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専門家インタビュー

ゼロからの開業を通じて思うこと|税理士がSDGsを考える必要性とは?

大学卒業後、大手電機メーカーに就職。中小企業診断士の資格取得を経て税理士を志し、1988年に岡税務会計事務所を開業。その後、2013年に法人化し、現在のベイヒルズ税理士法人を立ち上げる。新設法人の設立支援を500社以上行うなど、経営基盤の弱い中小企業の経営に寄り添っている。

大手電機メーカーの営業を10年経験してから税理士を目指した岡先生。資格勉強から開業・拡大に至るまで強い意志をもって取り組んでこられました。数多くの中小企業の経営に寄り添うなかで、現在はSDGsの啓発にも力を入れています。その詳しい話を岡先生に伺いました。

税理士を目指したきっかけを教えてください。

大手電機メーカーで営業職として10年ほど働いていたのですが、「このままでいいのだろうか」と考えることが多くなり、何かスキルを身につけたいと思い始めるようになりました。適性検査などを通じ自分は営業よりも事務系の仕事が向いていると気づき、キャリアを変えるため中小企業診断士の資格を取ったのです。ただ、そのタイミングで希望部署に異動できなかったことやそれだけでは生計が厳しいのではと感じ、税理士の仕事について調べたのがきっかけでした。

電機メーカーを辞め会計事務所で働きながら、業務後は夜遅くまで、休みの日は朝から晩まで勉強し、4年後に税理士試験に合格しました。その間、家庭や遊び時間は犠牲になりましたが、絶対に合格するという強い意志があったので、どんな困難にも立ち向かえたんだと思います。

開業してから苦労したエピソードをお聞かせください。

勤めていた事務所に不義理をしたくなかったので、お客様は全くいない状態でのスタートでした。特に最初の3年は厳しかったですね。

ただ、一生懸命頑張るとリターンが戻ってくることもあるんだというエピソードがありまして。地元の信用金庫の人が回ってきた時に、本当にお金がないなかではありましたが5,000円ぐらいの定期預金から始めたおかげで、その担当者と親しくなって紹介をいただけたということがありました。

資金繰りも含め本当に大変でしたが、苦労したことによって厳しさも知るし、お客様を獲得するやり方もわかってきたので、しっかりと自分でやれば道は開けるんだと思いましたね。

徐々に社員数も増えていったとのことですが、人材育成は順調でしたか?

いえ、そこも苦労しましたね。開業15年目くらいのとき、社員12人の内8人が半年くらいの間に、バタバタバタっと辞めちゃったんですよ。原因を考えると、経営状況もそこまで良かったわけではなかったので給与が低かったというのと、私が社員の業務を必要以上に細かく指示してしまっていたというのがあったように思います。

もっと社員の自主性に任せなくてはいけないよな、というのが大きな転機になり、給与の底上げや奨励手当で報いてあげるなど待遇面を整備し直しました。そうするといい人材も入ってくるようになりましたし、新卒を採用するようにもなりました。経験者だけだとやはり離職の可能性もありますので、育てていくことも大事だなと思っています。

SDGsに注力されているとお聞きしました。

世界中の人々が地球に暮らし続けていくためにはSDGsを進めていかなければならないわけですが、その重要性はわかってはいるものの具体的に取り組めていない中小企業がほとんどです。ただ今後というか既に始まっていますが、SDGsに取り組んでいないと大企業と取引ができなくなるということが現実的に出てきています。

そもそもの持続可能な世界の実現を目指すことと同時にそういった現状を、中小企業の顧問をしている税理士の先生方は顧問先に対し啓発していく必要があるのです。ただ、税理士業界ではまだそういう認識の方が少ないので、先生方をフォローしていくというのが同じく中小企業を応援している当法人の使命だと考えています。

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