2021年1月某日。X様一家の相続ストーリーは、この日突然始まりました。個人経営病院の3代目院長を務めていたご主人が、66歳という若さで急逝されたのです。奥様はそのとき病院の経営には関与されておらず、ご長男はまだ大学生。経営と相続という二つの重荷が、なんの前触れもなくご遺族に降りかかりました。

　レガシィに相談が来たのは、約15年前に先代の相続をお手伝いしたご縁があったから。

　急逝の翌月2月にレガシィからX様に相続プランを提案し、契約を交わして受任したのは4か月後の6月のこと。その間ただ回答を待っていたのかといえば、その真逆です。担当したプレミアム税理士の元には、昼夜土日を問わず奥様からの相談電話が鳴りっぱなし……一体何が起こっていたのでしょうか。

　1月に院長が亡くなられた後、ご遺族がまず直面したのは病院の経営を把握する必要性です。十数名の職員と患者のことを考えれば経営を中断することはできず、さらに3月の期末を控え、職員の賞与も支払わなければならないタイミング。しかしこれまで院長がどのように賞与額を決めていたのか誰も把握しておらず、資金繰りも不明な点ばかりでした。

　右も左もわからない中、病院の口座では次第に資金が足りなくなり、奥様はご自身の個人資産を切り崩すことに。そこにさらに相続税まで発生する……状況も見えず、資金ばかりが減っていく、それはまさに「恐怖だっただろう」と担当したプレミアム税理士は振り返ります。「ご主人を急に亡くし、頼れる人がおらず、資金の不安もある。あの状況を知ったら、とても手を差し伸べずにはいられません」

　そうしてレガシィのプレミアム税理士は、受任前にもかかわらず電話やメールでの相談に小まめに応え、ご主人の生前の経営状況を調べ、必要な書類が見つからないときは一緒に院長室を探し回るなど、奥様の不安と恐怖に徹底的に寄り添っていきました。

　両者の間に深い信頼関係が生まれるのに、それほど時間はかかりませんでした。実はX様は、レガシィのほかにもお付き合いのある機関から相続の提案を受けており、レガシィより低報酬であることから最初はそこに依頼しようと考えていました。しかし最終的には金額よりもプレミアム税理士への信頼が決め手となり、レガシィへ委任。不安が大きい奥様が納得するまで何度も契約書を修正し、一つひとつの懸念を細かくつぶしたうえで、いよいよ具体的な相続手続きが始まったのです。

　肝心の相続税においては、それまでの４か月間でわかった生前のご主人の状況や病院の経営状況、ご自宅の使われ方などをヒントに、プレミアム税理士ならではの知恵を発揮して細かな対策を考えていきました。例えば不動産調査や過去の資料を細かく精査した上で評価減可能な要素を発見したり、小規模宅地等の特例を賢く適用させたり……小さな対策が積み重なり、全体として評価額が2億円以上減額、相続税も1億円ほどの減額になりました。

　その他にも、病院を引き継いだ奥様の開設者等変更手続きや、昨今の新型コロナウィルスの影響による院の安全を優先にした理由説明による相続税の申告期限延長申請手続きや、ご存命のお母様の民事（家族）信託設定など、レガシィにできる限りのことを幅広くサポート。相続に関する見通しが立ったことで、奥様は慣れない院経営に戸惑いながらも、将来について前向きに考えられるようになっていきました。

　レガシィのサポートもそこで終わりではなく、今では院の経営やブランディング、人材育成にもアドバイスを行っています。こうしたプレミアム税理士の姿勢に、奥様からは「将来の相続についてもぜひ担当していただきたいです」「副院長になってくれませんか」なんてお言葉までいただくほどに。

　税理士という枠組みを超え、人としてどんなお手伝いができるだろうか。それがプレミアム税理士の仕事の流儀。不安な心もいつかきっと前を向くと信じて、レガシィはお客様の一番近くに寄り添い続けます。