大分市に生まれる
私立岩田高等学校卒業
慶應義塾大学法学部法律学科卒業
神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻修了
司法研修所入所
弁護士登録
東京都港区所在の法律事務所に入所
大分みんなの法律事務所を開設し代表弁護に就任
今回、お話をお伺いしたのは、弁護士法人大分みんなの法律事務所の代表弁護士の倉橋芳英先生です。印象に残っている案件、レガシィの動画・音声セミナーの活用法、今後取り組んでいきたいことについて、お聞きしました。
大学2年生の時に、友人から司法試験の勉強を一緒にしようと誘われたのがきっかけです。勉強をし始めてみたら意外と面白くて、法曹の仕事に徐々に興味を持ちました。また、どこかの組織に属するのではなく、個人の力量と努力で仕事をしていくといった部分にも惹かれていきました。
事務所の開業当初から、被害者側の交通事故分野や地元の中小企業の顧問サービスに注力しています。また、3年ほど前からは、病院・クリニック向け法務サービス・顧問サービスにも積極的に取り組んでいます。これに加えて、交通事故と親和性のある労災分野や、インターネット分野にも注力していこうと今、準備しています。
高裁までいった、ある交通事故訴訟が一番印象に残っています。生まれつき全盲の方が、高校2年生の時に交通事故に遭ってしまい、後遺障害1級という一番重たい障害が残ってしまったという事例です。訴訟では、「障害者の基礎収入をどう算定するか」が争点になりました。もともと目が見えなかったので、障害者の平均収入で計算すべきだというのが保険会社側の主張。一方で、私たちは、被害者の方の努力・資質・実績から健常者と同じだけの収入が得られたはずだ、と主張しました。結論は、健常者の8割の基礎収入が認められました。今までに比べると一歩前進した裁判例ではあったのですが、健常者の10割を目指していたので、障害を持っていない人と同じよう に扱われるまでの壁は、まだまだ厚いと感じました。現在、同様の裁判が、大阪地裁で続いています。聴覚障害を持っていた子が亡くなってしまった事故で、ここでも障害者の基礎収入の算定方法が問われています。裁判の結果がどうなるか、見守っています。
レガシィのセミナーを利用しています。車での移動中にDVDやストリーミングで聴いています。書籍だと、どこが重要なのかのメリハリが分かりにくく、1冊読み切るのも大変です。しかも法律の書籍ですからね。その点、セミナーは、大事なところを1時間や2時間でまとめてくれているので、とても効率がいいです。セミナーでしか得られない情報やコツもあります。
私が好きなのは向井蘭先生のセミナーですね。聞いてて役に立つだけでなく、面白い。顧問先から解雇などの労務相談が多いということもあって、向井先生のDVDはほとんど買っています。平岡将人先生のセミナーも、交通事故事件をよく取り扱う弁護士としては、物凄く役に立ちます。あとは、本橋美智子先生の「実録 勝訴のための不貞証拠収集・慰謝料請求 全2巻」、佐藤久文先生の「裁判官の心証を有利に導く民事訴訟技術 全2巻」も良かったです。経営のテーマでいうと、菰田泰隆先生。「Web裁判にも対応! 法律事務所のペーパーレス・テレワーク運用法」など、今までにない発想のやり方を菰田先生はされているので、刺激になりますね。
弁護士の仕事は、マイナスをゼロにするということが基本です。こういった話は、経営者の方々が関心のある儲かる話ではありません。そこで、マイナスをゼロにするだけではない価値を提供することで、経営者の方々に、この弁護士とつながっていると得をする、そう思ってもらえるような仕組みを考えています。他士業の先生方とのネットワークを構築し、このネットワークを活かして、経営者の方々への情報提供の場を作っていきたいと考えています。
「組織を最適化する」ことに、これから1、2年で取り組んでいきたいと考えています。昨年の秋からフレックスタイム制を導入したのですが、効果がありました。ワークライフバランスが上がり、かつ仕事の生産性も上がりました。これは良かったと思っています。また、同じ仕事をしていても、一番上手いやり方をしている人が必ずいます。この一番上手いやり方をみんなで情報共有していき、やらなくていい仕事は思い切って中止する。といった、日々の具体的な業務を最適化する取り組みをし始めています。これにより、業務の質を向上させるともに、事務所メンバーの物心両面の幸せを実現したいです。