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専門家インタビュー

ボーダーを超える! 枠組みに縛られない企業サポートとは?!

1995年大阪市立大学経済学部卒業。
ASG監査法人(現太陽有限責任監査法人)にて法定監査業務に従事した後、PwC税理士法人にて国内・国際税務コンサルティング業務に従事。同法人在籍中に、インド・デリーNCRに駐在(2008年10月から2011年10月)。その後、株式会社LIXILにて税務部責任者として企業内から税務業務に従事し、現在に至る。

AsiaWise会計事務所の高野先生は「ボーダーを超える」をキーワードに、国際税務をベースにした様々な取組みをしている先生です。今回はその高野先生の出発点である「会計士事務所を目指したきっかけ」「インドでの海外赴任」についてお伺いしました。

会計士を目指したきっかけ、国際税務の経験などについて教えてください

 私は、就職時期がバブルがはじけた後でしたので、非常に状況が厳しく、少しでも有利にするために資格を目指したというのが最初です。会計士の勉強を始めたのはいいものの、すぐに試験合格とはいきませんでした。それでも何とか、無事合格しました。
 一番最初は小規模の監査法人に就職しました。そこで、5年ほど、監査業務を中心にやらせてもらいました。小規模のところだったので、上場会社、学校法人、社会福祉法人などの監査のお手伝いやM&Aのファイナンシャルデューデリジェンスなど、いろんなことやらせてもらいました。
 もともとは経験を積んで独立というプランを持っていたのですが、独立に先立って税務実務の経験を積みたいと考えました。折しも、税理士法人が制度として法整備され、大手の事務所の税理士法人化が進んでいた時期でした。そこで、せっかくだからそういう税理士法人に行ってみようと思い、税理士法人PwCに入社することになりました。
 1、2年在籍して、申告書の書き方を覚えたらすぐ辞めようと思っていたのですが、自分の今までやってきた、経理・会計・監査とは全く違う知識と経験が必要な税務の世界に戸惑うことばかりでした。それでも何とか食らいついて、申告者なんかは問題なく作れるようになりました。ものすごい数、書かされましたから。
 これが2000年代初頭頃の話なのですが、この頃、移転価格税制の調査が爆発的に増加した時期でした。移転価格税制の理解には会計知識も必要な部分があり、私もお手伝いする機会が数多くあったのですが、その過程で国際税務に興味を持つようになりました。
 税理士法人で税務の経験を積んだら、今度こそ独立と考えていたのですが、国際税務への興味からここでも、独立せずに残るという選択をしました 。
 国際税務をしっかりやるんだったら海外に出てみたいという思いがあり、PwCに掛け合ったところ、希望していた欧米は人気が高く難しく、中国などのアジアであればすぐに行けるという話でした。
 当時はPWCからはインドへは誰も行ってなかったこともありインドに行かせてくださいと言ったら、あっという間に話が決まり、インドで働くことになりました。 当時は、経済も悪化し、テロで社会情勢も悪いし、すぐに帰らされるのかなと思ってたんですけど、なんとか耐えているうちに立ち回り方も分かってきて、無事3年間過ごせました。

インドでの業務内容をおしえてください

 インドの税務申告などの制度については、日本と異なるところも多く、これらの内容を日本の制度と比較しつつ、現地の駐在員に説明、解説すること多かったです。また、インドでは税務をめぐって様々な訴訟が起きるので、そのサポートを頻繁に行いましたし、将来の係争案件化を避けるための アドバイザリー業務を提供する機会もありました。インド人専門家の話が専門的になりがちなので、顧客が正確に事案を理解し、正しい選択を行えるように顧客と専門家の間に入って、奮闘していたのを覚えています。

独立のきっかけを教えてください

 インドでは、税金だけでなく企業の悩み相談全部聞いいてのサポートでしたが、日本に戻ると私は税務部門のメンバーなので、やれることに制限がかかり、窮屈になったような気持ちを持つようになりました。
 そこで、退社して、企業の税務部門で働いていたのですが、管理の仕事が増えていくにつれてもう少しプレーヤーとして働きたいと思っていました。ここで改めて、独立を考えるようになりました。
 インド駐在時代に知り合った久保さんという方が「AsiaWise」という法務・会計・税務をサポートする企業グループの法律部門の代表をしているのですが、その方に昔から、「税金のところは空けてますから」と言っていただいていたこともあり、「一緒にやらせてもらえませんか?」とお声がけしました。私は「AsiaWise」の中の会計事務所の代表という形になります。

「AsiaWise」について教えてください?

 AsiaWiseのコンセプトは「ボーダーを超える」ということです。
 まずは「国境」というのが、1つ目のボーダーです。海外駐在経験の多いメンバーがそろっていた、国財法務、国際税務に対応します。
 2つ目のボーダーが業務・業態です。AsiaWiseは、法律事務所がベースになっていて、弁護士が何人います。その上で、会計・税務の専門家の私がいて、他にも、内部監査、リスクマネジメント、IPですね、無形資産の申請とか管理とか訴訟とかをコンサルするIPの専門家がいます。そういうメンバーが集まって、ボーダーを越えて一緒にサービス提供しますということです。
 また、スタッフ自身のボーダーも超えていくというのがテーマです。私であれば「税務」に閉じこもらずにもっと大きな視点での取組み、サービス提供を目指していくということです。
 このようにボーダーを超えてワンストップサービスを高いレベルで提供していこうというグループです。

これから力を入れていきたいことを教えてください

 Web3という新しいインターネット環境関連の開発が国際的に活発になっているのですが、それこそ国境に縛られない企業や技術者が多く、困りごとや相談ごとも多岐に渡ります。
 ここのサポートを重点的にできればと考えています。課税関係などについても様々な情報が整理されないままに錯綜していて、トラブルの種を抱えてしまう方も多いので、そういうところを手助けして差し上げたいと考えています。
 技術者の中には、あまりに無警戒に租税回避や不正会計のようなことをしてしまう方もいらっしゃりますので、分からないからルールを破っていいというのではなく、リテラシーを高めていくお手伝いをしていきたいです。
 私たち専門家が一緒に考えることで、より賢い形を組めるのではないかと思っています。
そんなことを一緒に考えていければ面白いな、楽しいなと思います。
 
 
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