お問い合わせ

お電話(平日9:00~17:30)

フリーダイヤルのアイコン 0120-00-8377 メールのアイコン メール

専門家インタビュー

「ほっとする税理士」— 個人や中小企業の身近な相談相手として歩む税理士の道

大学卒業後、専業主婦を経て税理士を志す。3か所の事務所での実務経験を積みつつ、税理士資格を取得。2024年に「ほっとサポート税理士事務所」を開業。これまでの経験を活かし、相続・不動産分野への対応力、外国人クライアント対応、丁寧なヒアリング力を強みとして、多様な顧客ニーズに応える。

高橋先生は、専業主婦からのスタートという異色の経歴を持ち、今では個人や中小企業の身近な相談相手として顧客から信頼を得ています。税理士を目指したきっかけから独立までの軌跡、そして今後の展望についてお話を伺いました。

税理士を目指したきっかけを教えてください

知人がバブル崩壊後の貸し剥がしにあったことがきっかけです。その知人は所有するビルの一部を事業に使っていました。銀行から借り入れをしていましたが、返済を一度も滞らせたことがないにもかかわらず、ある日突然「全額一気に返せ」と言われてしまったんです。

当時の私はまだ若くて詳しいことは分からなかったのですが、バブル崩壊で土地の担保価値が下がり、担保不足になったことが原因だったようです。その時に知人の顧問税理士さんが相談に乗ってくれて、先祖から受け継いだ土地を残すことができました。この出来事を通じて、中小企業が困った時に一番身近で最初に相談できる相手が税理士なんだと実感しました。

人生の転機を迎え、二人の子供を育てていくために仕事を探さなければいけなくなったタイミングで、自分がすごいなと思った税理士を目指してみようと思いました。10年間専業主婦をしていたので、全く右も左も分からない状態でした。当時はPDFも知らず、メールでお客様とやり取りをするということさえわからない状態から、会計事務所で働きながら資格取得を目指すという、本当に一からのスタートでした。
会計事務所に入った時は、並んでいる本の背表紙の意味が全く分からず、理解できる言葉が一つもないという状況でした。それでも、働きながら勉強を続けて、12年かけて税理士になることができました。

独立に至った経緯を教えてください

独立までに3か所の事務所を経験しました。最初の事務所は本当に忙しくて、深夜2時頃まで働くこともありました。土日は専門学校で勉強していましたが、忙しすぎて勉強時間の確保が困難でした。
6年半勤めた後、もう少し残業の少ないところに転職しました。次の事務所では国際税務に挑戦してみたいという憧れもありました。そこは2年ほど勤めましたが、早めに帰してくださる職場だったので、税法2科目に合格することができました。

ただ、その事務所の先生がIPOに力を入れる方向に転換され、税務の知識をあまり使わなくなってしまいました。私はやはり税務をやりたかったので、最後に資産税に強い事務所に転職しました。そこで相続税法に合格し、ようやく税理士になることができました。
最後の事務所で働き続けるという選択肢もあったのですが、体を壊してしまい、もう少し自分のペースで働きたいと思ったんです。最後の事務所は居心地がよく、一緒に働きたい人がたくさんいたので、また転職して誰かと一緒に働くよりも、自分でやってみようと決めたんです。
独立したのは2024年1月です。先輩方にサーバーや複合機など必要なものを教えていただいたり、事業計画を立てるための研修に参加したりしました。とにかくいろいろな人に相談して、アドバイスをもらいながら準備を進めました。

事務所名の「ほっとサポート税理士事務所」にはどのような思いが込められているのですか?

事務所名は、独立前にお客様に言われた中で一番嬉しかった言葉から名付けました。事業がうまくいかなくて悩んでいるお客様と面談した時に、「顔を見るだけでほっとする」と言っていただいたんです。この言葉がとても嬉しくて、お客様にほっとしてもらえるように、いろいろなことを話していただきたいし、それに対して自分ができることを全力でやりたいという思いを込めました。

税理士は中小企業の一番身近な相談相手だと思っています。税理士の範疇を超えることでも、司法書士や弁護士など、適切な専門家につなげることができます。誰に話していいか分からないような悩みでも、とりあえず聞いてつなげることができる存在でありたいと思っています。

独立してから大変だったこととしては、自分の名前でサインをする、自分の判断で申告をするということが恐怖でしたね。簡単な書類1枚出すのにも、何回も何回もチェックをして、それでも不安で夜眠れなくなることもありました。

事務所を軌道に乗せることができるかという不安もあり、「なんで独立しちゃったんだろう」と思うこともありました。でも、だんだんこの状態に慣れるしかないと開き直って、今ではそれほど気にならなくなりました。家族の支えのおかげとも感じています。子供は二人とも手が離れていたので、「好きにやったら」と言ってくれていますし、実際に手伝ってくれるわけではありませんが笑、きっと応援してくれているのだと思います。

現在、特に力を入れている分野はありますか?

特に分野を絞っているわけではありませんが、やはり話を丁寧に聞くことを大切にしています。直近まで不動産に強い事務所にいた経験から、不動産の知識が他の人より豊富だという部分に気づきました。いろいろな人と関わる中で、「不動産について一番詳しい税理士さんですね」と言われることがあるので、この部分は強みなのかもしれません。この知識をさらに深めていきたいと思っています。

意外と外国人のお客様が多いのも特徴です。皆さん日本語を話せる方で、特に外国の方を募集しているわけではないのですが、紹介などで繋がっています。もともとの事務所から引き継いだお客様もいますし、独立後に出会った方がたまたま中国の方だったということもあります。お客さんとしては、地主さんも多いですね。

また、東京と神奈川の青税に所属していて、それぞれで役職もさせていただきました。東京では経理部長を経験し、神奈川でも広報部長や厚生部長をやっていました。厚生部では、バス旅行などの厚生行事を企画したりしていました。こうした活動を通じて仲間が増えるのは大きなメリットです。困った時に相談できる税理士の知り合いがたくさんできました。

今後の展望を教えてください

お客様が安心して悩みを打ち明けられる、身近な相談相手でありたいと考えています。特に相続対策については、前職で培った経験を活かし、積極的にサポートしていきたいと思っています。「誰に相談したらいいか分からない」と感じている方にも、「この人になら話せる」と思っていただけるような存在を目指し、その期待に応え続けられるよう、今後も学びを重ねていきます。

独立して実感しているのは、「お客様が私自身を信頼して、直接仕事を任せてくださる」ということの喜びです。誰かの看板ではなく、自分の名前で選んでもらえることは本当に嬉しいですし、その分責任の重さも感じますが、それも含めて税理士という仕事のやりがいだと感じています。お客様の声に丁寧に耳を傾け、期待に応え続けられるよう、これからも誠実に歩んでいきたいと思います!

single_banner