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専門家インタビュー

税務ライターとしてむずかしい税務をわかりやすく広める

税理士・税務ライター。2012年税理士登録。当初、税理士顧問業を中心としていたが、税金の正しい知識を広めるべく、2014年頃からWEBを中心に記事執筆・税務監修を開始。「むずかしい税務を楽しく、わかりやすく」がモットー。

2014年頃から税務に関する記事執筆や税務監修をしている鈴木先生。税理士になったきっかけや力を入れていることなどをお伺いしました。

税理士を目指したきっかけを教えてください

大学卒業後、就職したのは大手ディスカウントストアです。配属先は販売。仕入れも販売も値付けもすべて自分でやるスタイルでした。そういうのが合う人はどんどん伸びるんですけど、私は合わなくて。上司に相談したら、経理に異動になりました。異動後、店舗の帳簿を見て、借方貸方とかに興味を持ち、独学で簿記の勉強を開始。もっと勉強したくなり、転職して会計事務所で働き始めました。そこで税理士の所長の仕事ぶりを見て「おもしろそう」と感じたのが税理士を目指したきっかけです。
 
その後、結婚や妊娠、出産をしても勉強を続け、2人目がお腹にいるときに5科目合格しました。官報に到達できたのは、夫が協力的だったおかげです。試験直前で学校に通っている間、子供の面倒を見てくれたり。非常に助かりました。
 
合格しても出産や育児が大変だったので、2年ほど専業主婦状態でした。そんなある日、行政書士の夫から「お客さんを繋ぎとめたいから顧問をしてほしい」と言われまして。拒否するわけにもいかず、税理士登録をしました。お客さんを次々と紹介してもらえたのはありがたかったのですが、全員外国人。日本と生活習慣や考え方が違うので、戸惑う場面がたくさんありました。
 

ライターの仕事をされていると聞きました

ライターの仕事を始めたのは10年ぐらい前です。もともと文章を書くのが好きでお小遣い稼ぎのような感覚でした。はじめは「引越し」とか税務とは関係ない記事を書いていましたね。ただ、プロフィールに税理士と入れたら「税理士さんだったらこういう記事書けますか」というお問合せが相次ぐようになり、徐々に税務記事の執筆が増えました。大きな会社さんからご依頼いただいて嬉しかった反面、「安い単価で書いてほしい」「『税理士』の肩書を使わせてほしい」とかもありました。中にはあやしいサイトを紹介されて「ここに書いてほしい」と言われることもあって。変な依頼を防ぐべく、数年前から適正な単価を設定してお仕事を受けるようにしました。
 
税務記事書くのは大変です。一番労力がかかるのは「下調べ」。ここに8割の時間を費やしています。「税理士」という肩書を出している以上、いい加減な記事を書けないからです。以前は国税庁のウェブサイトやQ&Aを頼りにしていましたが、これだと少々不安。最近は、根拠条文を当たるようにしています。行政法令の条文は解釈の余地を許さないようにできているからです。
 
このほか、読者が「わかりやすい!」と感じるための工夫を意識しています。最近、自作の挿絵や4コマ漫画を入れるようにしていますが、それもこういった工夫の1つです。「文章だけ書いていると飽きてしまう」というのもあります(笑)。
 
文章の書き方は、発注元の編集者に教えてもらいました。レギュレーション(記事執筆時のルール)やWEB記事を読ませるコツなど…すごく感謝しています。おかげさまで、現在、仕事の9割ほどが執筆業です。
実は私、税理士業があまり合わないみたいなんです。1対1の状況が得意ではなくて。人間関係も広げようとは思っていない。限られた取引先とビジネスライクにつきあえるライター業が性に合っているなぁとつくづく感じます。
 
最近、仕事部屋を借りました。元々、自分のタイミングでできる仕事ですが、1人でこもれる場所を得て、より集中しやすくなりました。むずかしいけれどおもしろい「税務」と得意の「ライティング」で仕事ができて幸せです。こういった仕事を支えてくれる家族にも感謝しています。
 

これからやりたいことを教えてください

災害時の税務の本を出したいなと思っています。日本は災害大国で決して他人事ではないのですが、災害時の税務の本はほとんどありません。現在、コツコツ資料を集めていますが、全税目を集めるのが大変。検索かければ見つかるものでもないんですよね。
 
先日ある出版社さんに相談してみましたが「税制改正がすぐに入ってしまいませんか」とあまり乗り気ではなかった様子。残念だなと感じましたが「いざというときの頼りになるはず」と私は確信しています。なので、何らかの形で実現していくつもりです。
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