不動産の名義と節税対策
正しい不動産名義人の決め方
アパートマンション取得の際、その建築代金の全額を単独で負担する場合にはその人の名義で登記します。
複数の親子などで負担しあう場合には、建築代金とそれにかかる諸費用を含めた総額のうち、その負担割合によって、登記上の名義人・持分割合を決めなければなりません。
また借金により取得した場合にはその借入の名義人及び負担割合も考慮に入れなければなりません。
例)マンション1億円、諸費用1,000万円の負担内訳
・子・・・自己資金3,000万円
借入金7,000万円
・親・・・自己資金1,000万円
建物の名義は親・子連名、持ち分割合は、子11分の10 親11分の1
たとえば、上例のように、負担割合に応じて名義を決定していればよいのですが、これを子の単独名義にしてしまった場合、231万円※もの贈与税が課されてしまいます。
(住宅取得資金等の贈与の特例適用がない場合)
取得の際、事前に専門家に相談しておくことが肝要です。
本人名義で取得した場合
メリット
自分の土地に自分の名義でアパートマンションを建築すると相続税対策として下記のような節税効果が掲げられます。
- (1)土地建物について賃借人の借地権・借家権が発生するため土地建物の評価額が軽減される。
- (2)相続税の計算上、土地や建物のような不動産の価格はその時価と比しておおむね低いため、現金での相続より税の軽減が図られる。
- (3)土地について小規模宅地の評価減の適用を受けると、一定の範囲内で50%の評価減することができる等。
デメリット
アパートマンションの賃料は本人の収入となり、高額所得者にとっては、なお一層の税の負担増となってしまうため、損益が赤字にならなければ、毎年の所得税・住民税の節税効果は見込めません。
子の名義で取得した場合
メリット
自分の土地に子の名義で建築した場合、賃料は子の収入になり、所得の分散が図られ、子の収入確保と将来の納税資金の確保という点で有効といえます。
デメリット
生計を一にする親等に対する地代家賃等を必要経費にすることができない分、使用貸借により無償で土地を借りて賃貸経営するため借地権は発生せず、更地での評価となるため、相続税の節税対策においては有効とはいえません。