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専門家インタビュー

馬の町「新冠町」出身税理士の競走馬事業特化の会計事務所

1984年1月 北海道日高 新冠町生まれ
2002年3月 北嶺中・高等学校 卒業
2006年3月 慶應義塾大学 商学部 卒業
2006年9月 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(現PwC税理士法人)入所
2012年4月 税理士登録
2013年1月 米国PwC Cincinnati事務所に赴任(2014年よりTax Manager) 主に米国個人所得税業務に関与
2015年12月 日本に帰国後、日系及び外資系企業に対する国際税務、企業組織再編、税務デューディリジェンス業務及び確定申告業務に関与
2019年9月 PwC税理士法人を退職
2019年10月 榊税務会計コンサルティング事務所及び合同会社チェスター 開業

競走馬の一大生産拠点「日高」の新冠町出身の榊先生は、競走馬の世界、そして日高の町に対する熱い情熱をお持ちの先生でした。先生の会計人としてのルーツ、競走馬事業特化の会計事務所の取組をお伺いしました。

税理士を目指したきっかけを教えてください

僕は北海道の日高振興局管内に位置する新冠町という小さい町の出身です。そこで祖父の代から競走馬の生産牧場をやっていました。僕は長男なので、幼少期から家業を継ぎたいなと思っていました。

父は獣医でしたが、祖父から牧場の経営を引き継いでいました。父とは別の方向から家業を支えるために税理士を目指しました。父は経営の知識があまりなく、お金や税金については顧問税理士の先生に任せきりだったということもありました。

大学2年生で勉強を始め、26歳の時に合格しました。大学卒業後は税理士法人PWCに就職して働きながら勉強していました。税理士として働くようになると、自分の知識がお客さんの役に立つというのが実感できて、すごく嬉しかったです。

開業に至るまでのお話を教えてください

PWCでの在籍年数が延びてくる中で、海外赴任という選択肢が出てきました。父とも相談し、2013年から2015年までの3年間、アメリカのケンタッキー州に赴任しました。ケンタッキー州は、僕の生まれた日高の町と姉妹都市で世界的にも有名な競走馬の生産地です。実はケンタッキーへの研修はずっと行きたいと思っていたので本当に運がよかったです。

僕が赴任してたのが、事務所でいうとオハイオ州にあるシンシナティという町でした。日本車の製造拠点があり、日系の企業がたくさん進出している地域です。そこで駐在員の方々の確定申告書を作ったり、現地法人のコンサルティングをやったりしていました。土日になると競走馬の生産をしている牧場に行ったりして、馬のことを勉強していました。やりたいことをやらせてもらって、本当に幸運でした。

2016年に東京に戻ってきて、4年弱ぐらい勤務した後、独立しました。この4年の間で、残念ながら実家の家業は廃業することになりました。家業を継ぐという夢が断たれてしまい、今後どうするかということを真剣に考えるようになりました。

本当にやりたいのが何かということを考えた時に、「馬の世界に育ててもらったという思い」や「自分の故郷である日高への思い入れ」を実感しました。自分の町が中心になって興している産業を盛り上げていきたいという思いがあったのです。

「では、何ができるか」ということを考えた時に、資格を最大限に活かして、競馬の世界のために動くことのできる税理士としてやっていきたいと考え、自分の事務所を開業しました。

開業後について教えてください

新冠町は競走馬の生産地ということもあり、知り合いや同級生は基本的に「馬」関係なんです。牧場の経営者や調教師などですね。そういう面々が色々と相談をしてくれる関係性がもともとありましたので、彼らの悩みごとの対応などをしているうちに、紹介の形でつながりが広がり、お客様も増えていきました。

また、僕自身は東京におりますので、東京の競馬関係者からの相談も結構ありました。JRAでいうと、茨城県には美浦トレーニングセンターがあり、たくさんの調教師が所属しています。また、茨城や千葉には競走馬の生産牧場がいくつもあります。そういったお客様からもお声がけいただきました。

事務所の強みと特徴を教えてください

やはり、競馬の生産地で生まれ、業界についての知識やなじみがあるという自分のあり方が強みだと思います。
競馬の生産牧場などは一般の事業会社とは全く違う世界です。慣習も違いますし、競馬の全体の分かっていないいないと実務もアドバイスも不可能です。私はそこに対応できたので、多くの経験を積むことができました。独自の業界ですので、実務経験や案件数が多いということ自体が「強み」になっていると思います。

これから取り組みたいことを教えてください

僕自身もゆくゆくはJRAの馬主の資格を取って、僕が育った日高の馬を買って、競馬の世界や日高の町に自分が得たものを還元していきたいという思いがあります。

馬主になるには、やはり資金力が必要ですので、所得などさまざまな要件があります。中央競馬の資格はハードルが高いのですが、将来の目標として頑張っているところです。

あとは少しでも業界自体を盛り上げていきたいので、自分だからできる情報発信ができればと思っています。例えば、競馬関係の税務調査の話など、僕ならではの切り口で、多くの方々に競馬の世界やそこで生きている方々のことを知っていただければと思っています。

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