女性の場合、経験年数の蓄積に影響を受けることがあります。ただし、税理士という資格職の特性上、スキルの陳腐化が比較的緩やかであり、復職後も専門性を活かしやすいという利点もあります。実際に、フレックスタイム制度やリモートワークを取り入れている税理士事務所も増えており、ワークライフバランスを重視しながらキャリアを築ける環境は整いつつあります。
レガシィでは、フレックスタイム制度や時短勤務のほか、女性メンバーが活躍できる職場をつくるため、ワークショップなども開催しています。
参考:ワークショップ『私らしく生きるためのワークライフバランス』開催
企業規模別の年収格差
税理士の年収は勤務先の企業規模によっても大きく異なります。令和6年賃金構造基本統計調査によれば、税理士・公認会計士を合わせた給与額につき、従業員1,000人以上の企業や大手税理士法人に勤務する税理士の方が、中小事業所に勤務する税理士よりも年収が高い傾向にあります。具体的には、企業規模1,000人以上の組織の税理士の平均年収は約1,043万円であるのに対し、企業規模100~999人の組織の税理士の平均年収は約764万円、企業規模10~99人の組織の税理士の平均年収は660万円となっています 。
この差は、大手事務所ほど各分野に精通した部門が多くあることや、大企業や大手法人ほど顧客単価が高く、扱う案件の規模も大きい傾向があるためです。 また、組織内での役職や昇進機会も多いため、キャリアアップによる年収上昇の可能性も高くなります。一方で、中小規模の事務所でも特定分野に特化した専門性を持つ場合や、経営に近い立場で働ける場合は、規模に関わらず高い年収を得られるケースもあります。勤務先を選ぶ際は、単純な規模だけでなく、自分のキャリアプランや専門性を活かせる環境かどうかを見極めることが重要でしょう。
税理士試験の合格科目数による影響
税理士試験の合格科目数は、就職・転職時の評価や年収にも影響します。特に未登録でも科目合格によるキャリアアップが可能になるため、どれだけ変化があるのか理解していきましょう!
評価の高い合格科目と転職のタイミング
税理士試験の科目の中でも、特に評価が高い科目があります。会計2科目(簿記論・財務諸表論)は基礎力の証明として重視され、税法科目では所得税法 、消費税法、法人税法が実務で最も活用される機会が多いため評価が高い傾向にあります。これらの科目を優先的に合格しておくことで、就職・転職時の交渉力が高まります。
特に3科目合格は転職・就職の好機となることが多いです。3科目合格時点で「税理士試験の過半数を突破した人材」として評価されるため、未経験分野への挑戦や、年収アップを狙った転職を検討するのに適したタイミングと言えます。また、5科目合格して税理士登録が可能になる直前も、「税理士になる直前の人材」として高く評価される時期です。科目合格のタイミングを見計らって転職活動を行うことで、効率的に年収アップを実現できる可能性が高まります。
税理士の将来展望と収入アップの方法
税理士業界は技術の進化や経済環境の変化の影響を受けます。将来的な年収の展望と、収入アップのための方策を考えてみましょう!
AI・RPAの影響と今後の需要予測
税理士業界では、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の台頭により、従来型の記帳代行や単純な税務申告業務の一部が自動化されつつあります。これにより、単純作業中心の業務は減少し、収入源としても縮小する可能性があります。また、不景気による顧問先減少のリスクも常に存在します。
しかし、高度な判断力が必要なコンサルティング領域では、むしろ需要が高まると予測されています。例えば、事業承継や相続対策、組織再編、国際税務、M&A関連の税務など、専門性の高い分野は今後も人間の税理士の専門知識が必要とされるでしょう。AIはデータ処理や定型業務の効率化には貢献しますが、クライアントの複雑な事情を汲み取り、最適な税務戦略を提案するといった高付加価値サービスは、依然として税理士の重要な役割として残ります。このような付加価値の高いサービスを提供できる税理士は、今後も安定した、あるいはさらに高い収入を得られる可能性が高いと言えます。
年収アップのための戦略とダブルライセンス
税理士としての年収をアップさせるためには、いくつかの有効な戦略があります。まず基本となるのは専門分野の確立です。相続税、国際税務、医療法人、IT業界など、特定の分野に特化することで、その分野での第一人者として高い報酬を得ることが可能になります。また、営業力を強化し、高単価の顧問契約を獲得する能力も重要です。
さらに注目すべき戦略が「ダブルライセンス」の取得です。税理士資格に加えて、社会保険労務士、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー、米国公認会計士(USCPA)などの資格を取得することで、提供できるサービスの幅が広がり、クライアントにとってのワンストップサービスが可能になります。特に近年は、税務だけでなく経営全般のアドバイザーとしての役割を税理士に求める企業も増えており、複数の専門資格を持つことでそのニーズに応えることができます。例えば、税理士+社会保険労務士なら給与計算から社会保険手続き、税務申告までをカバーでき、税理士+中小企業診断士なら税務だけでなく事業計画や資金調達のアドバイスも提供できるようになります。このような付加価値の向上が、結果的に年収アップにつながる可能性があります。
まとめ
税理士の年収は働き方や経験、専門分野によって大きく変わります。データから見えてきた実態と、収入を上げるための道筋をまとめました。
- 税理士の平均年収は約856万円で、一般サラリーマンより1.8倍程度高い水準
- 働き方別では、社員税理士が平均850万円と最も高く、次いで開業税理士の780万円、所属税理士の620万円の順
- 年齢と経験に比例して年収は上昇し、40代後半~50代でピークを迎える傾向がある
- AI・RPAの台頭で単純業務は減少するが、高度なコンサルティング業務の需要は今後も堅調
- 年収アップには専門分野の確立やダブルライセンス取得が効果的
税理士を目指す方や現役の税理士の方は、自分のキャリアプランに合わせた働き方を選択し、専門性を高めることで、安定した高収入を得るチャンスがあります。特に今後は、単なる税務申告代行ではなく、クライアントのビジネスパートナーとして付加価値の高いサービスを提供できる税理士が、より高い報酬を得られるでしょう。ぜひ税理士法人レガシィで自分の強みを活かした専門分野を確立し、継続的なスキルアップを目指しましょう!
レガシィマネジメントグループでは、メンバーの成果や頑張りに対して報いるため、適正かつ高水準の給与・報酬の実現を重視しています。詳しくはこちらのページをご覧ください。
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