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専門家インタビュー

海外駐在経験で培った国際税務知識、英語におけるビジネス対応力で「自分」を求められる業務を提供!

大学卒業後、税理⼠法⼈ジャスティス会計事務所⼊社。入社1年後に税理士試験に合格。KPMG税理⼠法⼈を経てPwC税理⼠法⼈に移籍。PwCシンガポールへ出向。⽇系企業に対する東南アジア諸国の税務課題の解決サポート、及び⾮⽇系企業に対する⽇本税務の英語でのアドバイザリー業務に従事。2023年にJapan Tax Advisorを設⽴。

今回は、Japan Tax Advisorの田中文人先生にお話を伺いました。取材班に全く知識のない「国際税務」という領域に緊張していたのですが、明るく快活に色々なお話を伺いました。経験が力になる、チャレンジが道を拓くということを大いに実感したインタビューになりました。

税理士を目指したきっかけを教えてください

 私は新潟県新潟市出身で、大学は東京に進学しました。東京は田舎者の私にはあまりに眩しく、最初は遊び惚けてしまいました。父はジャーナリストで当時、単身赴任で福島勤務だったのですが、東京出張の際に、私の様子を見に来てくれていました。そんな父に「お前しっかり勉強したらどうだ。税理士とか英語っていいんじゃないか」と言われていました。
 そんな父が突然、末期癌で亡くなりました。父が亡くなる前に闘病の励ましとして「親父が元気になったら税理士の勉強を始めるよ」と言っていた手前、父との約束を果たさないといけないなと思い、税理士の勉強を始めました。合格するまで5年かかりましたが約束を果たすことができました。
 合格の1年前からはこの「専門家インタビュ―」にも登場している税理士法人ジャスティス会計事務所の猪本先生の元で働いていました。通常の中小企業の税務顧問、記帳代行、所得申告、相続のプランニングなど、未熟な私にさまざまな業務の基本、専門家としての心構えを仕事や飲みの機会を通じ、叩き込んでいただきました。猪本先生とは今でも仲良くお付き合いをさせて頂いており、私の税務専門家人生が猪本先生の元で始めれたことは本当に幸せだったと感じています。
 その後、大企業の税務をやってみたいという思いからKPMG税理士法人に入社し、さらに税務アドバイザリーの機会の多さ及び海外駐在への興味からPWC税理士法人へ転職しました。

PWCでの海外駐在と独立に至るまでのお話を教えてください

 PWCでは3年間シンガポールに出向しました。シンガポールでは、日系企業に対するシンガポール税務の対応や非日系企業の日本の税務のアドバイスを英語で提供するということを行っていました。
 これらの仕事は、税務や語学における私の経験とスキルがベースになっていて、かつ直接お客さんと対峙し、コミュニケーションをとる必要のある業務です。かかる状況の中、「お客さんにとって僕がいないと困る」という状況が非常に多かったです。このことが自分の中でとても大切な感覚になっていました(ある意味、パートナーの疑似経験をさせて頂いたと感じています)。
 日本に帰ってきて、メガディールに関わる税務の案件や複数国をまたにかける日系企業の再編関連の業務などをリードしていたのですが、海外駐在に比べ、お客さんとの距離の遠さを非常に感じていました。
 「自分じゃないといけない」と思ってくれる客さんに対して、自分の時間や熱量、エネルギーを使っていきたいという思いが強くなり、独立を考えるようになりました。
 その後、39歳になったタイミングで独立し、今年40歳になります。

独立後のお話とそこで培った先生の強みを教えてください

 独立後は、お客さんが全くいない状態でスタートしました。通常の会計事務所は、顧問先の中小企業を積み重ねていくと思いますが、私の場合は、顧問先の積み上げは、じっくりやっていけばいいという認識でした。
 実際に、独立して2ヶ月目からは、知人の弁護士や財務アドバイザーからM&A関連業務、例えば税務デューデリジェンス業務や英語での日本税務のアドバイザリー業務、租税条約関連の税務アドバイザリー業務などの依頼が多数入ってくるようになりました。そこから顧問契約につながった会社もあります。また、国際税務や英語対応ができるということで、スポット的に引き合いがあって、その後、顧問契約に至るといったこともありました。
 国際税務をやっている税理士は極めて少なく、国際税務とM&A両方できるという独立系の税理士の数は非常に限定的であると感じています
 ですので、まずは自分の特色である税務アドバイザリー業務をしっかりやり、その過程で自然と私の強みを求めてくれる会社が顧問先になってくれるという方針でやっています。これがうまくいくかは分かりませんが(笑)。あとは、お客様の数が多くなりすぎると自分のパフォーマンスのクオリティが下がってしまう可能性がありますので、顧問先の増やし方という点は非常に気を付けています。

海外駐在のときのエピソードで印象深かったものを教えてください

 大学時代からバックパッカーでの海外旅行は何度も行っていましたが、海外に住むのが初めてだったので、生活に慣れるのも大変でした。PWCの海外駐在は外国人の中に一マネージャーとして入るので当初は英語や感覚の差といった点でコミュニケーションにも非常に苦労しました。ようやく仲良くなれはじめたところで新型コロナウイルスによるロックダウン、結果、しばらく対面で同僚たちに会えない環境になってしまうということもありました。
 また、私を評価する上司が日本人ではなく海外のパートナーでした。彼からは「結果のみを見る」ということを明確に言われていました。結果を出せなければ日本に帰されてしまうかもしれないという環境でしたので、その緊張感にも当初は戸惑いました(日本のパートナーの「優しさ」もこの時に痛感しました)。
 そうした環境の中で、結果を求めて自分なりに強み・弱みを考え、試行錯誤をしながら行動し、適宜修正をするというPDCAを回しまくることで成果を出し、海外での評価に繋がったということが非常に自分の中の重要な成功体験だったと感じています。
 

現在、税理士法人化を計画中だとうかがいました

年末に税理士法人化を計画しています。2人パートナーがいるのですが、1人は国際税務分野でものすごく優秀な方です。もう1人が、資産税もできて、国内税務もしっかりできる方です。そして、2人とも人柄も申し分ない方々です。私を含めた三人が揃えば、国際税務、国内税務、資産税、M&Aを組み合わせた、非常に高度なサービスを提供できると考えています。

これから開業するかたへメッセージをお願いします。

開業するまでに何を経験できるかが重要と考えます。自分がやったことがない業務にどんどんチャレンジをして、そのチャレンジに自分自身、最大限の責任をもって取り組み、人生の幅を広げることが勤務時代にはできると感じています。そして、人脈も広げておくに越したことはありません。最後に、勤務時代に時に厳しく、時にやさしく自分を見守ってくれているパートナーや上司への感謝も絶対に忘れてはいけないと思っています。

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