中国税理士会に所属し、税理士および行政書士として活動。また、彼の事務所はTKC全国会の会員であり、クライアントの経営支援にも力を入れている。
今回、お話をお伺いしたのは、岡山県新見市でご活躍されている西村先生です。資産税を得意とする元国税職員の先生ですが、お客さま支援のため法人事業・個人事業・社会福祉法人実務まで習得、専門業務・通常業務両方に精通されています。そんな先生の事務所運営についてお聴きしました。
私は元国税職員です。国税時代は、管理徴収の仕事から始まり、キャリアの後半では、相続税、贈与税、譲渡所得税のいわゆる資産税の調査指導を行っていました。
特に路線価については、実際に路線価を作り、7月の発表時に報道の方々にレクチャーを行うというようなこともしておりました。
また、譲渡所得税の調査では、バブル期には不動産の売買でお金の流れを追うという調査も少なくなく、お金の流れを細かく調べて事実を確定していくというのは、現在の資産税業務にもつながっているように思います。
退官後、税理士として開業したのが2009(平成21)年です。私の開業した地域は、相続税申告の対象が多いエリアではないため、資産税だけではなく、法人事業、個人事業の税務会計の実務も習得する必要がありました。
そこで、TKC全国会に入会し、関西学院大学で会計学を学ぶというプログラムに2年間参加しました。
TKCは顧問先の⾃計化を進め、会社側で処理していただいたものを、税理士が監査するというやり方です。
大学のプログラムで修得した実務知識とTKCのソフトを使ってお客様にサービス・指導を提供しています。
経営理念として、
1. 「⾃利利他」の理念と実践
2. 社会と調和しながら未来を創っていくこと。
3. すべての人のために存在すること。
の3点を掲げています。
税務会計を中心に事業経営のお手伝いをさせていただきながら、お客様と共に成長していきたいと思っています。
TKCの方針でもあるのですが、単なる記帳代行にとどまらず、総合的な⽀援を行うようにしています。具体的には、経営の助言や保険のアドバイスなど、経営者の希望にこたえるためのサービスを心掛けています。
また、私の事務所では実務に携わる人間は私一人です。いわゆる「一人税理士事務所」とほぼ同じです。今のところ、人を増やすつもりはありません。
こなせる件数は限られているからこそ、⾃分の経験を生かしたきめ細かい対応を心掛けています。
特に資産税については得意分野ということもあり、積極的に業務を行っています。
土地評価の現地調査における評価減の確認やお金の流れを確認しての相続財産の判定等を行い、納税者の適正な申告をサポートしています。
預金のお金の流れや保険返戻金など、納税者が税務調査のリスクをなかなか理解しにくい場面があります。
そういった際にも、元調査官という経歴から、実際どのような場合に調査が行われ、否認されるとどうなってしまうのかというリスクを丁寧に説明することができますので、納税者の方が、納得できる形で、最良の対応になるように心掛けています。
開業後に、新設の社会福祉法人から監事への就任を頼まれるということがありました。社会福祉法人は専門外の分野でしたが、社会福祉法人会計を一から紐解いて学び、監査事務を行ってまいりました。知識のないところから、このような形で実務経験を積むことができ、非常に幸運なことでした。
現在はTKC全国会 社会福祉法人経営研究会の会員として、社会福祉法人の健全経営を積極的に⽀援しています。
資産税は得意分野ではありますが、国税時代から時間が経過しているということもあり、レガシィの「実務マニュアル」を活用し、最新の情報へのアップデートを行っています。他の先生方の考えや実務の方法論が学べて非常に参考になってます。
資産税の商品を中心に利用していますが、特殊な実務がある顧問先の対応法を学ぶのに便利なので、農業法人の顧問先への対応などでも利用しています。
現在、コロナウイルスの影響で融資関係がひっ迫しています。経営助言に力を入れて、現在の関与先に対して、きめ細かい対応をしていきたいです。