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専門家インタビュー

新しいものはまずは自分たちで実践! 成功体験を顧問先に還元します

慶應義塾大学 文学部英米文学科卒業 1990年 税理士試験合格
東京都出身。大学卒業後、大手商社経理部に就職。結婚、出産後簿記の勉強を始め、税理士試験に合格。
現在、税理士法人FLAIR代表社員、日本紙パルプ商事株式会社社外監査役、日本電設工業株式会社取締役監査等委員

今回、お話を伺ったのは、税理士法人FLAIRの福島美由紀先生です。時代時代の新しい技術や考え方を、素早く導入する「先見性」と、お客様に提供するシステムやサービスはまずは自分たちで試してみるという「実践力」が魅力の事務所です。いろいろなものに興味深々な先生のエネルギッシュなエピソードに大いに盛り上がったインタビューとなりました。

税理士になったきっかけ、事務所のこれまでの経緯などを教えてください。

 私は当初、商社に就職しました。そこでは経理業務に携わり、初めて簿記に出会い、OJTで勉強しました。ただ、当時は男性社員のサポート以上のことも求められない時代だったこともあり、結婚を機に退社しました。その後、育児が一段落したタイミングで、簿記の勉強を再開しました。主人が会社を経営していたので、いずれ何かの役に立つかもしれないと考えたのです。
 簿記1級を目指していたのですが、当時の大原の先生が非常に人をやる気にさせるのが上手な方で、合格後、「簿財も受けたら」「税法も受けたら」と勧められているうちに、税理士への道を進んでいました。結局、3年で5科目合格できました。
 合格後は、子供がまだ小さかったので、大手会計事務所にパートで働き始めました。その後、子供の成長にしたがって、少しずつ働く時間を増やしていきました。その過程で自分の中でもこの仕事への関心が強まり、独立する先生の事務所の勤務税理士になりました。そして、さらなる経験を積むために5-6名規模の会計事務所に移りました。それが現在の事務所の前身です。
 平成14年に税理士法が改正されると勤務税理士のできることに制限が入り、所長でないとできないことが増えました。この時に、せっかく苦労して取得した資格を活用するなら開業しようかと考えるようになりました。
 そのタイミングで勤めていた会計事務所の先生が引退することになり、指名される形で私が事務所を承継することになりました。

所長になった当初の苦労などを教えてください

 所長になった当時は、女性が所長税理士としてバリバリ活躍するような時代ではありませんでした。女性であるだけで、不安や心配を感じる方が少なくなく、職員もお客様も半分ぐらいになってしまうという波乱のスタートになってしまいました。それでも残ってくれたお客様や職員のために、何とか頑張ろうと思いました。
 平成14年の税理士法の改正で、それまでできなかった宣伝や営業が行えるようになりました。これはチャンスということで、私は平成15年には事務所のホームページを立ち上げました。当時はホームページを持っている税理士事務所はほとんどなかったと思います。ここからお客様が増えていきました。
 新しい技術やシステムを取り入れるのが早いというのはうちの事務所の特徴かもしれません。クラウド会計の導入やRPAによる作業の自動化もかなり早くからやっていました。

その後、税理士法人化に至った経緯を教えてください

こうなると心配なのは、いつまでもお客さまに安心してもらえるサポートをするためにはどうすれば良いかということです。
 個人の会計事務所の最大の問題点は、継続性が不安定ということです。所長税理士になにかあったら、その時点で個人事務所は終了します。お客さまのためにも、事務所のスタッフのためにも法人成りしょうということで、2012年に法人化しました。
 その後、2013年に公認会計士として大手監査法人で働いていた娘が役員として合流してくれました。その後娘は旦那さんの海外赴任に伴いアメリカに渡ることになり、退所することになりました。この時、うちの事務所に業界未経験で入所した小島(先生)が税理士資格を取り、経験も積んできていたので、役員になってもらいました。

事務所のこだわりについて教えてください

 私はビジネスに役立ちそうなものであれば、「新しいものをすぐに試してみる」というスタンスですので、お客様に提供するサービスについて、「まずは自分達でやってみる」ということを大事にしています。そして、様々なメリット・デメリットも理解したうえで、お客さまに最適なものを提案したいと考えています。この基本方針に従って、様々な取り組みをしています。
 会計ソフトでは、フリーやマネーフォワード、TKCのクラウドシステムや弥生会計も利用しています。自分たちで様々なものを試して、お客さまに最適と思うものを提案するのがうち流です。
 またシステムだけではなく、お客さまに提供している「経営計画作成支援」も、まずは自社で導入して、数字の見方や考え方も含めて職員と共有し、行動計画を実行し、予算を達成するためにどうするか、月次決算をすることで検証してきました。その上で、お客さまに計画策定のご支援と予算達成のための経営助言を行っています。
 お客様が経営計画を作って成長することのお手伝いをするのであれば、会計事務所側にも経営計画を作成したことによって成長した、という成功体験がなければいけないのではないかと思います。
 経営計画を作って成長していきましょう、って言っているのに、自分のところで作っていなかったら真実味がないですよね。数字から課題を抽出し、その解決のための仮説をたてて実行し、実際に増収増益の体験をしてこそ、お客様に自信を持って指導することができるのだと思っています。

職員教育で力を入れていることを教えてください

 うちの事務所では、経営計画書の中で理念やビジョン、行動指針となる「クレド」などを明文化しているのですが、この経営計画書を使って以前は毎週、今は月に2回、理念教育を行っています。価値観を統一して、同じ方向を向いて取り組んでいくために重要な時間だと思っています。
 また、月2回コーチングの勉強会を行っています。さらに、ベテラン向けの税務の専門研修、入社3年目ぐらいまでの人を対象にした財務研修もそれぞれ週に一回行っています。
 財務研修の講師は私が担当しています。準備は大変ですし、せっかく育てた職員がずっといてくれる保証はありません。でも、この研修をすることが事務所の業務の品質を保ち、お客様のためになるし、スタッフの成長にもなると思っているので、ずっと続けています。
 こういった研修の中から、相続を専門に取り組みたいという職員も出てきて、レガシィさんの行っている相続ネットワーク「Mochi-ya」のうち側の担当者をしてもらい、資産税についてもどんどん経験を積んでもらっています。

これから取り組みたいこと、力を入れていきたいことを教えてください

現在、2社の上場会社の社外役員をやっています。SDGS経営、人的資本経営や女性が躍進するための仕組みなど、そういう社会的な取り組みというのは、どうしても大企業の方が早く取り組むという現実があります。こうした取り組みについて、中小企業に還元していくのが私にできる社会貢献であると感じています。そして会計業界に優秀で魅力的な人材がどんどん入ってきてくれるような取り組みをすることで、私を育ててくれたこの業界に恩返しをしていきたいと思っています。

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