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専門家インタビュー

福利厚生も充実|内にも外にも「誠実」な事務所運営の秘訣とは!?

平成16年4月 自宅にて公認会計士・税理士 猪本会計事務所 独立・開所
平成16年6月 西葛西駅前に事務所移転
平成17年12月 業務拡大につき事務所移転
平成18年12月 税理士法人ジャスティス会計事務所 設立
平成20年10月 業務拡大につき事務所移転
平成25年8月 業務拡大につき事務所移転
令和3年3月 業務拡大につき事務所増床

税理士法人ジャスティス会計事務所猪本秀之先生に2回目のインタビューです。
前回のインタビューでは、お客様の味方でありたい、というお話しをいただきました。
今回は、税理士を目指した最初のきっかけや事務所運営のこだわりをたっぷりとお話しいただきました。
お客様にも、従業員にも「誠実」に向き合ってきた先生の取り組み・思いに迫ります。

なぜ税理士になろうと思ったのでしょうか?

実家がかなり貧乏だったため、力をつけてそこから這い上がっていくしかない、という思いが自分の中に中高生の頃からあり、その頃から、経営者の本をたくさん読んでいました。本田宗一郎さんや松下幸之助さんなど、さまざまな成功者の本を読む中で、経済的な環境を変えていくには、やはり会社を経営する側に回っていかなければならない、という思いを強くもちました。

ただ、会社を興すといっても、具体的な何かがなければ、成功するわけもないということは分かっていました。いろいろ考える中で、最も確実で早い手段として、当時、経済関係の資格では一番難しいと言われていた「公認会計士」を取得することで、道が開けるかなと考えました。実力を付けてから、独立するという選択肢が普通に存在する業界であったことも大きかったです。

そういった思いをもって、大学に進学しました。大学では講義よりも、会計士の勉強を優先した大学生活でした。大学3年生の時に初めて受験し、その時は不合格だったのですが、翌年に無事合格することができました。

10月に合格発表があり、翌年1月下旬頃から確定申告のアルバイトで会計事務所に行きました。そこがとても良い事務所で、そのまま4月から就職することにしました。その事務所に9年間所属して、その後独立したという流れです。

9年間も務めて、なぜ独立しようと思ったのですか?

元々、自分で会社を興したいという気持ちがあって、会計士を目指したのですが、働き始めてからその思いは一切消えて、接しているお客様に喜んでいただくために仕事がしたい、という純粋な思いが出てきました。仕事が面白く、人の役に立つことにやりがいを感じていました。

その中で、自分のことだけでなく、組織としてのクオリティを追求したいという思いが出てきました。ところが、トライしたものの勤め先の事務所ではそれが実現できず、自分で組織を作るしかないという考えに至り、独立をすることにしました。
当初の目標であった、自分の会社を興したいとか、稼ぎたいとかそういうことではなくて、純粋にお客様のための仕事を追求するために独立をしたということです。

独立されてからはどうでしたか?

独立前に担当していたクライアントは、退職・独立することは伏せたまま全て次の担当者に引き継ぎをしましたので、顧問先0件からのスタートでした。HPや紹介会社などの紹介で、数件は顧問契約をいただけましたが、1年目は大変でした。

ただ、独立の際も打算的な行動ではなく、純粋にお客様のためということを考えてのことだったので、そこを見ていて評価してくださった方々がいました。そうした方々が助けてくださり、そこからご紹介をいただけるようになり、2年目以降は問題なく事務所運営ができるようになりました。

独立後も、利益を追求するというよりは、まずはお客様に喜んでいただくという考えがありました。そうすると、信頼を獲得し、お客様からご紹介をいただくということが増えていきました。そのように、だんだんと評判が広まっていったという感じでしょうか。

規模を大きくすることを目指していたのではないのですが、お客様のご要望にお応えしていたら、結果としてお客様の数が増えていきました。お客様に喜んでいただくためにサービスの向上や専門部署の整備を追求すると、ある程度の規模は必要だと感じています。そして、規模が大きくなる度に事務所移転や増床を行い、今が5つ目の事務所となります。

力を入れている取り組みはありますか?

職員がより力を発揮できる環境づくりや体制の整備に力を入れています。
オフィスはカフェスペースと機能的な執務スペースを組み合わせて、広々とした空間で快適に働けるように工夫を凝らしています。

座席もグループ単位で、週ごとにエリアを移動するフリーアドレスにしており、特定の人とコミュニケーションをとるのではなく、なるべく多くの人と接することができるようにしています。また、テレワークも自由にできます。

社内イベントにも力を入れていて、一番大きなイベントは所員旅行です。コロナ期間は難しかったのですが、それ以外は毎年海外に行っています。ただ観光するのではなく、アクティビティの充実した行き先を選ぶようにします。旅先の異国という非日常の中で思う存分リフレッシュしてもらっています。

もっとも、必ずしも誰もが旅行や集団行動が好きというわけではないので、完全希望性にして、行き先や日程を発表した上で参加・不参加を選択できるようにしています。ほかにも高級レストラン食事会や豪華景品争奪の忘年会など様々なイベントを行い、職員には概ね満足してもらっていると思います。

事務所の業務でいうと、うちは不動産オーナーが主要顧客の事務所です。個人の賃貸事業を法人化し、その不動産法人の顧問として定期訪問を行いながら相続対策を進めていく、というところが非常に得意であると自負しています。

不動産オーナー様とはかなり長いお付き合いができます。まず、オーナー様の確定申告をご依頼いただきます。この時に、見直し点をどんどん提案しています。ここから、法人化の提案や相続対策の提案へと繋がっていきます。法人の顧問契約後は、相続に向けた具体的な対策をとっていく必要があるので、3ヶ月に1回程度訪問してミーティングを行っています。一連のコンサルティング費用は特にいただかずに、通常の顧問料に込み込みと考えて行っています。

コンサルティング業務は別途報酬をいただくことが普通だと思います。ですが、うちはそうしていません。顧問先が必要としていることなのだから、顧問業務の中に含まれているという考え方です。そこを評価していただける方が多く、代替わり後も長く関係が続いていくお客様がほとんどです。

職員教育にも力を入れています。週一回、定期勉強会を行い、さらに月一回は相続勉強会や初心者向け相続勉強会を行っています。あとは何か伝えることがある場合は、その都度行っている感じです。
また、年1回は事務所から離れて外部の会議室を借り、1日研修を行っています。所得税の確定申告や年末調整・償却資産税等の前には3時間程度時間をとって全体研修を行い、業務の進め方や方針のすり合わせを行い、効率化、標準化を目指しています。レガシィさんの教材も研修で使わせていただいています。

これから取り組みたいことはありますか?

最近、自分自身が年をとってきたこともあり、事務所の承継について意識するようになりました。親族への承継は一切考えていませんので、備えをしておかないと急には誰も引き継げません。
ですので、これからは今まで以上に体制の整備や権限委譲を行い、事務所やお客様の拡大よりも、現状の良い点を維持しながら、変えていく点はより良く変えていき、職員が幸せになるための承継の準備を進めていくという方針です。

これから独立・開業する方に向けてメッセージをお願いします

「人を裏切らず、相手のために誠実に仕事をする」ということでしょうか。ご紹介していただいた方や、お客様、接した方を裏切らないということを常に心掛けて欲しいです。
お金儲けを重視する方もいます。奇麗ごとばかり言うなという方もいます。ただ、私は奇麗ごとを貫くことで、それを見ていてくれた方が応援してくださり、助けていただけました。お金ばかりを見ている人のところには、お金ばかりの人しか集まりません。誰が見ても応援してくれるような生き方をして欲しいなと思います。

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