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相続の知識

顧問税理士を変更する必要はあるのか?そのメリット・デメリットを解説

個人であれ法人であれ、事業を営まれている方は確定申告や会計業務を依頼するために税理士を顧問として頼むのが一般的です。しかし、税理士にも専門分野があります。たとえば相続対策や相続手続き・申告に関しては得意不得意がはっきり分かれ、対応できない場合や、不慣れな中で対応する顧問税理士が多いのも事実です。

しかし、顧問税理士との人間関係や信頼関係を重視して顧問契約を変更せずに継続することも間違ってはいません。顧問税理士との顧問契約は継続しながら、顧問税理士の不得意分野を得意な税理士へ紹介してスポット対応してもらうケースも多いのです。
この記事では、顧問税理士を変更する場合、変更しない場合についてのメリットデメリットと解決案を解説していきます。

顧問税理士とは?

顧問税理士とは、契約に基づいて継続的に顧問として税務サービスを提供してくれる税理士のことを指します。所得税や法人税の確定申告や決算だけでなく、税制改正に関する情報や決算に向けての節税対策や資金繰りを相談できたりするため、非常に有意義なサービスになっています。

契約は年間契約であることが多いですが、会社や個人の状況を良く理解してくれていることもあり、毎年自動更新するのが一般的です。中には親子数十年に渡ってこの税理士、と決めている方も少なくありません。そして非常に大きな企業など特殊な事情がない限り、顧問税理士は個人事務所の税理士であることが多いです。しかし、顧問税理士にはある際立った特徴があります。まずはその特徴について解説します。

得意・不得意分野がはっきりと分かれる「顧問税理士」

顧問税理士の業務をまとめると、大きく以下のような特徴があります。

①顧問税理士は毎年同じ業務を行うことが一般的です。所得税や法人税の確定申告も大きな変化がない限りは毎年同じ処理を行います。使う知識も所得税・法人税・消費税のうち決算や申告に関わる部分が大きく占めています。
税理士の高齢化が進んでいて、顧問税理士の半数以上は60歳以上です。
研修体制が整備されている税理士事務所は少なく、個人で開業している方が大半です。

これらのことから税制改正や新しいビジネスに関する情報、そしてほとんど発生しない相続や事業承継と言ったイレギュラーな対応には不得手な税理士が多い状況です(試験は合格していても実務での経験がないとなかなか得意にならない分野だからです)。

そのような中、最近は差別化のために特定の分野に秀でることに特化した顧問税理士も徐々に増えてきています。不動産に詳しい、相続に詳しい、事業承継・M&Aに詳しい、金融・IT・海外に詳しいなどさまざまありますが、顧問業務を行いながら特定の分野に精通するためには非常に膨大な時間と労力がかかるためどちらも得意になるのは非常に難しく、依然として毎年定例的に行う一般的な顧問業務はできるものの、それ以外の業務はそこまで得意でない顧問税理士が多いのが実状です。

このように得意・不得意分野がはっきりと分かれるので、相続や事業承継などのイレギュラーなスポット業務を顧問税理士に頼みたい時は、顧問税理士の先生は本当にその分野が得意かどうか見極める必要があります

「顧問税理士」は忙しい

こんなご経験があった方はいないでしょうか?たとえば、親に万が一のことがあったときの相続税が払えるのか不安になった時、毎月顔を合わせている顧問税理士に質問してみたことはないでしょうか?ご両親の状況や家族構成、財産で不明な部分があること、共有している不動産の悩みなど、話していくときりがないのが通常です。顧問税理士も約束の時間が過ぎてしまい困惑気味で、ではまた改めて時間を取りましょう、となったがなかなかその日取りが決まらない…。
なぜかと言うと顧問税理士は毎日こまごまとした手続きや作業に追われており、スポットの相談に応じる時間がないためです。特にここ数年は税理士業界では人手不足が深刻であり、スタッフやアルバイト人員も確保しにくいため一層忙しくなっています。昨今はデジタル化が進み解消の兆候も一部では出てきていますが、高齢でデジタル化に前向きでない税理士やスタッフだけの事務所も多いため、人手に頼るしかない事務所も多い状況です。そのため相続のようなイレギュラーの相談はスキルも勿論のこと、顧問税理士の時間がとれず、対応が遅々として進まないため、なかなか顧問税理士の対応だけで満足できない方が増えてきています。

顧問税理士を変更する必要があるのか?メリットとデメリットは?

顧問税理士にイレギュラーのスポットの仕事を頼みたい時、たとえば相続の相談をしたいときはどうすればいいのでしょうか。一般的にはその顧問税理士がイレギュラーなスポット業務が本当に得意かどうかわからないときが多いので、それを前提とします。

顧問税理士を変更する場合

これから相続などの重要なスポットの仕事を顧問税理士に頼みたいが、特に今の顧問税理士がご高齢になり以前のようにうまくコミュニケーションがとれない場合や、信頼性が以前より薄れてしまったとき、検討されるのは顧問税理士の変更になるでしょう。

変更のメリットとしては、ニーズにマッチした税理士にストレスなく仕事を依頼できることでしょう。レギュラーの仕事である顧問税務もイレギュラーの仕事であるスポットの仕事、たとえば相続業務もどちらも得意な税理士に頼めるのは非常に安心感があり、この上ないことです。

一方で変更のデメリットとしては、顧問税務とスポット業務がどちらも得意な税理士は非常に稀な存在であるためなかなか出会えないことでしょう。税理士の探索に苦労し、また本当に得意なのかの見極めも大変であるため、人脈や時間をかける必要があることです。
また、もう一つのデメリットとして、現行の顧問税理士から新任の顧問税理士への引継ぎにおける労力がかかることです。まず心理的に、現行の顧問税理士が長年頼みにしてきた間柄でそこまで対応が悪いわけではなかった時、現行の顧問税理士に対して純粋に悪いなと思ってしまうことが多いです。そして、長年顧問契約している場合は人間関係も深い場合が多く、さまざまな個人的事情や事業の内容をしっかり理解し察知してくれていることも多いです。変更して新しく就任した顧問税理士にまた一から説明し理解してもらうのも一苦労です。

メリット デメリット
ニーズにマッチした税理士に依頼できる
  • ニーズにマッチする税理士は稀な存在で、なかなか出会えない
  • 現行の顧問税理士から信任の顧問税理士への引継ぎに労力がかかる

顧問税理士を変更しない場合

同じように、これから相続などの重要なスポットの仕事を税理士に頼みたいが、上記のデメリットがあるので変更をしたくないと思われる方も多いことでしょう。では、顧問税理士を変更しない場合について考えてみましょう。

変更しないメリットは、現行の顧問税理士との関係が継続できることです。顧問税理士がいる方は十分に感じられているかと思いますが、顧問税理士は非常に価値の高い存在です。税金という非常に専門的かつ複雑でわかりにくいことを代行して申告するだけでなく、税金に関する相談や資金繰り、はたまた経営的な相談まで広範囲で仕事をしてくれます。また税務調査といった非常に不安な分野にまで防波堤となりうる存在です。そして長年お金に関する顧問をしてくれることからプライベートなところまでわかってくれて信頼できる心強い存在です。10年前のあのことを覚えてくれているから相談しやすい。こうした家族のような存在だからこそ、今の顧問の関係が継続できるのは心理的にも非常に選びやすいです。

一方デメリットは、相続のようなスポット業務について得意かどうかわからないまま頼まざるを得ないことです。得意であればもちろんいいのですが、得意だったかどうかわかるのは大抵その業務が終わってからです。また得意であっても日々の顧問業務や人手不足で忙しく十分に対応してくれない場合もあります。ただ、中には得意でないことや忙しいことを自覚されていて、他の得意な税理士を紹介してくれたり、共同して対応してくれたり、アドバイザーとしてすえてくれたりと、柔軟に外部の専門家を利用するスタイルもあります。

メリット デメリット
現行の顧問税理士との関係を継続できる 相続のようなスポット業務について得意かどうかわからないまま頼まざるを得ない

顧問税理士を変更したくなった時の解決策

以上のことから、顧問税理士を変更したくなることや少なくとも他にどんな税理士がいるのか検討したくなることは多くなるかと思います。そんなとき、まず何をすればいいのでしょうか。

現行の顧問税理士に聞いてみる

顧問税理士にイレギュラーのスポットの仕事を頼みたい時、たとえば相続の相談をしたいとき、現行の顧問税理士に「先生に相続の相談をしても大丈夫ですか?」と聞いてみることをおススメします。なぜならその時の反応で得意かどうかやスポットの業務を対応できる余裕があるかわかることも多いためです。
もちろんプロの税理士であり、得意でなくてもある程度業務をされている経験がある税理士が多いので、見極めが難しいです。しかし、中には「自分は得意とまでは言い切れないし、正直ご満足できるように対応できる時間もないため、得意な税理士を責任もって紹介します」と言ってくれることもあるので、聞くだけは聞くのが望ましいです。
顧問業務自体の継続を現行の顧問税理士で続けることはできなさそうと判断したときでも、継続しても大丈夫か確認するのは失礼ではありません。ご高齢でそろそろ顧問業務自体を縮小して引退を考えられている税理士も多く、渡りに船と思う方も出てきています。

情報収集して知人や顧問業務をしていない税理士に聞いてみる

上記の通り、本当に今の顧問弁護士が頼みたい仕事が得意かわからないことも多いので、インターネットなどを利用して情報収集することは欠かせません。しかしWebサイトや動画含めたSNSだけでは本当の評判はわからないものです。そこでいろいろな人に税理士の評判について聞いてみることもおススメします。まずは信用できる知人や事業・経営者の仲間。たとえば相続の相談であれば、相続が発生した知人や仲間に聞いてみます。顧問税理士やインターネットで検索して出てきた税理士に頼んでみた時の印象を教えてくれるでしょう。満足・不満両方あるでしょうが、相続の場合は財産が多額な人ほど難易度が上がり相続税も高くなる傾向にあるため、不満の声も多くなりがちです。
もちろん税理士の知人がいればその人に聞いてみてもいいでしょう。ただしその人も顧問業務をしているときは注意が必要です。顧問業務を請け負いたいという誘因があるためです。顧問業務をしていない税理士、たとえば相続を専門で行っていてそれ以外の業務は税理士を紹介してくれるような税理士だと、さまざまな選択肢を提供してくれる可能性があります。

実際に気になった税理士に相談してみる

一番におススメしたいのが、実際にインターネット情報や知人や事業者仲間の評判であがってきた税理士に会って相談してみることです。相続などのスポット業務であれば無料で相談できる事務所も多く、質問だけでなく実際の見積もりまで素早く出してくれるところも多いです。その際、現行の顧問税理士には顧問業務を継続してもらいたいと思っている時、スポット業務だけの依頼であっても引き受けてくれるのかも確認しておくといいでしょう。一般的な税理士としては継続的な収入が見込める顧問業務を受任したい意向が強く、スポット業務はそのための営業としてとらえることもあります。スポット業務を依頼した税理士が、スポット業務の最中に顧問業務も変更してはどうかと執拗に勧めるケースも多いためです。
理想的なのは共同で対応してくれる税理士です。顧問業務は現行の顧問で、スポット業務はそれが得意な専門税理士で行い、しかも専門税理士と現行顧問で良好な信頼関係のもとに連携し、「餅は餅屋」の精神で対応してくれる体制が理想的と言えるでしょう。

おわりに:顧問税理士で困ったら相談を

顧問税理士で困ったことがあった場合、税理士法人レガシィでは公平な立場でご相談対応させて頂く体制を敷いております。なぜなら、相続専門として50年以上の実績を誇る税理士法人レガシィでは、原則として顧問業務を自前では受託しておらず、全国数千の信頼できる会計事務所を候補として紹介させて頂くスタイルを取っているためです。

また全国の多数の顧問税務を行っている会計事務所からもさまざまなご相談を頂き、日々連携を取っております。詳細はぜひお問い合わせください。みなさまのご不安を全力でサポートいたします。

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この記事を監修した⼈

陽⽥ 賢⼀

陽⽥ 賢⼀税理士法人レガシィ 代表社員税理士 パートナー

企業税務に対する⾃⼰研鑽のため税理⼠資格の勉強を始めたところ、いつの間にか税理⼠として働きたい気持ちを抑えられなくなり38歳でこの業界に⾶び込みました。そして今、相続を究めることを⽬標に残りの⼈⽣を全うしようと考えております。先⼈の⽣き⽅や思いを承継するお⼿伝いを誠⼼誠意努めさせていただくために・・

武田 利之(税理士)

武田 利之税理士法人レガシィ 社員税理士

相続はご他界された方の人生の総決算であると同時にご遺族様の今後の人生の大きな転機となります。ご遺族様の幸せを心から考えてお手伝いをすることを心掛けております。

<総監修 天野 隆、天野 大輔税理士法人レガシィ 代表

<総監修 天野 隆、天野 大輔>税理士法人レガシィ 代表

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