大学卒業後、ワーキングホリデーでトロントに1年間滞在。長野での事務所勤務を経て、東京の税理士法人にて国際税務を中心に従事。2024年2月に開業し、国際税務や英語対応を強みとしてお客さんの課題解決に努めている。
長野や東京の事務所勤務を経て2024年に開業した上原先生に、開業したきっかけや力を入れている取り組みなどをお伺いしました。
大学卒業後、英語をもっと使いたいという気持ちから、ワーキングホリデーでトロントに1年間滞在しました。高校時代から英語に興味があり、大学受験でも勉強していたので、英語を活かして世界中の人々と出会いたいと思ったのです。留学は経済的に難しかったので、働きながら学べるワーキングホリデーを選びました。日本に戻ってきてから職探しをしたのですが、英語だけで仕事を見つけるのは難しいと感じ、専門知識を身につけることを決意し、そこで税理士を目指し始めたんです。
簿記3級から勉強を始め、25歳で会計事務所に入った時には、全く新しい世界に足を踏み入れた感覚でした。仕事そのものが面白く、税理士としてのキャリアを続けたいと強く思いましたね。税理士の勉強を進める中では、特に国際税務という分野に興味を持ち、それが今でも続いている感じです。
まず25歳の時に地元長野の個人事務所に就職しました。そこでの仕事を通じて税務の基礎を学び、税理士試験の勉強を始めました。この事務所では5年間、実務経験を積みました。30歳の頃、さらなる成長を求めて長野の税理士法人に転職しまして、ここでは3年間、より高度な税務知識と実務経験を積むことができました。
税理士試験も順調に進み、合格が見えてきた頃、国際税務に対する興味が一層強まり、この分野でキャリアを築きたいという思いから、東京の税理士法人への転職を決意しました。当時、上の子は2歳、下の子はまだ0歳でしたが、妻の理解と協力を得て、家族全員で新しい生活をスタートさせました。そこでは、国際税務の専門知識を深めるとともに、多様なクライアントと接する機会に恵まれました。ここでの経験で国際的な視点から税務を考える力が養われた気がしますね。
その後、大手の税理士法人に転職し、M&Aやアドバイザリー業務を担当しましたが、そこはなかなか馴染めず体調を崩してしまい、2か月半で退職しました。この経験をきっかけに、39歳で独立を決意しました。40歳を目前にして、「一度きりの人生だから、独立してやってみたい」と思い切ったのです。
長野では、税理士の数が少なく、独立はギャンブルのようなイメージがありましたが、東京に出てきてからは、多くの同僚が独立しているのを見て、「一人税理士」という働き方に興味を持ちました。独立の準備中は、新聞や独立に関する本を読み、少しお金を貯めるくらいで準備は万全ではありませんでしたが、勢いで独立に踏み切りました。独立する際、妻からは本当に大丈夫なの?と初めは言われましたが、今では妻も応援してくれています。
まずはSEO対策の一環として、ブログを頻繁に更新し、検索結果で上位に表示されるよう努めています。ブログを続けることで、自分のホームページが検索結果の上位に表示されることが確認でき、効果を実感しています。ウェブマーケティングの勉強は本を読んだり、友人や専門家のアドバイスを取り入れたりしながら、試行錯誤を繰り返しています。
また、英語対応のPRのため、ブログに国際税務に関する記事を英語で書くこともあります。そのおかげか英語での問い合わせもいただくことがあって、特に税金の申告が必要な外国人の方々のサポートに注力しています。さらにそういったお客様からの実際の問い合わせをもとに、事例を紹介し、同じような悩みを持つ方々の参考になるよう心掛けています。
現状の課題としては、集客ですね。ホームページからの問い合わせは少しずつ増えているものの、急激な増加はまだありません。集客を増やすため、先ほど話したようなSEO対策やブログの更新を継続し、ニーズのあるところにアプローチする方法を模索しています。また、独立して一人で仕事をしていると、日中に話す相手がいないことが意外と寂しいと感じることもちょっとした課題ですね笑。今後は2人、3人と増やしていきたいと考えています。
独立して1年弱ですが、独立して本当に良かったと思っています。自分で全てを決められる自由は、組織に属している時には味わえない楽しさがあります。もちろん責任も伴いますが、誰かの許可を取る必要がなく、思いついたことをすぐに実行できるのは大きなメリットです。この自由な感覚は一度味わうと病みつきになります。
また、独立には不安もありますが、やってみないと分からないことが多いです。失敗することもありますが、その分成功した時の達成感は格別です。独立を考えているなら、思い切ってチャレンジしてみることをお勧めします。自分の道を切り開く楽しさをぜひ体験してみてください!