他業界での長い社会人経験を経て弁護士に転身しました。これにより、「堅苦しい空気よりも何でも話しやすいこと」を大事にする方針を持っており、弁護士事務所には「話しやすい人柄の弁護士」が集まる。
ベンチャーサポート法律事務所は、企業法務から相続、交通事故まで幅広い問題に対応しており、川﨑先生はこれらの多岐にわたる相談内容に対応する中で、多くのノウハウを蓄積してきました
今回、お話をお伺いしたのは、弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所代表弁護士の川﨑先生です。 ご事務所の業務内容、ベンチャーサポート税理士法人や相続税理士法人との連携、弁護士の人材育成、レガシィの商品の活用法についてお聴きしました。
大学卒業後は金融機関に勤めていたのですが、金融商品取引法などの法律に触れる機会が多かったこともあり、弁護士資格を取得することも面白いのではと興味を持ったのがきっかけですね。司法試験合格後は、「自分が代理人になって責任をもって訴訟を多くやりたい」という考えのもと、インハウスではなく訴訟を多く経験できる都内の法律事務所への就職を決めました。その後、弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所共同代表弁護士として参画しました。
ベンチャーサポートグループの中の弁護士法人ということもあり、グループの税理士法人の顧問先や相続税申告のお客様から、仕事の依頼を受けることが多いです。業務の割合は、半分が中小企業の企業法務、3割が相続、残りの2割が離婚などその他というイメージですね。
グループ全体が『士業はサービス業』という共通理念でつながっています。せっかく税理士の先生が紹介してくれたお客様です。恥をかかせてしまわぬように、我々もお客様に対して気持ちよいサービスをするように意識しています。弁護士法人には、「訴えられそうだ」「お金を返してほしい」「相続で揉めている」といった、悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。これから起業したいから税理士の先生に相談しよう、といった前向きなご相談とは逆に、やや後ろ向きといいますか、抱えたトラブルを解決するためにご相談に来られる方がほとんどなのです。そういった方への気遣いの言葉だったり、スピード感をもった対応だったり、見通しを伝えてあげたり、普通の会社で行っているお客様対応を当たり前にやっていくことが大事だと思っています。
税理士の先生からみると理解しにくいルールが弁護士にはあることを、税理士法人に新たに入ってきた方に伝えていかないと、「どうして、こんな対応をしてしまったんだ」と不満に思われてしまう点ですね。例えば、弁護士法では利益相反行為を禁止しています。弁護士の職務の公正を維持するためなどの理由で、相手方の相談を事前に受けていた場合には、もう一方の相談を一切受けてはいけない、というルールです。ここで困るのが「利益相反だから相談はお受けできません」という断り方ができないということです。相手方がこの事務所に相談に来たことがバレてしまうからです。弁護士は相談者や依頼者との間で守秘義務を負っていますので、相談にきたこと自体を相手方に伝えることも守秘義務違反になってしまうのです。「申し訳ございませんが、ちょっと相談をお受けできません」というと、「どうして、この弁護士は相談を受けてくれないんだ」と思われてしまうのですが、このような断り方をせざるを得ないのが弁護士のルールなのです。
一つは、登録したての弁護士や他から移ってきた弁護士は、『士業はサービス業』という意識が希薄な方もいますので、そこは「うちの事務所のやり方に合せてね」と常々言っています。もう一つは、私自身が弁護士になりたての頃、事務所にある本だけでは足りず自分自身で購入していた経験から、うちに入る弁護士には、そういう面で苦しい思いをしてほしくないので、新刊が出たらなるべく多く買うようにしています。
興味のあるセミナーは、「元気だね通信」を見て、丸を付けて極力買うようにしています。これまで聞いた中では『遺言有効の主張に対する医学的反論法』や『相続弁護士のための医療カルテ判読マスター講座』がよかったです。弁護士用の本にはあまり載っていないテーマについて、医師の先生が解説してくれると参考になります。
IPO支援、ストックオプションの提案、事業承継など、税理士・会計士・弁護士の中間地点とも言える業務を、グループと上手く連携して取り扱っていきたいです。また、税理士法人と同じように弁護士法人も支店展開していきたいですね。どうしても「大阪のお客様は大阪の弁護士がいい」という面があるので、現地にオフィスがあれば、常時、悩んでいるお客様の役に立てるのではと思っています。