昭和51年生まれ
平成11年 – 近畿大学商経学部経営学科卒業
平成15年 – 大阪市内の会計事務所に勤務
平成22年 – 税理士試験合格
平成24年 – 税理士登録
平成25年 – 前田税務会計事務所を設立
今回、お話をお伺いしたのは、石川県金沢市でご活躍されている前田先生です。 元営業マンのご経験から、顧客とのコミュニケーションを重要視する先生の事務所運営の秘訣と情報の収集方法などについてお伺いしました。
私は、もともとサラリーマンでした。大学を卒業してから銀行の営業マンとして13年間勤めました。お客さまにさまざまな提案をしたり、金融商品のご紹介をしていたのですが、経営者のためになる仕事に「直接」そして「最終的に」関わるためには、税理士になるのがよいと思ったのが転機となりました。 銀行を退職し、地元である石川県金沢市に戻り、父のご縁で税理士事務所を紹介してもらい、そこに勤めながら税理士試験の勉強を続け、43歳の時に税理士試験に合格しました。 その翌年に勤めていた税理士事務所の所長先生が亡くなり、試験に合格したばかりの私が事務所を引き継ぐことになりました。 先代はすでにご高齢でしたので、事務所内に顧客を引き継ぐことができる資格者ができたことで、ご安心いただけたのかもしれません。 それから10年にわたり事務所運営を行い、現在に至ります。
先代の先生が亡くなったのはちょうど5月の末頃でした。法人の決算申告が集中する時期で、作業をすべて終えお客さまの判子も既にもらっており、後は提出するだけという状況でしたが、用意していたものがすべてやり直しになりました。私の税理士登録も間に合わず、顧問先に説明して回り、その年は別の税理士に委託するという形に なってしまいました。 先生の葬儀の対応、事務所の引継ぎ、法人税申告への対応を同時に行わなくてはならず、相続発生後1月ほどは、ほとんど寝られない状況でした。いまだに、事務所運営の一番大変だった思い出として記憶に残っておりますが、承継後、顧問先の方々が一社も離れずに、顧問契約を続けてくださり本当に感謝しています。
事務所を引き継いだ時、顧問先を増やして、もっと経営者のお役に立てる事務所にしたいという思いがありました。そこで、承継直後に着手したのが事務所のHPの作成です。力を入れて作ったこともあり、開業から最初の数年で顧問先がかなり増えました。 現在は、既存のお客さまからの紹介に顧問先獲得のルートがシフトしています。事務所に合っているお客さまに対象を絞ることで、お客さまとの信頼関係も構築でき、自然と紹介数も増えていくという、とてもよい循環ができています。
私の事務所の方針は「お客さまの夢を実現する、実現してもらう」ということです。 そのためにも、お客さまとのコミュニケーションを最重要に考えています。「この事務所はコミュニケーション取りやすいな」と思っていただけるように心掛けています。 その一環として、お客さま対応の「スピード」を大切にしています。基本的に即レス・即解決を心掛け、時間がかかる場合でも、連絡自体は取り続け、「放っておいてしまう」ということがないようにしています。なにかあれば「まず連絡」ということです。
レガシィの動画・音声セミナーは幅広いジャンルを扱っているので、情報収集に役立っています。毎月「元気だね通信」を一通り眺めて、気になったものを購入、必要があれば事務所の職員と情報共有をしています。 また、「生の情報」という意味では、同業の税理士に聞くのが一番なので、所属の北陸税理士会の税理士が20名ほどで集まった勉強会に参加しています。 月に数回集まり、「最近こういうことで困っている」「この税務処理はどうしたほうがいいだろうか」「税務調査で意見の相違があったが、どうすればいいか」などを議題に情報交換をしています。 税務だけでなく、助成金や顧問報酬についてなどさまざまな情報が入手でき非常に助けられています。別の事務所に勤めた経験がないので、他の先生方がどう考え、どう実務を行っているかということは大変参考になっています。
目標は事務所の移転です。 現在の事務所はすべて先代から引き継いだものです。移転することで、本当の意味での私の事務所としての開業を迎えられるのではないかと思っています。 また、どうしても税理士事務所というと敷居が高いイメージがあるので、より親しんでいただけるように喫茶店風のログハウスで温かみのある事務所を建てたいというのが、私の目標です。