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【弁護士向け】地方での弁護士の終活サポートの仕組みづくりの方法
終活サポートも主力業務にしていきたい、と考える弁護士の先生方も多いかと思います。本記事では、弁護士が終活サポートに取り組む意義や、終活サポート集客のための仕組みづくりについて紹介しています。
弁護士が終活支援に取り組む意義
1 終活の意義
終活とは、『人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動』のこと(一般社団法人終活カウンセラー協会が提唱する定義)を指します。
週刊朝日が発した2009年の記事が起源だと言われています。このときは、葬儀に焦点をあてたコラムで、人生のエンディングに備える、という意味合いが強かったですが、その後、2011年に一般社団法人終活カウンセラー協会が設立され、終活の意味が上述のように再定義されました。
2012年には、ユーキャンの新語・流行語大賞のトップテンに選ばれています。その後も広まりを見せ、いまや日本の文化のひとつと言ってよいものとなりました。
2 終活に取り組む意義
心理学的にも、人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意欲が高まるとされています。
かのスティーブ・ジョブスも言っています。「自分がもうすぐ死ぬという事実は、大きな決断をする手助けをしてくれる、人生で最高のツールだ。外部からの期待、プライド、恥をかいたり失敗したりすることへの怖れなど、ほとんど全てのものは死と向き合うと消え去る。そして本当に大切なものだけを残してくれるんだ。」と。
終わりを意識することで大きな力を出すことができ、今を充実させることができます。
日本では、長生きすることにつき、「リスク」の面が強調される傾向にあるように思います。いわゆる老後2000万円問題などは、その典型です。
人生100年時代と言われる現代において、長生きをリスクと捉え、不安を抱えた人生を送るのはもったいないです。戦略的に人生を設計し、よりよい今を手に入れ、望む人生を歩んで、死ぬときには最高の人生だったと心から思えるような人生を歩むために、「終活」は大きな武器になります。
3 弁護士が終活に取り組む意義
終活を通じ、弁護士がお客様に対して提供している商品・価値の本質は、「よりよい今」そのものです。
よりよい今を生きているという体験をしていただき、それを経験まで昇華させ、実際に人生のエンディングで「よい人生だった」と心の底から思える人生を生きていただくことが、弁護士が提供すべきものだと思って、日々の業務に取り組むべきだと思います。
4 終活に取り組むことを「決める」効果
本気で取り組むと「決める」効果は馬鹿にできません。
取り組むと決め、期限を区切っていろいろと試行錯誤をしていると、不思議と依頼も多くなるものです。
ただし、その決意は、本気の決意でなければなりません。
お客様にどんな「よりよい今」や「未来」を得てほしいかを考える
5 お客様を「具体的に」定義する
お客様を具体的にイメージして、その方々に刺さる情報、言葉は何か、どんな価値を求めているのかを把握するために、アンケートなどの実施や、日ごろからの依頼者との雑談などは、非常に重要です。お客様の本音を知る努力をすることが大切です。
依頼につながらなかった場合に、後にフォローの電話をして、「どんなところが至らなかったですか」「他の事務所を選ばれた理由を教えて下さい」などと率直に聴くのも効果的と思います。
弁護士が聴きにくい場合は、スタッフに聴いてもらうことを考えてもよいと思います。
かの松下幸之助翁は、「衆知を集める」と言いました。お客様の本音を知る方法を、スタッフとともに頭をひねって考えるのもよいかもしれないです。
6 そのお客様にどんな「よりよい今」や「未来」を得てほしいかを考える
悩みが取り除かれ、安心が得られる、「よりよい今」をイメージしていただいたり、今動くことで、具体的にどれだけの損失が回避できるかをシミュレーションしたりすることが多いです。
7 そのお客様にアプローチするには、どのような「動線」「導線」を設計し、実践すればよいかを考える
たとえば、 新聞折込チラシ → セミナー → 個別相談 → 受任 という動線・導線を思い描いたとします。
仮説を立てて、それを試して、改善を重ねていく中で、精度高くお客様にアプローチができるようになります。
8 PDCAをまわす・改善する
前回と少しずつ何かを変え、それによって、反応がどう変わってくるか。これを地道に検証したり、アンケートを中心にお客様の本音を把握してこれを地道に改善していくことが、よりよいアプローチの王道ではないかと思います。
9 試行錯誤しながら、「お客様が受け取る価値」や「終活サポートのための仕組み」を「考える」、「言語化」する
経営者は、「考える」のが仕事です。
弁護士は、「言葉」の力で人を幸せに導くのが仕事です。
そう思って、日々、アンテナを張って情報を仕入れ、お客様にどのように貢献するか、いかに価値を得ていただけるかを考え、言葉を探します。
たとえば、弊所では、お客様にお示ししている商品の本質について、「よりよい今を生きる」「笑顔相続の実現」「大切な人への手紙(ラブレター)を書くお手伝いを」「『人生の最後の選択』を輝かせる」「相続に尊厳とやさしさを」などといった言葉を大事にしてお話ししています。
また、これからの事務所づくりにおいては、「LTV(ライフ・タイム・バリュー)=顧客生涯価値 の最大化 ができる事務所へ」「相続の相談窓口のファーストチョイスに」「地域の強固なネットワークを束ねる存在へ」といったキャッチフレーズを大事にしています。
10 そのために、考える「時間をつくる」
考えようにも、言葉を探そうにも、そのための時間を積極的に作らなければ、日々の業務に忙殺されてしまいます。労働集約型と言われる弁護士においては、なおのことです。
小規模の事務所では、スタッフとの協働が不可欠であるし、優先順位の付け方も共有し、時間の使い方についても、日々、よくよく考えていきたいものです。
スタッフと協働する
11 時間をつくるため、スタッフと協働のコツ
相続関係の最低限の知識はないと仕事が難しいため、スタッフにはまずは知識を習得していただくことになりますが、終活/相続・遺言関係の資格や講座はたくさんあるため、既存のものを利用させていただくことによって、効率的に知識が得られるでしょうし、事務所にも本人にも成果が見えやすいです。事務所としてはマネジメントがしやすいし、本人にとっては易しいものからだんだんステップアップさせていけば自信の形成につながります。
OJTで学んでいただくことは当然として、体系的に知識を整理していただくために、定期的に座学の研修をしている事務所も多いと思います。終活/相続・遺言関係の分野に取り組む先生は、セミナーに注力されている方も多いようですが、そのセミナーのリハーサルを研修の時間で行えば、スタッフにとっては知識の習得につながり、弁護士にとってはセミナーの質の向上やタイムマネジメントにつなげられます。
個別業務については、事務所ごとにカスタマイズしたマニュアルが創れると理想ですが、これはなかなか大変なので、スタッフ向けに「必読図書」を設定してあげる方法がおすすめです。相続関係の本は多すぎてどこから手を付けていいかわからないでしょうし、弁護士向けの本がスタッフにもわかりやすいかは別の話です。スタッフ向けの、実務向けの厳選した1冊を選んで共通言語にすると、仕事がやりやすくなると思います。
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