今後の展望を教えてください
豊かさとは、単にお金の多さではなく、健康でいられること、そして大切な時間をどう使えるかだと考えています。そのため現時点では、事務所を大きくする意欲はそれほどありません。人を雇って拡大するよりも、効率的な仕組みやデジタルツールを活用して、少人数でもしっかり回る体制を目指しています。
たとえば、クラウド会計ソフトを導入し、オンライン完結型の業務フローを構築。お客様とのやり取りもチャットやオンライン面談が中心で、柔軟な対応が可能になりました。今後はAIなども積極的に取り入れて、さらに効率と品質の両立を図っていきたいと考えています。
そして、いずれは「旅をしながら働く」というライフスタイルも実現したいです。ノートPCひとつあればどこでも仕事ができる環境は、今の税理士業界でも徐々に整いつつあります。だからこそ、「オフィスに縛られずに、好きな場所で、好きなことをしながら働く」――そんな未来を描いています。
税理士という仕事は、まじめで堅実なイメージがあるかもしれません。でも、実際は自分の個性や価値観を強みにできる、自由度の高い職業だと感じています。
私自身、「ゲームが好き」「自由に働きたい」という気持ちを起点に、独立という選択をし、自分らしい仕事をつくってきました。こうしたスタイルが広がれば、税理士という職業のイメージももっと多様で楽しいものになっていくと思います。
ただ、AIの進化により、今後税理士の業務は大きく変化するでしょう。完全になくなることはないにしても、定型的な業務はかなり自動化されるはずです。そんな時代に求められるのは、専門知識以上に、「この人と話すとなんだか楽しい」「相談しやすい」といった、人間的な魅力や感情に根差した関係性なのではないかと感じています。
税理士の資格は「プラスアルファとしての武器」程度に捉え、税理士資格にあぐらをかく事なく、いち経営者としての人間的魅力を磨く努力や営業努力を怠らないようにしていかなければ、AIに淘汰されて行ってしまうのではないかなと思っています。
だからこそ、私は“楽しむこと”を大切にしています。それが結果的に、収入にも仕事にも、良い循環をもたらすと信じています。