理士・行政書士。平成8年関西学院大学経済学部卒業。現在、税理士法人FP総合研究所代表理事・税理士として、資産家を中心に相続や資産対策のコンサルティングを行う一方、不動産・住宅・金融関係のセミナー講師や相談会の相談員として活動中
今回、お話をお伺いしたのは、大阪府大阪市の税理士法人FP総合研究所の代表社員・税理士の松原健司先生です。100名を超える大型事務所の取り組みや職員研修制度についてお話をお伺いいたしました。
将来はコンサルティング業のようなお客さまの相談に乗れる仕事がしたいと思っていました。色々な資格があるなかでお客さまとの接点が一番多い税理士を目指そうと思い、大学入学後には資格の学校にも通いはじめました。
また、在学中も会計事務所でアルバイトをしながら経験を積みました。大学卒業後の試験結果発表の時期に山本和義税理士事務所(現、税理士法人FP総合研究所)の面接を受けました。
そうです。その当時から比較的大きな事務所で相続に特化していると私の地元でも有名でした。資産税に興味がありましたので面接を受けに行った記憶があります。
税理士は先生と呼ばれ、つい自分が偉くなったような気になってしまいがちですが、私たちはお客さまから報酬を頂戴しているという立場を忘れず、お客さまが何を望んでいるかを考えて行動すること、つまりは税理士業はサービス業であるという考え方が大切であると学びました。多くのことを学ばせていただきましたが、こういったと ころが一番勉強になりました。
私はこの考えを今も大事にしており、新しく入社した若手社員にも伝えています。
この考え方を事務所の経営計画の一番に置いており、皆に徹底させています。
どうしても税理士は「先生」と呼ばれるので勘違いしやすいというのも事実だと思います。しかし、あくまで我々はサービス業であるため、立場を勘違いせずにきっちりとお客さま対応していこうと私も指示をしています。
ただ、山本先生のそういった背中を見て育った今の上の世代がいますから、それを見た若手社員達も自然とそのような考え方になっているように思います。DNA的なものとして根付いていると思います。
今の話の続きですと、東京事務所を立ち上げた時の思い出があります。大阪を拠点に活動をしてきましたが、この「税理士はサービス業である」というスタンスのやり方が東京でも通用するのかなと心配していました。結果としてはこの教え通り東京でも通用したので良かったと思っています。
FP総合研究所は、資産税部、医業部、法人部の3部門体制となっています。
人数的に一番多いので資産税部のお話をさせていただくと、相続は頻繁にある仕事ではなく、またいつ発生するのか分かりません。安定した収入にはなりにくいため、安定的にご紹介いただけるルート作りが非常に重要です。そのため、ご紹介してくださる金融機関や建設関係の方の我々への評価を高めていかないといけないと思っています。
現場での研修として資産税は全体会議ですべての事案を共有するようにしています。資産税の案件は世の中にたくさんあるわけではありません。そのため申告するまでに2回、事案の内容を共有し、問題点、疑問点について確認しながら申告書を仕上げいます。こうすることで、特に若手社員も多くの案件に触れる機会ができますので、このような機会を通して知識を身につけてもらいたいと考えています。
また、定期的な研修も設けていて、私が直接講師をしたり、その分野に詳しい外部の先生に講演していただいたりしています。山本先生にも講師をお願いしていまして、新入社員研修や資産税研修などで仕事の取り組み方等をお話いただき、創業者として会社のDNAを注入してもらっています。
また社内用のウェブがありましてそこで速報的な情報や気を付けなければいけない情報を毎日更新して共有しています。
税理士法人FP総合研究所は資産税に特化してきました。資産税に強いというイメージがあり、それはそれで有難いのですが、現在は3部門体制で、医業部、法人部も頑張っています。我々の特徴は専門特化しているところです。税の世界は奥深いのである程度絞っていかないと専門的な知識が身につかないと思っています。そのため3部門でそれぞれに特化してその分野を掘り下げるという作業をしながらお客さまに付加価値の高いサービスを提供していきたいと思います。資産税部も大きくしていきますが、医業部、法人部も含め総合的な事務所チェーンとして発展していきたいと思います。