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専門家インタビュー

今、夢中なのは「AI」開発|大家さん税理士の最新の取組とは?

大学在学中に司法書士試験に合格。卒業後総合商社に入社。
法務部として契約管理、担保管理、債権回収などを担当。退職後、税理士試験に合格。
実家の賃貸経営(アパート5棟/全86室)が危機的状況であることが発覚し、立て直すために経営を引き継ぐ。節税、法人化、管理会社の変更などにより黒字化に成功。資産税専門の税理士法人に勤務後、2011年に税理士・司法書士 渡邊浩滋総合事務所を設立。2018年に大家さん専門税理士の全国ネットワーク「Knees bee(ニーズビー)」を設立。

大家さん税理士として、全国の大家さんをサポートし、最近ではYouTubeでもご活躍の渡邊 浩滋。レガシィの動画・音声講演でもお世話になっているのですが、今回は先生の大家さん税理士としての出発点、そして現在、力を入れていらっしゃる「AI開発」についてお伺いいたしました。

税理士を目指したきっかけを教えてください

実は最初になったのは司法書士なんです。法律に興味があったので大学は法学部に進学しました。法学部に入ったので何か資格を取りたいという時に、本屋さんで司法書士の資格の本位で会いました。「弁護士はトラブルがあった後に解決するけれど、司法書士はトラブルになる前に解決する町の法律家です」という言葉に惹かれ、困ってる人を助けられる司法書士を目指すことにしました。大学2年生の頃から専門学校を通って勉強を始め、在学中には合することができました。
 ただ、一度は社会を見てみたいという思いから、そのまま司法書士になるということはせず、商社に就職し法務部に配属されました。
もともと、色々経験して他の司法書士にはない経験を積んでから、退職、独立ということを考えていたのですが、この社会人生活の中で税金っていうものを知ったわけですね。知ったというか、何をするにも全部税金が絡んでくるな、税金のことを分かってないと、何もビジネスができないんだなっていうことを痛感しました。
その時に、法務部なので弁護士色々やり取りをするんですけど、彼らが税金について弱いということを目の当たりにしました。当時ちょうどロースクールの制度が始まった年でした。ロースクールに行って法律を極めるより、税理士という分野で法律も分かりながらという方が弁護士に負けない存在に何か負けないんじゃないかとこの時思ってしまったんですね。
そういうわけで税理士を目指すことになり、退職して、大原専門学校に通い、3年半かけて税理士の資格を取得しました。。

大家さん専門税理士になったきっかけを教えてください

 実家は賃貸経営をやっていて、私は基本関わっていなかったのですが、ちょうど税理士の資格に合格して大原で講師をしていた時期に、親からの固定資産税が払えなくて差し押さえ通知が来た連絡が来ました。慌てて、帳簿や決算書を見るとお金がほとんど溜まっておらず、これはまずいなっていうことで、私が賃貸経営を引き継ぐことになりました。引き継いだときは危機的状況でした。賃貸経営の経験はなかったのですが、状況が悪かったので必死に勉強しました。空き室が凄い多く、自作のチラシを持って近所の不動産屋さんに飛び込み営業もしました。これがうまくいきました。その時に担当者が「あっ、こんないい物件あったんですね」って言ったんです。その時に、物件が悪いんじゃなくて、ただただ知られてなかったんだっていうことが分かったんです。
 営業を積極的に行うのと同時に無駄な支出も減らしました。両親は経費という概念がなく、収支後に残ったお金は全部使っていいと思ってたんですね。それではお金がたまらなくて当然です。
何度も説明しましたが理解してもらえず、見かねて事業計画書を作りました。家賃収入と出ていくお金、そしてお金がいくら残るのかっていうのを将来に向けて作ったんです。今まで理解しなかった父親が、見た瞬間に赤字なのが分かって、くしゃくしゃに丸めちゃったんですよ。それでようやく「数字でちゃんと出してあげるってことが大事なんだな」ということに気付いたんですね。
 営業の労力を惜しまないことと、コスト削減に努めること、数字に落とし込んで説明すること。今、大家さんにアドバイスする時に大切にしていることはほとんどこの時の経験がもとになっています。
 両親から不動産賃貸の経営を引き継ぐまでは、不動産賃貸業っていうのは裕福なのだと思ってました。自分は裕福な家庭だと思ってたんですよ。でも、それが幻想であって、世間が思っているほどお金が残るような事業じゃないということを痛感させられたわけです。
 この経験から、ちゃんとこのことを伝えてちゃんとお金が残るようなものにしてあげないといけないんじゃないかみたいな使命感を感じて、大家さん専門になることを決意しました。
 大家さん専門税理士を目指すとしても、まず全然経験なかったので、不動産専門の税理士事務所に入り必要なノウハウを身に着けました。いずれ独立するという考えがありましたので、その日のためにも大家さんを対象にしたセミナーやイベントを数多く行ってました。
 こうした準備期間を得て、無事開業したという形です。

力を入れている取り組みを教えてください

 力を入れているのは事業計画を必ず出すっていうところです。確定申告だけじゃなくて、事業計画と将来お金の予定表みたいなものを出して、今後どうなっていくのか、このままで大丈夫なのかっていうところをちゃんと示します。もし、ちょっと危ないなというのであれば、対策をアドバイスをしていくっていうところに一番力を入れてます。
 最初は私が作った事業計画書をもとに、システム会社に依頼して、システムを作ってもらっていたのですが、逆にシステム作りが面白くなってしまい、実は今、一番力を入れてるのはシステム、もっというとAIです。
 通常のChatCPTでは物足りなく色々カスタマイズして、AIソフトを開発しています。
 まず作ったのが「AI大家税理士レンくん」というものです。これは、私が今まで書きためてきた書籍のあらゆる原稿をラーニングさせたものです。質問をすると、私の過去の原稿から回答してきます。
 次に決算書を読み込ませると、自動的に財務分析をして、さまざまなスコアリングをしてアドバイスをしてくれる「AI財務分析アナちゃん」があります。よくあるツールと違い、アナちゃんが膨大なラーニング情報からレポートを作ってくれます。当然質問も可能です。
 他にもAI同士が税務調査シミュレーションをするというようなソフトもあります。
 社内に1名エンジニアがおりますので、彼と私でさまざまな開発をしています。
現在は「俺のAI」という名前で、自分たちでChatCPT のカスタマイズができる仕組みを作ってます。

これからについて教えてください

上述の税理士向け・大家さん向けのAIを開発して育てていくということにまい進できればと考えています。AIと共存できる税理士事務所っていうものを目指しています。

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